ミリタリーな話題をマニア目線でお届けしている、鉄砲蔵の「ミリタリー魂」。
今回はミリタリーが趣味のアイドルタレント、相原みぃさんの引退サバイバルゲーム大会をレポートいたします。相原みぃさんといってもご存じない方も多くいらっしゃると思いますが、彼女は「アキバ系アイドル」と呼ばれる一人。
【関連:第17戦 PSPソフト「俺たちのサバゲー」発売記念イベントに突撃】
毎日テレビで見かけるほどではなくとも秋葉原の家電量販店の店頭でアニメキャラのコスプレ姿をして宣伝活動をしていたり、イベントスペースでの音楽活動などで活躍していたり、コンセプトカフェの看板娘として活躍していたり……いわゆる“秋葉原地域密着型アイドル”が「アキバ系アイドル」なのです。
相原みぃさんも例に漏れずそうした「アキバ系アイドル」の一人で、秋葉原のメイド喫茶「Mia cafe」でメイドさんとして活躍する傍ら、猟銃の所持免許を持ち、サバイバルゲームも嗜みつつ、ミリタリーを全面に出した写真集やプロモーションDVDも発売するという芸能活動も積極的にやっておられました。
今回はその活動から引退するという衝撃の情報を彼女のツイッターで知り『引退サバゲー』への潜入を思い立ちました。
僕は20年以上サバイバルゲームをやっていますが僕の周辺ではサバイバルゲームの参加者といえば2000年頃までは男性ばかりで、参加している人のイメージといえば「戦争を好む危ない趣味の人」という印象を持たれることが多々ありました。
僕以上にサバゲー歴の長い人によると日本でサバイバルゲームが始まったといわれる1970年代頃から女性メンバーはいたそうですが当時はほとんど目立たない存在だったそうです。
それが、今回紹介する相原みぃさんのような「サバイバルゲームも嗜む“アキバ系アイドル」の登場により、サバイバルゲームもここ数年でゴルフやハイキングのような普通の趣味と同列という印象に世間が変わってきた気がします。
おかげさまでここ5年ほどになって女性メンバーも目立つようになってきました。感謝の意味もあり、僕自身も魅力を感じた彼女の写真集も購入。
ミリタリー装備を女性にも美しく着こなせるファッションとして扱い、セクシーな写真集に仕上がっています。
相原みぃさんとのサバイバルゲームは今回で最後、とのことで、今後の活動はどんな感じになるのか、調査してまいります。
最寄りの南大塚に着いてみるとタクシー乗り場へ、運転手さんも慣れた様子で、「はい、デザートストームに行くのですね。」と、すぐ話が通りました。そこから現地まで10分ほど。料金にして千円~1500円くらい。到着してみると駐車場は45台ほど収容、他にもフィールド沿いの通路で他の交通の妨げにならない場所にも駐車可能で、最大60台は駐車できるそうです。フィールドは50m×200m、セーフティーエリアは4人掛けテーブル25卓。
フィールドのうち半分は枯れた川を模した溝と遮蔽物の少ない砂漠エリア、半分は建物やドラム缶、廃車などの遮蔽物の多い街エリアとなっております。
現地に到着してみるとなんと!およそ320名の参加者が詰めかけておりました!普段は70人~100人程度なのにこの日だけかなりの人手でした。
相原みぃさんの人気のほどが伺えます。
みぃさん自身の引退の挨拶でも涙ぐんでおられました。
みぃさんに今後の活動についてお尋ねしてみると、引退するのは写真集やDVD発売など芸能活動のみで、メイド喫茶「ミア・カフェ」大阪店店長もサバゲーも続行するそうです。どうやら完全にお会いできなるわけではないようです。
今回は技能活動の一環としてのサバゲーが最後とのこともあり、壇上に上がったときのメイド服姿でのサバゲーの他、写真のようなナース姿でのメディック戦も行われました。メディック戦というのは弾が当たって衛生兵を呼ぶときのかけ声「メディ~ック!」といってその場で待っていればナースが駆けつけてタッチ。一回だけ復活ができ、2回目に初めて死亡、というもの。つまり一回目だけは負傷して衛生兵やナースに治してもらい、戦闘に復帰できるというもの。
みんな美人ナースの看病を受けている気分になって盛り上がっていました。
もう芸能活動も終わり、最後のサイン会ということで、僕も胸の弾倉入れにサインしていただきました。なんだか美人ナースの診察室、という雰囲気も楽しみました。やはりミリタリーアイドルのサインはサバゲーに使用する装備に書いてもらうに限ります。サバゲーするごとに彼女の魅力と歴史を思い出すことでしょう。
さて、ここからは自分を含む他の一般参加者のレポート。
ここでもいました!クラフトアップル社のバルカン砲!
