レイセオンは2020年3月17日(現地時間)、同社の対ドローン用攻撃ドローンシステム「コヨーテ」ブロック2が、アメリカ政府から同盟国向けの対外輸出承認を受けたと発表しました。これにより、日本など同盟諸国が導入を検討できることになります。
レイセオンの「コヨーテ」は、発射筒式の小型汎用ドローン。ミサイルやソノブイのように、発射筒から打ち出されたのち、翼とプロペラを展開して飛行します。軍用だけでなく、アメリカ海洋大気局(NOAA)では、ハリケーン内部の状況を観測する用途にも使用しています。
対ドローン用としては、小型のKuバンド(12~18GHz帯)レーダー(KuRFS)と組み合わせた「ハウラー(Howler)」対ドローンシステムの一部となり、攻撃する役割を果たします。攻撃方法は、敵性ドローンに体当たりして自爆するという、一種の巡航ミサイル的なもの。
アメリカ陸軍では、この「コヨーテ」ブロック1を使用したハウラー対ドローンシステムを採用し、2019年6月に初度作戦能力(IOC)を獲得しています。コヨーテ・ブロック2は、KuRFSを火器管制レーダーとして利用する対ドローン用システムに特化し、プロペラ推進からジェット推進に変更したことにより、より空中での機動性を高めました。
レイセオンの陸上戦闘システム部門を統括するサム・デネケ副社長は、このコヨーテ・ブロック2の同盟国向け対外輸出承認について「すでに戦場で実績あるコヨーテを改良し、より速く、効果的に戦場の兵士を敵性ドローンから守るブロック2は、同盟国の対ドローン防衛能力を強化するものとなるでしょう」とコメントしています。
レイセオンでは、2020年中にもコヨーテ・ブロック2の完全量産体制(フルレート・プロダクション)が確立できると見込んでいます。
<出典・引用>
レイセオン ニュースリリース
Image:Raytheon/NOAA
(咲村珠樹)