ミリタリーな話題をマニア目線でお届けしている、鉄砲蔵の「ミリタリー魂」シリーズ。
この頃すっかり僕がサバイバルゲームを始めた1991年頃ほど「危険なも」「みっともないもの」という世間の印象もなくなり、フィールド側でも男女別の清潔なトイレ、女子更衣室、シャワー室や飲料の自販機、昼食のカレー配給などが当たり前になりました。ここまでサバゲーが普及したのはありがたいけど段々ルールや雰囲気が統一され、レポートすることがなくたってきたのはちょっと寂しくもあったり……。何か変わったこともやってみたい!
そんな風に考えていたら、混沌とした終末世界をイメージとしたサバゲー、MAD4が千葉県のサバゲー場、ヴァルハラで行われるとの情報を得ました。今回は貸し切り戦の為、昼食の手配はなく、個人で用意。公式ツイッターにて「主食などは各自、終末世界に見合った食事を持参していただけると助かります。」との話だったので長いこと自宅で眠っていた期限切れの非常食を持参することにしました。
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やはり終末世界といえば非常食、非常食といえば缶詰。この日の昼食はこれです。ご飯と生野菜がありませんが、終末世界では贅沢というものです。
今回のMADサバゲー、専用の無料送迎バスが用意されており、他のチームでサバゲーに行く際にタクシーで毎回片道1500円~3000円費やす僕としてはこういう配慮は助かります。
さて、現地に到着してみると駐車場の収容台数は200台分、女子更衣室、男女水洗トイレ完備、身支度や銃の準備をするセーフティーは186席。フィールド面積は6600平米。フィールドは塹壕や板塀で仕切られ、大体30m前後で敵と出会うように工夫されていました。当日の参加者数は150人。
まずこのMADサバゲーで特徴的なものはイベント内通貨として流通しているキャップというお金。
本来は飲料ビンの王冠ですが、本イベントではこれを黒く塗ってキャップとして全員に3個配布。各メンバーの初期財産とします。黒く塗ってない、金色のままのものは参加者が持ち込んだ偽キャップです。昼過ぎに開かれたキャップ市場でもやはり偽キャップで支払った不届き物はいたとのこと。まぁ、偽キャップも、その処罰としてのサプライズ処刑ショーもイベントの一つ。ただ、今回は雨天のため、処刑イベントは次回に延期とのこと。
「中止じゃないぞ~。延期だからな~。チャント覚えているからな~、次回、楽しみにしているぜ~。」とは販売員のお言葉。まさに世も末の雰囲気満々です。
市場に見られる商品は、黒いプラスチックケースのようなものが予備弾。今回のゲームは本来、一ゲーム100発までのところ、このケースをゲーム中に使用して補充することは許されています。その隣の黄色いかごに入っている注射器のようなものは、ゲーム中に弾が当たって死亡判定になってもこれで復活できるというもの。ただし一回使い切り。結局僕はこの回復剤を購入致しました。
他にも銃や格闘武器を参加者同士でキャップと引き換えにレンタル、というのも可能となっています。ちなみに、格闘武器は全てスポンジやゴム製なのでご安心を。
セーフティーゾーン中央で物乞いのコスプレをしていた方にタキシード姿と黒シャツの方が「お前、金持ちになりたいか?ん?そうか……」と、突然、物乞いさんの頭上にぶちまけ、途端にキャップを奪い合うように拾い集める群集が。あたりは騒然となり……まさにカオス!しかし、よく見ると全て偽キャップ。まさに世も末のパフォーマンスでした。
中にはお菓子を一つ1キャップで販売していた教祖と巫女のお二人も。実際に美味しく食べられるお菓子が売られているとキャップにもなんとなく価値が感じられるから不思議です。ここのイベントでしか通用しないキャップ、稼いだ後何に使ったかお尋ねしたところ、回復材を購入したとのこと。
その後この物乞いさん、丁度居合わせた女王様コスプレの女性に虐められるシーンを演じておりました。この物乞いさん、合意の上で虐められていたようで、「公園なんかにある遊具のパンダみたいに遊んでいただければ。」なっておっしゃっていました。
そうこうしているとエンジン音が。なんと、本当に乗って走れる模型戦車を持ち込まれた方も。茨城県大洗町で行われた観光イベントにも持ち込まれ、多くの方に撮影、ネット投稿されたそうです。世の中、戦車好きが多いですね。
さて、セーフティーゾーンでの遊びはこの位にして、本題のサバイバルゲーム。
この日のゲームは派手で威嚇的な服装が特徴の襲撃者勢、リュックと防毒マスクが特徴の生存者勢、白いマスクと北斗七星のハチマキが特徴の勢力と三つ巴のサバイバルゲームとなり、僕はそのうち架空の勢力一員として戦うことにしました。
僕の場合、事前に秋葉原のトリガーハッピーというミリタリーカフェで販売されていた白マスク1800円とハチマキ2500円を購入するのみで、後はかねてから雪の中でサバゲーするために用意していたドイツ連邦軍の雪迷彩で白づくしの扮装。今回も新たに用意すべきものが少なくて助かります。
数あるこの日のゲームの中でも特徴的なゲームをいくつかご紹介。まずはDOPE WARRIORS。バーサーカーというキャラが登場。この戦いでは僕の所属する宗教勢力が勝ちました。
条件は
・ゲーム時間は15分
・弾が当たった人はその場で待機。
・味方二人のタッチで復活。
・ウオークライヤーにそばに来て3秒間楽器を演奏してもらっても復活。
・バーサーカーは弾が当たっても死なない。ただし、走ってはいけない。銃を使わず、格闘武器のみ使用。バーサーカーに武器で斬られたら復活なしの死亡というもの。
・2拠点制圧で勝利。それ以外は敗者。
そしてREGION WAR。このゲームでボスから褒美としてキャップが支払われます。
条件は
・ゲーム時間は15分。
・一般兵がやられたら自分のフラッグに戻ってきてボスにタッチするかウオークライヤーに傍で3秒間、演奏してもらって復活。
・ボスがやられたら2名以上の一般兵に3秒間タッチしてもらって復活。
・ボスがやられるごとにカウンターを押し、ボスを最もヒットした勢力の勝利。
・キャップの報酬額はボスの独断と偏見。
SUPPLIER’S SURVIVAL、拠点となる交易所を生存者勢が守り、残りの2勢力が奪い合うゲームです。このゲームで格闘戦に夢中になる人や戦車を走らせる人も出てきます。
条件は
・ゲーム時間は10分。
・最後に拠点となる交易所を占拠した方の勝ち。
・復活なし。
最後に、女王様の他にも会場にいらしていた美人コスプレイヤーの方々をご紹介。このごろはこうしてコスプレして参加する方や専用イベントが増えています。
最近のサバイバルゲームは勝負に熱を上げる試合というより雰囲気重視、自分の体で演じる戦闘ゲームという色合いが強いようですね。これからもサバゲーの世界にどんな変化があるのか、楽しみになります。
▼MAD WARRIORS SURVIVALGAME公式ホームページ
http://brainmixer-ent.wixsite.com/b-m-e/mad
▼MADサバ公式ツイッター
https://twitter.com/MAD_WARRIORS
▼千葉県ヴァルハラ
http://vlhl.jp/
(取材:鉄砲蔵)