ついに梅雨明けし本格的夏に突入!するわけですが、子供にとっては夏休みで胸わくわくさせている反面、大人にとっては「暑い」「湿気がつらい」「休みが盆しかねぇ」という鬱陶しいシーズン。
唯一の救いは通勤電車の車内に人が少なくなり快適になることと、帰宅して楽しむアルコール!仕事後のルービー(ビール)や炭酸で割るアルコールが特にマイウーなシーズンでもあるわけです。仕事後も美味いですが、休みの日に外で煽る酒もたまらんですよね。
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炭酸を感じるアルコールといえば、ビールが代表格ですが、この数年はハイボールも一時の衰退からめざましい復活を遂げています。一時は「おっちゃんの飲み物」みたいなイメージがすっかり定着していたのですが、この数年見る限りは世代性別問わず若い女性にまで幅広く浸透しているようです。
が、しかし!ここで一つ意見したい!!
ハイボールブームの前にあった「芋焼酎ブーム」は一体どこへ行った!!!
鹿児島県南九州市という、芋焼酎聖地で誕生した筆者としては、ハイボール勢に押され気味な状況を見ていられません。
そこで、一人勝手に『「芋焼酎ブーム」復活して欲しいキャンペーン』と銘打ち、独特のあの香りが癖になるぐらい「おいしーーく」飲める、夏向けシュワッと爽やかな芋焼酎の飲み方から、芋焼酎の素晴らしさをお伝えしてみようと思います!
■これを布教したい!「芋焼酎の炭酸割り」
筆者はかれこれ20年近く前からこの飲み方を毎夏しています。夏に限らず、冬でもする時があるほどお気に入り。ちなみに20年前にはこの飲み方「邪道」といわれましたが、最近は飲む人が徐々に増えお店でも出すところが出てきているようです。
さて、この飲み方。何故オススメかといいますと、芋焼酎の独特のあの香りを炭酸水を加えることでまろやかにし、さらに飲みやすくしてくれるからです。
芋焼酎は小さい頃から身近にあり、お父さんに親戚のおっちゃんといずれも毎晩晩酌に1杯は飲んでいました。彼らプロの愛飲者は、分厚い湯飲みで常温を飲むのを良しとしますが、我らアマチュアやビギナーにとっては、常温芋焼酎の香りは時にどぎつく感じることもあります。それがハードルを上げ飲みにくいと最初に判断する人は少なくありません。
でもちょっと待った!炭酸水でぜひ割ってみてください。芋焼酎独特の香りを炭酸ガスでまろやかに立たせ香りの味わいも増してくれます。
お酒は本来、飲んで味わうだけじゃなく「香りも味わう」という表現があるほど。 そのため、香りをまろやかに膨らませて立たせることで独特の香りに慣れない人も香りを味わうことができるようになります。 さらに、炭酸水は水割りよりも酒本来の味を際立たせ、かつアルコール度数を下げることでゴクゴクッとのどごしも楽しめるほどに飲みやすさを増してくれます。
「芋焼酎ってちょっと苦手かも。。」と飲まず嫌いしている方は、ぜひこの飲み方試して欲しいです。
■芋焼酎のこれを知って!「二日酔いしにくい!」
ちなみに芋焼酎。量にもよりますが、余計な成分が入っていないため、二日酔いをあまりしません。芋に限らず焼酎全般がそういわれています。
焼酎はそもそも蒸留酒になります。含まれるアルコールはエチルアルコールが主。そのため体内消化する際、他のお酒よりも消化が早いといわれているのです。
筆者は酒は全て大好きですが、色々飲み比べた結果、芋焼酎で二日酔いをしたという経験はありません。それ以外のものだと、次の日「世界よ終わってしまえ!」と呪いたくなることはしばしば。まぁ、量にもよりますがね。
■これから暑くなるし「アルコール脱水症」には要注意
他にも二日酔いを避けるコツとしては、水と一緒に飲むことがよく知られています。これは芋焼酎に限らずです。
でも最近では知らない人が特に若い世代に増えているようで、ビーチでビールをグビグビのんで「ビール飲んでるから水分ばっちり!」と思い込み、あえなく脱水症で運ばれる人がいます。
何故水分を取っているのに脱水症を起こすのか? アルコールにある利尿作用に理由があります。飲んでる最中「トイレの回数増えたな?」って事ありませんか。つまり飲んですぐに水分をバンバン排出しているわけです。
そのためトイレが増えたら要注意。必ず一緒に水分を取ってください。特にロックで飲む場合は、水分を取り忘れる場合が多いので、意識して飲むのがコツ。
そしてどんな飲み方であれ最後は必ずお水を一~二杯飲むこと。これでさらに脱水症を防げます。
■炭酸水割りにはこんなトッピングがオススメ!
