冬の時期、ブロッコリーは甘味と旨味が凝縮してまさに旬。国内産のものが豊富に出回ります。

 このブロッコリーを丸ごと味わえる、プーリア風パスタのレシピを料理コラムニストの山本ゆりさんが紹介。柔らかく煮てソース状にし、あえるだけという簡単ながら風味豊かなメニューです。

 プーリア地方は、ブーツの形に似たイタリア半島で、かかとに当たる南東部に位置します。とんがり屋根の家並み(トゥルッリ)があるアルベロベッロや、13世紀の古城カステル・デル・モンテといった世界遺産のあるこの地方は温暖で、オリーブオイルの名産地でもあります。

 そんなプーリア地方は、さまざまな種類のパスタ料理があります。山本ゆりさんが公開したレシピは、ブロッコリーをくたくたになるまで柔らかく煮込み、ソースにしたスパゲッティです。

 1人前の材料はスパゲッティ100g、ブロッコリー100g(1/2株程度)にニンニク、そして本来はアンチョビなのですが、今回は代わりにベーコンで作ります。材料の詳細は次の通りです。

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【材料/1人前】
スパゲッティ 100g
ブロッコリー 100g(1/2株程度)
ニンニク 1片
ベーコン 1枚分

塩 2つまみ
粉チーズ 少々
塩胡椒 少々
オリーブオイル 大さじ3(大さじ2と大さじ1で調理中分けて使います)
鷹の爪 好みで

水 300ml

スパゲッティの茹で汁 大さじ2(調理中とっておきます)
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 ニンニク1片とベーコン1枚分はみじん切りに、ブロッコリーも小房に切り分け、芯の部分は旨味がたっぷり詰まっているので、みじん切りに近い大きさに細かく切ります。

材料を切り分ける(山本ゆりさん提供)

 フライパンにオリーブオイル大さじ2、みじん切りにしたニンニクとベーコン、お好みで鷹の爪、ブロッコリー、塩2つまみを入れて炒めます。

炒めて煮ていく(山本ゆりさん提供)

 ある程度炒めたら、水300ml(1カップ半)を入れ、フタをして弱火~中火で10分ほど煮ます。ブロッコリーが柔らかくなった頃合いで、お玉や木ベラ、スプーンの腹などを使って潰していきましょう。

ブロッコリーが柔らかくなったら潰す(山本ゆりさん提供)

 これとは別に、スパゲッティ100gを茹でていきます。茹でるときの水の量は分量外です。使う鍋のサイズにあわせて用意してください。なお、麺の太さにもよりますが、ブロッコリーなどを煮始めたタイミングで茹で始めるとタイムラグなく、ちょうどいい感じに調理を進められます。あえる際に茹で汁も使うので、茹でている間に取り分けておくと良いでしょう。

 茹で上がったスパゲッティをフライパンに移し、茹で汁大さじ2、オリーブオイル大さじ1を加えます。粉チーズと塩胡椒で味を調え、よくあえたら完成です。

パスタとあえる(山本ゆりさん提供)

 ブロッコリーの煮加減は、お玉や木ベラ、スプーンの腹などを使い、軽い力で潰せるくらいの柔らかさが目安。茹でている途中で水気が飛んでしまうようなら水を足し、逆に多すぎるようならスパゲティを合わせる際の茹で汁は入れなくてもOKとのこと。

 2人前を作る際には、ブロッコリーを煮る際の水だけ400ml(2カップ)にして、ほかの材料は倍量に。ニンニクの香りが合うので、量を増やすのもおすすめと山本さんは語っています。

プロっコリーの旨味を楽しめる(山本ゆりさん提供)

 今回はロングパスタのスパゲッティを使ったレシピでしたが、ペンネやフジッリといったショートパスタで作るのも美味しいので、試してみるといいかもしれません。プーリア地方では小さな耳の形をした「オレキエッテ」というショートパスタが有名なので、それを使うと本場の味に近づくかも。

<記事化協力>
山本ゆりさん(@syunkon0507)

(咲村珠樹)