地元では何気なしに使っていても、上京するとそれが強烈な個性にもなり得るのが「方言」。2022年の流行語大賞では、関西ではおなじみの「知らんけど」が、今更ながらトップ10に選ばれたことも記憶に新しくあります。
大阪府出身で、現在は都内の企業に勤務しながら、同期と組んだ漫才コンビで漫才師としても活動する天王寺そるかさん(以下、そるかさん)は、自身のTwitterで「勝手に大阪検定」を発信しています。
「社会人になって、就職で大阪から東京へ生活拠点を移したのですが、『大阪弁』や『大阪あるある』がもうウケるのなんのって。『ならではな話』を、みんな不思議そうに聞いてくれるもんで始めるようになったんです」
そう事の経緯を語るそるかさん。毎回リプライ(返信)欄では盛り上がる中で、この日のお題目は、近隣住民(兵庫県)の筆者にとってもお馴染みな「あるある」。
「大阪人以外に聞くけど、大阪弁で『レイコー』ってどんな意味か分かります?」
「女性の名前?」と“ジャナイ民”からは反射的に飛んできそうなこのワード、「冷コー」とも記される答えは「アイスコーヒー」の略称です。
ただ、いわゆる「死語」として、地元でもすっかり廃れてしまった言葉……だったのですが、引用含めて200件以上の反応があった中で、大半のユーザーが正解を言い当てました。
どうやら以前に、某大人気探偵漫画にて当該フレーズが使用された回が、アニメでも放送されたことで再脚光を浴びたことが背景にあるようで、大阪もとい関西圏以外の出身者でも認知されていた様子。
とはいえ、不正解の方も一定数おり、分かっていながらあえてボケる「大喜利」をかますユーザーも。「反応が多くてめちゃくちゃ嬉しいです。これからも続けていきたいですね」と、反響に対してそるかさんは振り返っています。
ちなみに、一連のリプライでは、「レスカ(レモンスカッシュ)」「クリソ(クリームソーダ)」など、アイスコーヒー同様に略される言葉が紹介されています。
これは一説には、かつて大阪の喫茶店では、伝票に記入する際、メニューを略す習慣があったのが理由ともいわれています。実際筆者が知る限りも、「レティ―(レモンティー)」「ミティー(ミルクティー)」などの言葉も存在します。ただし、「レイコー」のようにクローズアップされることはほぼなく、完全に死語状態と化しています。
しかしながら、なぜこんなに略しがちなのでしょう。ひょっとしたら、大阪においては「マクド」のように独自の表現を使いたがる習性があるのかもしれません。知らんけど。
大阪人以外に聞くけど、大阪弁で「レイコー」ってどんな意味か分かります?
— そるか@サラリーマン芸人 (@soruka_tennoji) December 23, 2022
<記事化協力>
天王寺そるかさん(@soruka_tennoji)
(向山純平)