上記で、炭酸水割りにすると匂いがまろやかになる!と書きましたが、それでも苦手な人もいるかと思います。実は筆者も初期の頃そうでした。
で、どうしたかというと、色んなトッピングを試し、香りのコラボレーションを探してみたのです。
次ではその自己流オススメトッピングをいくつか紹介。
(1)大葉(シソ)
芋焼酎炭酸割りを入れる前に、大葉一枚をグラスに入れてください。入れる前ですが、大葉を手のひらに乗せて2~3回強く叩くこと。叩くことで大葉の香りが膨らみます。そこに、芋焼酎+炭酸。
飲んでみるとわかりますが、シソの良い香りと芋焼酎の香りが上手に混ざり合い、それを炭酸が膨らませて漂わせてくれます。
(2)キュウリの叩き
この飲み方は完全好みになりますのでその点まずご理解を。
キュウリは間隔をあけて皮をむいたものを一口大にして入れてもよし、筆者の場合は湯飲みや棒でバシバシ叩いた後に、湯飲みの口で一口大にカットしたものを入れています。キュウリって刃物使わないと匂いが全く違うので、個人的には後者がオススメ。そこに炭酸、焼酎を入れてぐびっ!キュウリの青々しい香りと芋焼酎の香りがまざりあい、これも爽やかに飲める一品です。
(3)カットレモン
酒と柑橘類は芋焼酎に限らず酒にあう最強トッピングというのはよく知られていること。でも色々試した結果、柑橘の中でも匂いがそこそこ控えめなレモンが一番合うきがします。炭酸割りにシュワッと一絞り。絞った後に皮ごとグラスにIN!味も少しだけ変わって特に女性が好む一品。
他の柑橘類でも試してみましたが、匂いが勝ちすぎるので個人的には絶対レモンがオススメですよ。
(4)梅干し
好みで1つぶか2つぶ入れるだけ。大葉と同じでシソと梅の香りが膨らんでくれます。潰しながら飲むと少し塩分を感じて味に変化もついてよりさわやかに芋焼酎を楽しめる味わい方です。
■オキニ銘柄は……基本教えたくありません
芋焼酎といえば、まず銘柄の多さに最初戸惑う人も多いかと思います。
ホント色んな種類ありますからねぇ。年間1000本しか出荷されないレア銘柄から、気軽にどこでも手に入る銘柄まで様々。
だからこそ、基本「芋焼酎のオキニ銘柄」は教えたくないんです。
でも中には勿論手に入りやすいものもあります。今回記事で使った『一刻者』(宝酒造)もそう。これは比較的全国どこでも購入できるんじゃないでしょうか。(見たことなかったらごめんなさい)
そんな手軽な割りには、しっかり芋麹を使っているので(芋焼酎は米麹を使っているものがオーソドックスなのです)芋本来のほんのり甘い香りが立ち、さらに雑味のない飲みやすい味わい。炭酸水とも相性が良く、価格も抑えめなので日常用の飲み活には手頃でいいんじゃないでしょうかね。ちなみに一刻者を出している宝酒造さん自身もそのことに気づいているようで、今年に入り炭酸水で割る飲み方を紹介していました。
ちなみに、レア銘柄については、元の値段は1本2000円前後なのに、県外で1万以上という値がつくものもあります。一時の芋焼酎ブームでは、それに拍車がかかり、芋焼酎=高級酒という印象をつけてしまったような気がしますが、高騰しているのはごく一部分。その他については、味はひけを取らないものの、単に名を知られていないだけで美味くて安い芋焼酎は「山ほど」あります。
そういうお酒については、実はネットにはあまり紹介されていませんし、口コミもあまりみかけません。
何故って?数が少なくて美味しい、しかも安い酒なら「飲み助だらけ」の鹿児島県民がほっておくわけナイジャナイデスカー。そういう銘柄はほぼ地元消費しているといっても過言ではありません。
そのため、もし芋焼酎の魅力に取り憑かれてしまったら、ぜひ鹿児島に来て「オキニ」の芋焼酎を探して欲しいのです。
鹿児島のどこでもかまいませんが、できれば個人商店と思われる酒屋に入ってみてください。そして店のおっちゃん、おばちゃんに「どれがオススメ?」と聞くと、あれやこれや気さくにすすめてくれると思いますよ。観光地なら、長崎鼻の先っぽにある酒屋のおっちゃんがおしゃべりでオススメです。
「芸能人の誰々もサスペンスドラマの収録にきて買って行ったよ~」なんて話をおりまぜつつ、紹介してくれつい色々買わされます。商売上手ですよ~。でも飲むとホントに美味いものだけ紹介してくれます。
飲み方としては、どこでも手に入る銘柄を日常用におさえつつ、たまに珍しい銘柄を楽しむ。交互で飲むと色んな味も楽しめるので、芋焼酎に慣れたな~という頃にはこういう飲み方もぜひ楽しんでください。