今年も、日本の内閣総理大臣が主催する花見会「桜を見る会」が東京都新宿区の新宿御苑で開催されました。毎年、様々な有名人が呼ばれて話題となるこの会、今年は官邸のインスタグラムが“はっちゃけている”と話題に。ツイッターでもその様子を紹介したツイートが数万リツイートされるなどしています。
「桜を見る会」は毎年4月に内閣総理大臣主催で行われている歴史ある花見会です。毎年、各財界や文化芸能・スポーツなどで功績のある人、国からその功績を認められた人などが招待を受けています。
内閣総理大臣が主催しているため、毎回その招待状を送るのは官邸職員が行うそう。そして、官邸の各SNSでは総理の様子などをコンスタントに発信しています。今回話題となったのは、インスタグラムに投稿された「ストーリー」や、写真の投稿。
これまでの公的機関がSNSで発信しているものは、どこかお堅い雰囲気があるものが多く、政治家個人がフランクにSNSを運用していても、政党や公的機関がフランクさを出すことは例が少ないのが現状。
しかし、官邸インスタグラムは、「桜を見る会」の投稿でハッシュタグと動画内への文字の入れ方などが面白いと評価。芸能人との歓談のシーンでは、その芸能人の持ちネタを上手く拾って披露するなど、広く知られているネタでその場の雰囲気を伝えています。タレントのIKKOさんの「どんだけ~、からの、背負い投げ~」や、バイきんぐ小峠氏の「なんて日だ!」など、その盛り上がりを上手く切り取ってインスタグラムに紹介しています。
このインスタグラムの投稿が他のネットユーザーによって各SNSにも紹介される事となり、官邸のインスタグラムを実際にチェックしている人も増えたようです。官邸のインスタグラムでは、ツイッターよりも多くの写真と文章が載せられるため、これまでにも首相の活動をコンスタントに紹介しています。
統一地方選の後半を控え、投票率を上げたいという思惑も見え隠れしている感じもありますが、政治に関心が低い層、投票率が低い年代に、政府が行っていることなどをその年代に合わせた形で表現していくというのは、現代のネットユーザーに見合う戦略と評価できるでしょう。誰しも、つまらない事には関心は持てませんが、面白いことを発信することで興味を示し、そこから若年層への政治への関心を高めてもらうことはこの数年続いている無関心層へのアプローチとして効果は高いと感じられます。
政治活動へのネット利用もあちこちで議論となっているようですが、時代に即した政治の表現、ネットの利用推進は、現代の政治への関心を高めるためにも早急に法改正を進めるなどの策が必要となっていることを筆者は強く感じます。
<参考・引用>
首相官邸インスタグラム(kantei)
※画像は首相官邸インスタグラム(kantei)のスクリーンショットです。
(梓川みいな)