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ボタン電池の誤飲の恐怖 粘膜の代わりにベーコンで実験してみた画像に戦慄

 小さい子どもは何でも口に入れたがります。特にハイハイし始めた子どもは、目にしたものを口にしがち。言って聞かせる事ができない年齢だと、細かいものを誤って飲み込むリスクも高まります。特にボタン電池は飲み込んで粘膜と接触すると粘膜に穴を開ける事も。そんな危険性を実際にベーコンを用いて実験した画像がネット上で話題になっています。

  •  この画像を作成したのは、長野県佐久医師会・佐久市による「教えてドクター!」プロジェクトチームのツイッターアカウント。「ボタン電池誤飲が増えてます。飲み込むと粘膜で放電してアルカリ性の液体ができ、粘膜を溶かし穴を開けることも。でもウ○コで出るし大丈夫でしょ!との声も聞こえてきそう。 ボタン電池誤飲のリスクを目で見てわかるようにと実験をしました。黒いのはアルカリ性の液体で溶けたベーコンです」と、その画像を投稿しています。

     食道や胃粘膜に見立てたベーコンの上に、リチウム電池(CR1632)、酸化銀電池(小型ボタン電池 SR626)、アルカリボタン電池(LR44)の3種類のボタン電池をセット。それぞれよく使われているものです。

     開始数分で、リチウム電池の放電が始まりベーコンの上には放電による水酸化物の泡が。放電力が強いだけに、化学変化が起こるのも早い様です。5分後には他の電池も遅れて同様の変化に。

     20分後、リチウム電池を乗せていた跡はしっかりと変色してしまっています。焼け焦げている様にも見えます。他の電池も同様に黒く跡が付いています。さらに120分後……どの電池も元のサイズよりも黒く変色した部分が大きくなっています。これがベーコンだったからこの程度で済んでいますが、実際に粘膜に電池が付着すると、20分でも化学やけどを起こした状態になり、状態が進むと潰瘍になったり穿孔(せんこう/穴があくこと)を起こして、時には命にも関わる事態を招きます。

     実際に過去にもボタン電池を口にしてしまった0~3歳児の数人が、電池を取り出すために全身麻酔で開腹手術を行い術後ICU管理となったり、付着したボタン電池が原因で気管と食道に穴が開き、2か月間固形物が一切摂れなかったという事例も報告されています。

     こうした事故を防ぐには、

    ・電池ケース部分の蓋をテープでしっかり留めておく
    ・なるべくボタン電池自体を使用した機器やおもちゃなどは使わない
    ・廃棄するボタン電池は子供の手の届かない所にテープで絶縁してから処分する

    といった対処をしておく事が重要です。特に100均の光るおもちゃやLEDライト、光源付き耳かきや、子ども向けくじ引きの景品など、ボタン電池はあらゆるところで使われています。年末年始でこうしたおもちゃも子どもの手に届きやすくなるかもしれません。重篤な事故に繋がらない様、大人がしっかりと管理しましょう。

    <参考>
    消費者庁 独立行政法人国民生活センター 乳幼児(特に1歳以下)のボタン電池の誤飲に注意! (PDF)
    内閣府政府広報オンライン 子どもの誤飲事故を防ぎましょう!医薬品・ボタン電池・パック型液体洗剤

    <記事化協力>
    教えてドクター佐久@無料アプリ配信中♪ さん(@oshietedoctor)

    (梓川みいな/正看護師)

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  • 梓川みいな看護師(正看護師有資格者)

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