アメリカ陸軍が、小型ヘリコプターUH-72Aラコタを35機追加発注しました。2018年3月9日(アメリカ時間)、受注したエアバスヘリコプターが発表しています。

 UH-72Aラコタは、H145(川崎BK117 D-2)をベースにした汎用小型ヘリコプター。偵察・弾着観測のほか、救急搬送任務やVIP輸送、ロケットランチャーやガンポッドをオプション装着して軽攻撃任務にも使われます。アメリカ陸軍には2006年に採用され、2017年には通算400機目の機体が納入、現在では412機以上が納入されています。

 今回追加発注された35機の予算は、総額2億7300万ドル。2つのサブタイプに分けられて発注されています。17機は、アラバマ州フォートラッカーにある陸軍高等航空センター(USAACE)で用いる練習機仕様。そして18機は陸軍戦闘教育センターで使用される偵察・観測任務仕様です。

 「アメリカ陸軍が我々との関係を継続し、我々が陸軍航空戦力に幅広い能力を提供できていることを誇らしく思います。我々はこの機体において、傑出した高いコストパフォーマンスを保持しています」と、エアバスヘリコプターのクリス・エマーソンCEOは今回の追加発注に際してコメントを発表しています。

 UH-72Aラコタはコストパフォーマンスと汎用性に優れた機体で、アメリカ陸軍が進めている回転翼航空戦力の再構築策において、重要な位置を占めています。その活躍は戦場だけでなく、昨年から今年はじめに限っただけでも、ハリケーン「イルマ」「ハーベイ」の被害調査、そしてカリフォルニア州で頻発した山火事でも、上空観測等で飛行しています。コンパクトな機体ですが、これからも陸軍航空戦力における基幹ヘリコプターとして使われ続けることでしょう。

Image:Airbus

(咲村珠樹)