おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

ディズニー、コミケ出展する本当のわけは?来年春アニメのための伏線?

聖地・東京ビッグサイト著作権管理が厳しいことで知られる「ディズニー」が、一番対極にいると思われる同人文化の祭典「コミックマーケット85」に出展する。

【関連:ディズニー製作指揮・東映制作の男児向け新アニメ来年春放送決定】

コミケ83


  • ディズニーといえば先にも触れたように、著作権管理には特に煩い企業。
    例えば昭和62年には、ある小学校の卒業制作でプールの底にディズニーキャラクターが子供達によって描かれたことがあった。勿論ディズニーには無許可で。後日新聞報道なのでそのことを知ったディズニーは小学校に対し「著作権違反」を抗議。子供達の力作は泣く泣く消されるという出来事があった。ちなみにその時のディズニー側の言い分は「子どもたちには可哀想だったが、権利というものを知る教訓になったと思う」だったという。
    とにかく、相手が子供であっても著作権違反に関わることについては断固とした対応を示すことでディズニーは世界的に広く知られている。

    そして、同人といえば、オリジナル作品も勿論あるが、その多くは二次創作物。二次創作物では、一次=原作があった上でその登場人物や世界観などを引用し作られる。そして日本ではその多くは無許可で行われている。

    日本には古くから“同人文化”という独特の文化が存在する。通常であれば、ここでいう二次創作物では一次創作物を勝手に引用したもののため、著作権違反として判断されることもあるが、日本の場合、一般の人が“趣味の範囲”で二次創作する分には比較的企業も作者も寛容なケースが多い。また、同人の場で活躍し、のち有名作家になるケースなどもあり、国内では「作家育成の場」として見守る傾向もある。
    ただ、日本でも過去、事件にまで発展したケースもある。黄色いネズミの同人誌事件。(これについてはこの場で書ききれないことも多いため、気になる方は各自で調べて欲しい。)

    ディズニーのような、著作権に煩い企業が今回、コミックマーケット=二次創作の場に「企業出展」をするということは、今後どのような反応を及ぼすのか?
    出展したからといって、ディズニーコンテンツの二次創作を容認することは絶対になさそうだが、「二次創作」の場にわざわざ出てくる意味はなんなのか?

    今回は来年公開の映画PRが目的だという。そしてその作品が、「日本のアニメに通じる作品性がある」と判断されたからだとか。

    作品とマッチするユーザー層にPRをしたいという大義名分はわかるが、でもそれは「二次創作」の国際見本市のような場所。これまでのディズニー側の姿勢ならば、絶対に出展しないはずである。

    それがここに来ての出展決定。何か裏があるのでは?と考えざるをえない。

    そこで思い出されるのが、つい最近発表された、ディズニー・東映・バンダイがタッグを組んだ2014年“春”から放送予定の男児向け新テレビアニメ「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ」。
    ディズニーではこれまでも日本向けのオリジナルアニメ展開を数々試みてきた。テレビアニメ「ファイアボール」に、舞台をハワイから沖縄に変えた「スティッチ!」など。……そして残念なことに大ヒットとは言い難い結果を残している。

    ところが今回アニメ化する作品は、原作作品が海外では大人気作という大看板、そして2012年に実写映画化され、世界歴代3位となる約15億ドルもの興行収入を収めている。それが日本向けにわざわざアニメ製作までするということは……「絶対にコケてはいけない作品」になっているのではないだろうか?

    以前、アニメ関係者に聞いた話によると、日本国内でのアニメヒットの裏には「同人でのブーム」がその鍵を大きく握るという。
    某大手アニメーション会社では、わざわざ有名同人作家に依頼して同人化をお願いしたこともあったと聞いた。(大人の事情につきタイトルはここで明かせない。ご理解いただきたい。)
    私が聞いたそのタイトルは、本来男児向けながら、有名同人作家らが支持したことで、同人界では広く支持されることになり、今では本来のターゲット子供から大人まで幅広く愛される一大コンテンツに成長している。

    対して、これまで同人とは一切関わりを持たなかったディズニー。いくら国内でのアニメヒットの鍵をにぎるとはいえ、これまでなら絶対にコミケなど出展はしないはず。
    ただ、今回は背水の陣かつ、ビッグプロジェクトということもあり「絶対に失敗はゆるされない」。恐らく2~3年かけた企画だろうし、数十億円単位の費用も投入されることだろう。
    そこで、まず伏線として映画PRを名目にコミケに初参戦し様子を伺い、市場の可能性を見極めたい……。あわよくばこっそりPRもしてしまいたい……。

    あまりに突飛で考えすぎかもしれないが……。今回PRされるのはいくらSFでも単なる実写映画。それよりも来年春放送開始のアニメの方がまだコミケには市場とマッチする。……やはり私の考えすぎだろうか?

    参考記事:
    ディズニー製作指揮・東映制作の男児向け新アニメ来年春放送決定:https://otakuma.net/archives/2013102306.html
    ディズニー、コミケ初参戦決定!目的は来年公開のSF映画PR:https://otakuma.net/archives/2013102503.html

    (文:宮崎美和子)

    あわせて読みたい関連記事
  • コミケの名物現象がまさかのグッズ化 「食べられるコミケ雲(わたあめ)」爆誕
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    コミケの名物現象がまさかのグッズ化 「食べられるコミケ雲(わたあめ)」爆誕

