レッドブル・エアレース2018第3戦千葉大会、5月25日に行われた最初のフリープラクティスは2016年のワールドチャンピオン、ドイツのマティアス・ドルダラー選手が57秒118でトップタイムをマーク。母国開催3連覇を狙う室屋義秀選手は、58秒284で5番手タイムとなりました。

 幕張名物、海からの風が強く吹くコンディションで、各パイロットはその対応に苦慮し、思ったよりタイムは伸びませんでした。しかし2秒以内に7人が入っており、僅差の争いです。

 スタートから最初の縦のターン(VTM)でうまく速度をかせぎ、運動エネルギーをGで削られることなくシケインに入れるか、という部分が後々まで響くような印象でした。最初のシケインからゲート6、そしてゲート7からのハイGターンでも、なるべく急激に旋回しすぎないよう、Gを分散してかけつつターンするテクニックが重要。ここで大きくGをかけてしまうとエネルギーを失い、それを取り戻せないまま2回目の縦のターン(VTM)に入ってしまい、そこで失速してしまう……というパターンが多くみられました。

 また、風に流されてハイGターン直前のゲート7でのパイロンヒットや、ハイGターンでGをかけすぎ、運動エネルギーをロスしてしまうと、2回目のシケインでも風に流されます。

 運動エネルギー(速度+高度)を維持できないと、海からの風の餌食となり、流されてさらにタイムをロスしてしまうので、いかに速度を維持して最初の縦のターンに入り、降下の局面で次のゲートへ直線的に向かい、なだらかに水平飛行に移れるかという部分を見ていくと、より楽しめるでしょう。

 1. ドルダラー選手   57秒118
 2. ソンカ選手     57秒638
 3. コプシュタイン選手 57秒754
 4. ホール選手     57秒820
 5. 室屋選手      58秒284
 6. グーリアン選手   58秒381
 7. マクロード選手   58秒861
 8. ボルトン選手    59秒300(スモークが出ず1秒追加)
 9. ルボット選手    59秒364(スモークが出ず1秒追加)
 10. マーフィー選手   59秒617
 11. チャンブリス選手 1分0秒517(スモークが出ず1秒追加)
 12. イワノフ選手   1分0秒517(ゲート7のインコレクトレベルで2秒追加)
 13. ブラジョー選手  1分0秒698
 14. ベラルデ選手   1分2秒352(ゲート3パイロンヒットで3秒、スモークが出ず1秒、計4秒追加)

(咲村珠樹)