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映画のエンドロール途中で席を立つ人にモヤる……ラストまで見るべき理由

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 今も昔も変わらず大衆娯楽として支持される「映画」。巨大なスクリーンで見る映画はやはり、自宅のテレビで見るそれとは明らかに違う迫力がありますが、ここで質問です。あなたは映画のエンドロールを最後まで見ますか?それとも席を立ちますか?

 筆者は当然「最後まで見る」派なのですが、映画を見に行くとエンドロールの途中で席を立つ方がちらほら。せっかく映画館に来たのだから、最後の最後まで楽しんで行けばいいのに……と、いつもモヤっとしてしまいます。

  •  もちろん最後まで見ない方にも、それなりの事情があるのでしょう。後に約束が控えていたり、トイレに行きたかったり、出口の混雑を避けるため……など。

     さまざまな理由が考えられますが、特にないのであれば、ぜひ最後まで見ることを強くおすすめします。

    ■ エンドロール中、もしくは最後におまけ映像があることが

     単に「同じ料金を払っているなら最後まで」というもったいない根性も理由のひとつですが、エンドロールを最後まで見る大きな理由は、「おまけ映像」の存在。これはきっと同じ意見の方も多いと思います。

     本編の後日譚であったり、続編を匂わせるような映像は、今や多くの映画に取り入れられている演出のひとつ。もちろん作品にもよりますが、「これを見ないなんて本当にもったいない!」と感じる内容であることもしばしばあるものです。

    ■ 役者、声優、演出家……映画制作に携わった人をチェック

     また、エンドロールには基本的に、その映画づくりに携わった人の名前が全員紹介されます。退屈な待ち時間……ではなく、気になった役を演じた俳優の名前をチェックしたり、アニメ映画であれば声優をチェックしたり……と、やれる事が盛りだくさん。

     特に映画好きの方であれば、ロケ地がどこだったのか、衣装制作の会社はどこか、字幕の翻訳、監督や演出家は誰なのか、といったマニアックなところまで細かく見ているという人もいるはず。知っている名前が出たらなんだかうれしさを感じる……というのも、醍醐味のひとつでしょう。

     また、エンドロールを見てはじめて存在を知る会社もあります。筆者の場合だと、「八木かつら」。エンドロールを見て気になり、その後調べて「時代劇専門のかつら屋さんがあるんだ……」と知りました。

    ■ BGMと共に余韻に浸りつつ、現実に戻る準備をする

     映画の内容が良いものであればあるほど、世界観に入り込み過ぎたり、登場人物に感情移入しすぎてしまったりと、現実に戻るのが困難な場合があります。そんなクールダウンにもエンドロールの時間はうってつけ。

     また、流れるBGMは多くの場合が作品の主題歌やメインテーマ、劇中の印象的なシーン等で流れた曲。歌詞が作品の伏線になっていたり、アレンジバージョンが流れたりすると、思わず鳥肌がたってしまいますよね。

     余韻に浸り、映画の内容を振り返りつつ、ゆっくりと自我を取り戻す準備をする……そんな時間に充てるのも良いでしょう。

    ■ エンドロールまでが作品、という考え

     こう考えると、ある意味ではエンドロールまで含めて「ひとつの作品」だと思うのです。単純に作品に携わった人の名前が流れるだけでなく、演出の一部としてこだわって作られている場合がほとんどであるはず。

     つまり、最後まで見ないのは映画を途中退席するようなもの。監督をはじめ、画面に出ない裏方さんへの敬意や感謝の気持ちを込めて、やはり劇場内が明るくなるその瞬間まで、スクリーンに注目するべきだと思います。

     ただし、冒頭の通り、退席せざるを得ない事情を抱えている場合もあるでしょう。「絶対に最後まで見ようね!」という話ではなく、芸術作品として映画を最大限楽しむためにも、見られる時はぜひ最後まで見てほしい……と見ない派の方に訴えたいところです。

    (山口弘剛)

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  • 山口 弘剛‌Writer

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    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育てしながら、地元のサッカークラブを熱烈応援中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動。

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