アメリカが現在構想している火星への有人探査。それを一足先に体験できるコンテンツがアメリカでリリースされています。NASAで惑星探査などを手掛けるジェット推進研究所(JPL)が完全監修し、最新の探査データをもとにしたリアルな火星の様子を3Dで体験できるものとなっています。

 アメリカのゲーム会社、ブラックバード・インタラクティブ(Blackbird Interactive)が2018年11月27日にリリースした「Project Eagle」。西暦2117年、火星暦44年(火星の1年は地球の82.8年に相当する)の火星が舞台となっています。ゲイル・クレーターに開設された「マウント・シャープ基地」というドーム型コロニーに人類が生活しているという設定で、ここはNASAの火星探査機「マーズ・キュリオシティ・ローバー」が着陸した地点にほど近い場所となっています。


火星の宇宙港(画像:Blackbird Interactive Inc.)

火星の宇宙港(画像:Blackbird Interactive Inc.)

 プレイヤーはこのドーム基地を起点に、火星ローバーに乗って火星探検に出かけることができます。表面の起伏は、火星周回軌道にあるマーズ・リコネッサンス・オービターに搭載されたHiRiseカメラによって撮影され、観測されたデータに基づくもの。HiRiseカメラは表面の高低差を誤差1mで読み取る能力があり、ほぼ実際の高低差や表面の状態を反映しています。



 ブラックバード・インタラクティブによれば、これはゲームではなく、火星に人類が「コロニー」を作って活動することを体験し、実際に有人火星基地が実現可能であることを感じてもらうツールだとのこと。火星ドーム基地についても、NASAとJPLの専門家たちが実際に実現可能だと考えている材料と技術を使って建設されているのだといいます。

 残念ながら日本語版というものは存在していないのですが、火星の表面を探検して回るという点では、あまり英語がわからなくても大丈夫そうです。動作についての最低システム要件は、OSがWindows7、プロセッサはCore i5、8GBのRAMにグラフィックはNvidia GeForce GTX750ti、DirectXのバージョンは11で空きストレージは2GBとなっています。ゲーム配信サイト「STEAM」で無料でダウンロードできるようになっているので、要件に合うPCをお持ちの方は、ぜひ「未来の火星」を探検してみてください。

image:Blackbird Interactive Inc.

(咲村珠樹)