ネット通販大手のアマゾン(Amazon)は2021年1月5日(現地時間)、初の自社保有機としてボーイング767-300をデルタ航空から7機、カナダのウエストジェット航空から4機、合計11機を調達し、2021年から2022年にかけて投入すると発表しました。これでアマゾン・エアの貨物機は、70機を超える規模となります。
アマゾンは自社で貨物機を運航するため、航空会社アマゾン・エアを2015年に設立(設立時の社名は「アマゾン・プライム・エア」)。2016年から貨物便の運航を始めました。
現在運航中の機材は、すべてリースの形態となっているアマゾン・エア。アメリカの貨物航空大手アトラス・エアとエア・トランスポート・インターナショナルが39機のボーイング767-300、アメリカのサン・カントリー航空やアトラス・エア傘下のサザン・エア、アイルランドのASL航空により21機のボーイング737-800が運航されています。
新型コロナウイルス禍に見舞われ、通販需要が急速に増大した2020年、アマゾン・エアもこれに対応するため貨物機を増強。6月から11月にかけ、実に17機(8機の767-300、9機の737-800)が新たに登録されており、この中には元全日空の767-300ER(BCF)も2機(N433AZ:元JA8286とN431AZ:元JA8362)含まれています。
今回発表となったデルタ航空とウエストジェット航空から調達する11機の767-300のうち、ウエストジェット航空からの4機は、現在旅客機から貨物機への改修が進められています。デルタ航空はボーイング767からエアバスA350へ(全体的にボーイングからエアバスとエンブラエルへシフト)、ウエストジェット航空ではボーイング767から787へと機材の更新を進めており、アマゾン・エアとしてはちょうど良いタイミングだったといえるでしょう。
アマゾン・グローバル・エアのサラ・ローズ副社長は「私たちの目標は、顧客がアマゾンに期待する方法で配達をし続けることであり、自社保有機を増強することは、その目標へまた一歩近づくことにつながります。リース機と自社保有機とを混在させて増やすことで、航空機運用をより適切に管理できるようになり、結果として顧客満足度を高められます」とのコメントを発表しています。
ウエストジェット航空からの調達分4機は、貨物機への改修が終わり次第2021年中に就航する予定。デルタ航空からの調達分7機は、2022年に就航する見込みとしています。これらの自社保有機はリース機と同様、貨物航空会社に運航を委託する形で運用されるとのことです。
<出典・引用>
アマゾン プレスリリース
Image:Amazon
(咲村珠樹)