ロッキード・マーティンのレーダー/センサーシステム部門は2019年7月25日(現地時間)、ノースロップ・グラマンからE-2D用のAPY-3レーダーを24基受注したと発表しました。これは2021年から2025年にかけての複数年契約で、総額は6億ドル(約652億円)以上になるとのことです。
ノースロップ・グラマンE-2D “アドバンスド・ホークアイ”は、艦隊の目として知られる早期警戒機E-2ホークアイの最新型。機体に背負っている大型のレーダーに、UHF帯アクティブ・フェイズド・アレイ(AESA)のAN/APY-9を採用して能力を強化、プロペラも高効率な炭素繊維複合材製8翅プロペラとなっています。
アメリカ海軍では、老朽化したE-2CをE-2Dで更新するプログラムが進行中。すでに日本に前方配置されているCVW-5に所属するVAW-125がE-2Dに更新され、空母ロナルド・レーガン(CVN-76)や山口県の岩国海兵隊航空基地で運用されています。
また日本の航空自衛隊でも、2014年に策定された中期防衛力整備計画でE-2Dの採用が決定。2019年3月には、最初のE-2Dを受領しています。
今回ロッキード・マーティンが、E-2Dの主契約社であるノースロップ・グラマンからレーダーを受注したのは、アメリカ海軍のE-2D調達計画に伴うもの。現在ロッキード・マーティンは、2020年まで5年に渡る調達契約に従ってAN/APY-9を生産していますが、これをさらに2021年〜2025年の5年間延長するものとなります。
ロッキード・マーティンのプログラム・ディレクター、ケン・カミンスキー氏は「APY-9レーダーの調達契約がさらに延長されたことを非常に喜ばしく思います。現在までに我々の生産チームは優れた働きぶりを見せており、すべてのAPY-9システムは当初のスケジュールよりも早く生産が続けられています」と、生産体制の充実をアピールしています。
今回の契約分を含め、APY-9の生産はロッキード・マーティンのシラキュース、オウェゴ、ニューヨーク、クリアウォーターの各事業所で行われています。
<出典・引用>
ロッキード・マーティン プレスリリース
Image:U.S.Navy
(咲村珠樹)