普通の自動小銃なら連写速度は毎分120発程度ですがこの銃は毎分6千発という圧倒的な速度です。これならその威力で敵を制圧する迫力映像が撮れるのでは、興味が沸きました。
持ち主の方にマイクロカメラ設置をお願いしたところ、快諾を得て撮影となりました。ありがとうございます!
動画でもその連写の速さ、その迫力がおわかりいただけるでしょう。
▼バルカン砲ゲーム動画前半
http://www.nicovideo.jp/watch/1361767988
▼バルカン砲ゲーム動画後半
http://www.nicovideo.jp/watch/1361768107
読者の方々によりリアルなサバゲー動画をお届けするべく、今回はゲーム進行や仲間との会話を収録するため肩に乗せたカメラと敵に弾の当たるシーンを収録するため銃口に付けたカメラ、両方使って動画を撮影、銃を撃っている間だけ銃口カメラ映像と差し替える、という編集をやってみました。
今回のゲームは「街」エリアを守備側、「砂漠側」を攻略側、間の「枯れた川」を守備側は越えてはならず、攻略側はフラッグに戻れば何回復活しても可、というルールです。僕が一回やられて復活。再び前に出て射撃して敵の攻撃を防ぎ、仲間を前進させている様子がおわかりいただけるでしょう。
広い土地が開けているので隠れる場所があまりなく、敵も味方もほぼ射程ギリギリで撃ちまくっています。こういう場面では装弾数の多い方が有利ですね。
このゲームは僕の所属する攻め側の勝ちでした。
▼復活戦前
http://www.nicovideo.jp/watch/1361769668
▼復活戦後
http://www.nicovideo.jp/watch/1361769673
320人も参加者がいると普段は3人ほどしか見かけない第二次大戦装備の人も10人ほどおり、うち3人は同時代のアメリカ軍装備の方でした。
早速行進とフィールド前の空き地での模擬戦闘および撮影会が行われました。第二次大戦(日米で戦われた太平洋戦線は1941年~1945年)当時の旧日本軍が使用していた三八式歩兵銃はタナカという会社とKSCという会社から発売されており、今年の二月からは同じ戦争でアメリカ軍が使用していたM1ガーランド自動小銃もICSという会社から発売されるなど、第二次大戦装備を楽しむ人々には追い風が吹いています。
中には同じ一発毎にボルトを引いて発射する方式ながらも外観の全く違う東京マルイ製の「VSR-10」という銃の外観だけを木工の得意な仲間に作ってもらい、自作する方まで。射撃の性能では定評のある東京マルイ製品を、憧れの三八式に改造して外観と性能を両立。こういうモノづくりの精神こそオタク族の真骨頂ですね。
そして今回はまとまった人数が集まり、当時の旧日本軍軍歌を歌って行進、突撃の再現などして遊んでいました。
ますます歴史を再現するサバゲーも盛り上がっています!
現在、ゲームマニアの間で流行しているプレィステーション・ポータブル用ゲームソフト「モンスターハンター3G」で活躍する猫のキャラクター「アイルー」や1963年にアメリカで考案、流行したバッジやTシャツのデザイン「スマイルマーク」のかぶりものでサバゲーする方も。戦術的なデザインだけじゃなくこういう面白味を強調したコスプレでのサバゲーもアリでしょう。色々な方々がいてこそのオタク業界であり、だからこそ楽しいとも考えます。
さて、もう一人モノづくり精神の方をご紹介。クラフトアップルという会社が発売しているモスカートという、底の中心にあるボタンを押したら一度に78発のBB弾を発射して散弾銃のように使用するものを使って塩化ビニールパイプの散弾銃を作られたのがこの方。
ホームセンターでパイプを購入、作成には30分とかからなかったそうです。45°に傾けて設置し、写真の蓋のようなものに刺さっているネジでカートの底を押して発射。山なりの弾道で敵の頭上にBB弾の雨を降らせるそうです。
こういう単純で効果的な、コロンブスの卵みたいなアイディアって好きです。
今回のサバイバルゲーム、さすがに320人も集まるといろいろな人に出会う事ができ、かつてないほど内容の濃い出会いの場になりました。相原みぃさんも完全にお会いできなくなったわけでもなく、これからも一緒にサバゲー生活を楽しめそうです。
今回の参加人数もひとえにサバゲーの一般化と相原みぃさんの人気によるところが大きいでしょう。
▼相原みぃ公式ブログ
(文・写真:鉄砲蔵)
※銃撃シーンに入っている日付は設定の誤りです。実際の日付とは異なります。