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攻殻機動隊を能で表現「VR能 攻殻機動隊」本ビジュアル解禁 VRメガネを使用しない意欲作

 士郎政宗さんの人気コミック「攻殻機動隊」を原作としたVR能「攻殻機動隊」が、2020年8月22日~23日に世田谷パブリックシアターで上演されます。VRメガネを使用せず、仮想現実空間を表現するという意欲的な作品、その本ビジュアルが公開されました。5月30日よりチケットの先行販売も始まります。

  •  高度化されたコンピュータネットワークに人間の脳から直接アクセスし、あたかも自分の意識や神経の延長線上のものとすることが可能な“電脳化”が珍しいことではなくなった近未来を舞台とした、士郎政宗さんを代表する作品の1つ「攻殻機動隊」シリーズ。コンピュータネットワークの海から生まれ、自我を持つに至ったプログラムが引き起こす“人形使い事件”を描いた「GHOST IN THE SHELL」は、押井守監督によって劇場アニメ化され、世界中で高い評価を受けました。

     原作コミックは、続編となる「攻殻機動隊2 MANMACHINE INTERFACE」や、その間を繋ぐエピソード「攻殻機動隊1.5 HUMAN-ERROR PROCESSER」がリリース。映像化の面では、押井守監督の劇場作品「イノセンス」や、ハリウッドで実写化された「GHOST IN THE SHELL」、主人公の“少佐”こと草薙素子やバトー、トグサに上司である荒巻を中心に据えたテレビアニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(S.E.C)」シリーズや、公安9課創設を描くアニメ「攻殻機動隊 ARISE」のほか、Netflixでフル3DCGアニメ「攻殻機動隊 SAC_2045」が現在配信中です。

     今回のVR能「攻殻機動隊」では、舞台版「攻殻機動隊ARISE」などで舞台に3D映像を持ち込んだ明治大学の福地健太郎教授や、国内のVR研究での第一人者である東京大学の稲見昌彦教授により、世界で初めてVRメガネなしでの仮想現実空間を再現するという注目作。出演は坂口貴信さん、川口晃平さん、谷本健吾さんら、現代の能楽シーンを牽引する観世流能楽師の皆さんが顔を揃えます。

     演出は舞台版「攻殻機動隊ARISE」や舞台「ペルソナ」シリーズを手掛けた映画監督の奥秀太郎さん。脚本はアニメ「攻殻機動隊S.A.C.」の第2話、思考戦車のAIに脳を取り込まれた男性が母親のもとへと暴走する感動作「暴走の証明 TESTATION」(平成14年度文部省メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞)などで知られる藤咲淳一さんです。

     公開されたビジュアルは、主人公(シテ)草薙素子が能装束に身を包み、舞扇を開いている姿。独特の面は、素子が全身を擬体(サイボーグ)化していることをさりげなく感じさせてくれます。能では人間でない霊的、超自然的存在が主人公となる“夢幻能”と、生身の人間が主人公の“現在能”がありますが、高度化したコンピュータネットワークに人々が取り込まれ、“自分”とは何かが曖昧になった「攻殻機動隊」の作品世界は、夢幻能でも現在能でもなく、またそのどちらでもあるような雰囲気。

     最新技術と伝統芸能が融合したVR能「攻殻機動隊」のチケットは、5月30日より先行販売がスタート。6月20日からは一般販売がスタートします。

    情報提供:VR 能攻殻機動隊製作委員会

    (咲村珠樹)

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