猛暑日を超える地域も出始めて、すっかり夏本番となっている日本全土ですが、やっぱりこんな夏だからこそヒヤリとするような怖いDVDをあえて見てみたいと思いませんか?
というわけで、今回は編集部が自信を持ってオススメする人間のリアルな怖さに焦点を当てた映像作品をご紹介したいと思います。
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■夜中に見てたら血の気が引いた『放送禁止』シリーズ(フジテレビ系列、2003年~)
何かの理由でお蔵入りとなった映像を編集してお送りするという体裁のドキュメンタリー風ドラマシリーズですが、かなりリアルにつくられているために夜中にたまたま『ストーカー地獄編』を見てしまった筆者は血の気が引きました。
途中まではストーカー被害にあっている女性と、それに立ち向かう女性ジャーナリストのドキュメンタリー(実際にはドキュメンタリー風ドラマですが、その注釈はほぼありません)なのですが、最後に近づくにつれて段々雲行きが怪しくなっていくのです。最後の最後までドキュメンタリーとばかり思っていたために、真夜中テレビの前で凍ってしまったのは言うまでもありません。
ドキュメンタリー風ドラマだと知った後に他編や映画版を見ましたが、どれも現実のデータ(例えばストーカー被害件数のグラフなど)とドラマの中で起こった虚構を入り混ぜてつくられており、さらに随所に謎が散りばめられているために怖いと思いながらもじっくりと画面の端から端までを見てしまうこと間違いなしです。
■こういうことあってもおかしくない……鳥肌立ちまくり『トリハダシリーズ』(フジテレビ系列、2007年~)
『トリハダ』シリーズは幽霊は出ない、超常現象は起きない、音楽で恐怖を煽らない、過度な演出はしない、日常から逸脱しないの5つを原則としてつくられたオムニバスホラードラマシリーズです。1話の長さが10分もなく、テンポよい起承転結でまとめられています。
例えば、DVD『トリハダ6』に収録されている『天使の中にある恐るべき残酷』はホームビデオで息子とクマの着ぐるみを撮影しているというほのぼのとした映像です。しかし、近くにいたやんちゃな子供たちがクマを蹴ったり殴ったりという映像が一瞬映り、その後息子の元に戻ってきたクマが抱きついて離れた瞬間、子供の顔には真っ赤な血が……どうやら着ぐるみのクマが撮影されている映像外で自分を蹴った子供たちに何かをしたらしいことが窺えるという、ゾッとするような短いストーリーです。
こんなふうに日常で何かが起こった結果、それがゾッとするような結末をたどるという物語仕立てのものが多く収録されているため、ドキドキをたくさん味わいたいという人はぜひ見てみてくださいね。
■食べられちゃう……『食人族-製作35周年記念HD リマスター究極版-』(2015年)
昨年、編集部でも記事にて発信した『食人族』。『食人族-製作35周年記念HD リマスター究極版-』がすったもんだの末に11月21日に発売されファンを喜ばせましたが、これは食人族という人を喰らう民族を描いた映画なんです。
アマゾンの奥地でドキュメンタリーの取材班が失踪。後日、発見されたフィルムに映しだされていたのは、彼らが食人族と出会い食べられてしまうという衝撃的な内容でした。実際に本物の動物を解体するシーンが含まれていたために、発売中止になりかけたり世界中で物議をかもしたりしたそうです。
日本では1983年に劇場公開されCM放映もされており、大ヒットを記録したというのだから驚きですよね。
こちらも『放送禁止』シリーズと同じようにドキュメンタリー風に撮られており、実際に起こった事件だと誤解した観客が多くいたそうですよ。
ホラーの中でもグロテスクな描写が多いため、そういう意味でもひんやりしちゃいたい人にはオススメかも!?
幽霊系はお風呂で頭を洗えなくなるから見られないという人も多いかと思います。そういうときはリアルに根ざしたホラー映画を見て、ひんやりゾワゾワしちゃうというのもいいかもしれませんね。
(文:大路実歩子)