  • 環境省のコミケ出展が話題 「ミリマス」とのコラボノベルティを配布
    アニメ/マンガ, イベント・キャンペーン

    環境省のコミケ出展が話題 「ミリマス」とのコラボノベルティを配布

  • 鈴木福×あの W 主演、「惡の華」が2026年4月にドラマ化 ディズニープラスで独占配信
    アニメ/マンガ, 放送・配信

    鈴木福×あの W 主演、「惡の華」が2026年4月にドラマ化 ディズニープラスで…

  • カプコンが「二次創作ガイドライン」を公開 寛大なるルール制定の一方、戸惑いの声も
    ゲーム, ニュース・話題

    カプコンが「二次創作ガイドライン」を公開 寛大なるルール制定の一方、戸惑いの声も…

  • 令和のインターネットを侵略完了!イカ娘コスの11年越しビフォー・アフターが話題
    インターネット, おもしろ

    令和のインターネットを侵略完了!イカ娘コスの11年越しビフォー・アフターが話題

  • コミケ会場に駅の窓口が転移!?鉄道サークルの“出札口”ブースが本格的
    インターネット, おもしろ

    コミケ会場に駅の窓口が転移!?鉄道サークルの“出札口”ブースが本格的

  • コミケに「家庭科のドラゴン」再臨 裁縫箱からアクスタまで“神器”集結
    企業・サービス, 経済

    コミケに「家庭科のドラゴン」再臨 裁縫箱からアクスタまで“神器”集結

  • ソフトバンク、コミケ106で電波対策強化 Starlink衛星Wi-Fiも投入
    企業・サービス, 経済

    ソフトバンク、コミケ106で電波対策強化 Starlink衛星Wi-Fiも投入

  • コミケ50周年
    アニメ/マンガ, イベント・キャンペーン

    「コミケ50周年」記念プロジェクトが始動 特設Xアカウントも開設

  • ディズニー スマイルコレクション
    商品・物販, 経済

    ミスド、初のディズニーデザイン商品「スマイルコレクション」7月発売へ

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • TopLayersの声明
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    TopLayers、「コスプレイヤー ドバイ案件」関与を否定 SNSの噂巡り声明…

  • 「ちびまる子ちゃん」新エンディングは宇多田ヒカル
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「ちびまる子ちゃん」新エンディングは宇多田ヒカル 13代目楽曲「パッパパラダイス…

  • 「ひろしの靴下」は本当に臭いらしい
    アニメ/マンガ, イベント・キャンペーン

    最臭兵器「ひろしの靴下」に10秒耐えられる? ニジゲンノモリで挑戦イベント開催

  • NPB公認アプリ「NPB+」
    企業・サービス, 経済

    球速・回転数まで一球速報 NPB公認アプリ「NPB+」始動、WBC全47試合に対…

  • スーパーマリオ リカちゃん マリオスタイル
    ゲーム, ホビー・グッズ

    「スーパーマリオ リカちゃん」発売決定 マリオ&ピーチ姫に変身

  • アニメック
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    旧アニメ誌と同名 映画配給会社「アニメック」設立、名称は関係者に報告の上決定

  • トピックス

    1. TopLayersの声明

      TopLayers、「コスプレイヤー ドバイ案件」関与を否定 SNSの噂巡り声明発表

      コスプレイヤー専門プロダクション「TopLayers(トップレイヤーズ)」は3月5日、SNS上で拡散…
    2. 「日清焼そばU.F.O.」が“究極進化”!どれくらい変わった? 2種類を食べ比べてみた

      「日清焼そばU.F.O.」が“究極進化”!どれくらい変わった? 2種類を食べ比べてみた

      3月2日から、「日清焼そばU.F.O.」の発売50周年を記念した「日清焼そばエクストリームU.F.O…
    3. あ、ありがてぇ……企業戦士は丸亀製麺の“仙豆”で今すぐ日々の疲れを吹き飛ばそう!

      あ、ありがてぇ……企業戦士は丸亀製麺の“仙豆”で今すぐ日々の疲れを吹き飛ばそう!

      ともに“亀”に縁がある丸亀製麺と人気漫画「ドラゴンボール」の夢のコラボが、3月3日からスタートしてい…

    編集部おすすめ

    1. ドラマ「フードファイト」

      「俺の胃袋は宇宙だ!」草彅剛主演の伝説的ドラマ「フードファイト」がHuluで一挙先行配信決定

      草彅剛さんが主演を務め、2000年と2001年に日本テレビ系列で放送されたドラマ「フードファイト」シリーズが、3月6日よりオンライン動画配信…
    2. フレンドとうんちをシェア!iOSアプリ「うんちくん」が良質な“クソアプリ”だった

      フレンドとうんちをシェア!iOSアプリ「うんちくん」が良質な“クソアプリ”だった

      うんち。生きていく上でとても大切なのに、人と話すのはちょっとはばかられる話題です。もっと気軽に誰かとうんちの話題を共有できたなら……そんな思…
    3. 「ひろしの靴下」は本当に臭いらしい

      最臭兵器「ひろしの靴下」に10秒耐えられる? ニジゲンノモリで挑戦イベント開催

      「クレヨンしんちゃん」のしんのすけの父・野原ひろしといえば、“足臭”で知られる存在です。その最臭兵器「ひろしの靴下」を展示している、兵庫県「…
    4. お内裏様とお雛様がまさかの「順番待ち」 ひな壇を占拠して爆睡する白猫ちゃん

      お内裏様とお雛様がまさかの「順番待ち」 ひな壇を占拠して爆睡する白猫ちゃん

      3月3日は桃の節句。きれいに飾り付けられたひな壇のど真ん中で、気持ちよさそうに爆睡する1匹の白猫ちゃんの姿がXで話題です。さらにその下の段ボ…
    5. スーパーマリオ リカちゃん マリオスタイル

      「スーパーマリオ リカちゃん」発売決定 マリオ&ピーチ姫に変身

      着せ替え人形「リカちゃん」と、任天堂の人気ゲームシリーズ「スーパーマリオ」とのコラボレーションドール2種が、株式会社タカラトミーより4月18…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト
    支援