甘いイモ類、ホクホクの焼き芋なんかは今が一番おいしい時期ですね。そんなサツマイモの甘くてとろける調理方法がツイッターで話題です。

 年明け1月5日に封切りとなる大阪は堺市を舞台とした映画『嘘八百』の脚本家であり小説版も出版している、今井雅子さんが紹介した方法。
「先日イタリアンの前菜で食べたさつまいもがとろけるように甘くて、お店の人に感激を伝えたところ、『油が冷たいうちに入れて、油と一緒に温めるんです』。甘みがじっくり引き出され、外がこんがり色づく頃に、中はほっくり。家でやってみると、あの味再び。かぼちゃもびっくりするほど甘くなります。」と素揚げされたサツマイモの画像。程よくこんがりと色づいたサツマイモの輪切りがとっても美味しそう。

■やってみた

 ちなみにこの調理法。お察しの方もいるかと思いますが、低温調理法の「コンフィ」。発祥はフランスとなっていますがイタリア料理でも取り入れられています。テレビなどで見かけたことはあったものの、敷居が高く感じられこれまで試さなかった方法……。しかもコンフィといえば肉か魚料理だけだと思っていました。野菜もいけるんだ……。良い機会です!サツマイモを買っていたのを思い出し早速真似っこしてみました。

 今井さんによると油と切ったサツマイモを鍋に入れて火にかけるという事だったので、洗って切ったサツマイモをキッチンペーパーで水気をとって鍋に投入、そして油は材料がかぶるくらいに入れて弱火でスタート。
今回他の素材や切り方だとどうなるのか試してみたかったので、拍子木切りにしたサツマイモとニンジン、ついでにユリ根も素揚げしてみる事に。

 加熱開始から約5分、油がふつふつとしてきました。均等に加熱できるよう時々軽くひっくり返したり混ぜたりしつつジリジリと弱火で煮る事約15分、段々色がきつね色に近づいてきたあたりで引きあげました。

ケチって油少な目で調理。ふつふつとした状態をキープしてます

 揚がったものを早速食べてみました。確かにこれは美味しい! 使ったイモは自宅にあった紅はるかでしたが、甘みが引き出されていていくらでも食べられそう。切り方がちょっと小さめだったかもしれませんが、十分甘くて美味しかったです。中のトロっと感を楽しむにはもっと大きめのブツ切りの方がよさそう。

 試しに一緒に揚げたニンジンも甘い!パラっと塩を振るとさらに甘みが引き立ちました。
ユリ根は、一片が薄めであまり大きくないのでスナック菓子の様な食感に。甘みはないけどクセもないのでハーブソルトにもよく合いました。

12時の方向から時計回りに、輪切りサツマイモ、ユリ根、拍子木切りサツマイモ、拍子木切りニンジン

 今井さんのツイートには「カボチャもびっくりするほど甘くて美味しくできた」という反応も寄せられていてこれもかなり美味しそう!また、65度ぐらいで30分ほど揚げると甘みがマックスになるという反応もあったので大きめの鍋とたっぷりの油でゆっくりじっくりと調理するとさらに甘みが増して美味しくなりそう。どうやら低温でじっくり時間を掛けて揚げるのが良いみたいです。弱火でもずっと火にかけていると最後には高温になっていくのでカリッときつね色になった頃合いがちょうど良い様です。

 衣も味付けもなしで素材の甘みと美味しさが最大限に引き出せるこの調理法、色々応用が利きそうですよ。

<記事化協力>
今井雅子さん(@masakoimai)

(梓川みいな)