「うちの本棚」、今回ご紹介するのはモノクロアニメ時代の戦隊ヒーローの元祖『レインボー戦隊ロビン』です。

本作品には原作コミック版や秋田書店「冒険王」版などもありますが、本書はテレビ版シナリオに基づいた描き下ろし作品です。

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レインボー戦隊ロビン


本書は月刊誌タイプの刊行物で、東映動画(現・東映アニメーション)作品のコミカライズをテーマにしている。

刊行当時は光文社の「かっぱコミックス」(『鉄腕アトム』や『鉄人28号』)を代表として、テレビ化・アニメ化された作品の雑誌型単行本が盛んに刊行されていた流れがある。現在一般的な新書判単行本の黎明時期であり、マンガの単行本=新書判とはなっていなかった。

このシリーズは、本書ですでに1年ほど刊行されていて、『風のフジ丸』『ハッスルパンチ』『海賊王子』等が既刊となっていて、表題作のほかに、本書では『宇宙っ子ジュン』が連載作品として掲載されているが、それ以前は劇場用長編アニメ『ガリバーの宇宙旅行』のコミカライズが連載されていたようだ。

さて、本書の話題に戻るが、大きく表題として掲げられているのは『レインボー戦隊ロビン』だが、シリーズを通してのタイトル(雑誌名と言っていいだろう)は「東映コミックス」となる。

表題作である『レインボー戦隊ロビン』は、テレビ版第1話をかなり忠実に再現した内容で、これはテレビ版のシナリオを元にコミカライズされていたのだと思う。細部で多少の違いはあるが、ここまで忠実にテレビ版のシナリオを再現している作品もあまり多くない。また作画面でもアニメの印象そのままのキャラクターが描かれていて、その意味でも「忠実なコミカライズ作品」と言っていいだろう。

ちなみに、表紙イラストは桃谷範夫、コミックは岡 正司、岩井しげおが担当していた。

ところで、モノクロアニメである『レインボー戦隊ロビン』は、ファンの間でカラー化した際の色指定について多少の議論がある。
いまのところ、以前発売されたレーザーディスクのジャケットイラストが東映公式の色指定とされているが、モノクロ版で想像していたものとちょっと違うとか、LD以前に発売されていた徳間書店の「ロマンアルバム」、劇場映画『サイボーグ009怪獣戦争』に1シーンだけ登場した際の色指定と違う等々、ファンが納得できる「答え」が出ていないという印象がある。

本書の表紙イラストはテレビ放映期間のものであり、本書刊行に東映動画が深く関わっていたと推測もされるので、あるいは放映当時にはこの色指定が公式だった可能性もある。

もっともこの版もファンのイメージ通りの色指定だとは言えないが。

書 名/レインボー戦隊ロビン 1
著者名/
出版元/ひかりのくに昭和出版
判 型/B5判
定 価/130円
シリーズ名/東映コミックス
初版発行日/昭和41年5月19日
収録作品/レインボー戦隊ロビン・怪星人現る、宇宙っ子ジュン・太陽をとりもどせ、スカイベビー アッピ・せいぶげきごっこ、理科クラブ

(文:猫目ユウ / http://suzukaze-ya.jimdo.com/