食パンなど袋入りのパンを留める「アレ」こと「バッグ・クロージャー」。その特徴的な形は時折、鹿児島県や青森県などの都道府県に見立てられることがありますが、これをなんと実際の鹿児島県の形で再現した作品がツイッターで注目を集めています。

 投稿された写真では、薩摩半島と大隅半島で食パンの袋をガッチリとはさんでいる様子が。ただ似ているだけじゃなく、本当に使えたんだ……!

 この鹿児島県型バッグ・クロージャーを制作したのは、岐阜県の高等学校で化学教員を務める「宮元一賢」さん。宮元さんは鹿児島県出身者で、現在は岐阜県との交流教員として赴任中。普段からSNS等を通じて鹿児島の話題を発信する活動を行っています。

■ きっかけは鹿児島地本のツイッター

 今回の作品も、鹿児島の話題として先日「自衛隊鹿児島地方協力本部」の公式ツイッターアカウントが、バッグ・クロージャーを鹿児島県に見立てたつぶやきを行っているのを見て、「これなら作れそうだな」と試してみたくなったのが制作のきっかけでした。

 通常のバッグ・クロージャーと比較し、やや厚みのある鹿児島バッグ・クロージャーの素材に使われているのはなんと「プラバン」。プラスチックの板を加工して作ることも考えたそうですが、海岸線や桜島などの複雑な形を再現したかったため、よりカットしやすいプラバンを選んだとのこと。

複雑な地形を完全再現

 鹿児島県の形に切り抜き、加熱を行えば完成……ではありますが、やはり複雑な地形を切り出す作業は一筋縄ではいかなかったようで、三度目の挑戦でようやく完成にこぎ着けた模様。しかしながら、そんな苦労の甲斐もあり、その姿はまごうことなき鹿児島県。高い再現度を誇る作品に仕上がりました。

失敗した鹿児島県

■ さすがに本家バッグ・クロージャーの性能には敵わなかった

 では、実際の使用感はどうなのか?感想をうかがうと「使い勝手はあまり良くないです」と、思ったほどにはガッチリはさめていなかった模様。たしかによく見ると、桜島部分が引っかかって奥まではさめていませんね。さすがに本家バッグ・クロージャーの性能には敵わなかったようです。

鹿児島県の形がパンの袋を留めるアレに似ている→化学教員が実際に試してみた

 とはいえ試みとしては非常にユニーク。宮元さんはその後も関東地方型や愛知県型でバッグ・クロージャーを制作したり、現在の居住地である岐阜県型ではハンドスピナーを作るなど、すっかりプラバン工作にハマっているようです。

 気になったことはすぐに試してみる。こうした探求心と行動力は、さすが化学教員といったところでしょう。

<記事化協力>
宮元一賢 Miyamolさん(@38mo1

(山口弘剛)