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酸性洗剤に貝を25分つけると……?まるで宝石のように輝く虹色貝に変身

 世界中の貝殻やシェルパーツ等をお手頃価格で販売している「貝殻の問屋さん」が、少し早い自由研究ネタをXで公開し話題になっています。

 それはなんと、虹色に美しく輝くアワビは、酸性洗剤につけ置きしておくだけでカンタンに作れる、というもの。添えられた写真にはビフォーアフターが写っており、その差は一目瞭然。

  •  貝殻の問屋さんの投稿によると、必要な材料は以下の通り。「酸性洗剤」以外にも、溶け具合の比較用として穀物酢などが紹介されています。

    ・酸性の液体
     穀物酢→pH3.5
     レモン汁→pH2.3
     クエン酸水溶液(2.5%)→pH1.8
     酸性洗剤(塩酸9.5%)→pH0~1

    ・油粘土(内側の真珠層を溶かさないように詰める)
    ・容器(プラやガラスなど透明が◎)
    ・ゴム手袋(素手はおててが溶けるよ!)
    ・貝殻の問屋さんの貝殻

    ■ 注意点「酸性洗剤」の扱いには十分気をつける

     どれもスーパーや100円ショップ等で入手可能な、身近な材料であるところもこの実験の優れているところです。

     貝殻については「貝殻の問屋さんの貝殻」と記していますが、サザエ、アワビといった真珠層を持つ貝であればOKとのこと。ホタテやカキといった、真珠層のない貝では虹色にならないので注意しましょう。

    用意する材料

     それ以外で注意したいのが、「酸性洗剤」の扱いについて。酸性洗剤は皮膚につくと肌荒れをおこします。またにおいも吸収しすぎると危険なため、十分な換気が必要です。

     もしお子さんが試す場合には、大人がしっかりそばについて見守るようにしましょう。そして万一ふれてしまった場合には、すみやかに大量の水で洗い流すこと。処置が済んだら必ず医師の診察を受けてください。

    ■ 実験

    1:貝の殻口に油粘土を詰める

     まず貝を用意し、殻口に油粘土を詰め込みます。この時、後で取り出しやすいように少し盛り上がるくらい詰めるのがポイントとのこと。

    殻口に粘土を詰め込みます

    2:1を容器に入れ酸をかけていく

     次に、使用する液体の種類の数だけ容器を用意します。穀物酢、レモン汁、クエン酸水溶液、酸性洗剤とためすなら4つ。

     そして換気を十分行い、ゴム手袋を着用したら、1をそれぞれの容器に入れ、その上から酸をかけていきます。酸性度の高い液体は勢いよく泡が出て反応するので、こぼれないように少しずつ注いでいきましょう。

     この時、他の種類とまざらないよう注意が必要。レモン汁はレモン汁だけ、穀物酢は穀物酢だけを入れるようにしてください。

    ゆっくり液を注ぎましょう

    3:酸性洗剤の場合、25分待つと虹色の真珠層が

     その後25分ほど経過したところで再びゴム手袋をして、容器から取り出します。酸性洗剤につけた貝殻の表面を軽く手でこすると下から虹色の真珠層が。酸や貝の種類によって若干輝きはことなりますが、それでもきっと子どもは大喜びすることでしょう。

     最後は、しっかり水洗いすれば完了。つけた「酸」の種類によって、結果がどう変わったのか観察するのもわすれずに。

    きれいな虹色貝に

     それにしても、一体なぜ虹色になるのでしょう。貝殻の問屋さんによると、貝を酸性の液体につけることで、「酸+炭酸カルシウム(貝殻)→酢酸カルシウム+二酸化炭素(泡)+水」という化学反応が起こるのだそう。

     液の種類で酸化力は異なるので、泡で溶ける様子の違いを観察するためにも、使う容器はやはり透明がおすすめとのこと。同じ時間でどの程度真珠層の出方が異なるのか、貝の種類でどんな違いがあるのか、比べた結果をまとめれば、まさに自由研究にうってつけです。

    結果の一例

     貝殻の問屋さんの担当者も、幼少期の経験から貝殻好き、理科好きになり、今の仕事につながったそうです。子どもの頃の経験から生まれた感動は一生もの。夏まで待てない方は春休みに親子で試してみるのも良いかもしれませんね。

    <記事化協力>
    貝殻の問屋さん(@kaigaradonya

    (山口弘剛)

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  • 山口 弘剛‌Writer

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    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育てしながら、地元のサッカークラブを熱烈応援中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動。

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