海上自衛隊の護衛艦いせ、はるさめ、しらぬいの3隻は2021年3月1日~5日の日程で、アメリカ海軍の駆逐艦2隻と共同高度戦闘訓練(Bilateral Advanced Warfighting Training=BAWT)を関東南方からグアム北方の海域で実施しました。訓練では戦術運動のほか、海上自衛隊のヘリコプターがアメリカ駆逐艦に発着する訓練も行っています。
BAWT(Bilateral Advanced Warfighting Training)は毎年、海上自衛隊とアメリカ海軍との間で実施されている恒例の共同訓練。日米の連携をより強固なものにし、相互運用性を向上させることを目的にしています。
今回、海上自衛隊から参加したのは第4護衛隊(広島県呉市)の護衛艦いせと第2護衛隊(長崎県佐世保市)の護衛艦はるさめ、そして第7護衛隊(青森県大湊市)に所属する護衛艦しらぬいの3隻。アメリカ海軍からは、第7艦隊の第15駆逐隊(DESRON 15)に所属する駆逐艦ジョン・S・マケイン(DDG-56)と、駆逐艦ベンフォールド(DDG-65)が参加しました。
アメリカ海軍の第15駆逐隊司令官、チェイス・サージャント大佐は「海上自衛隊とともに打撃力を研ぎ澄ます機会は、毎回我々前方配置された部隊にとって計り知れない価値があります。BAWTのような訓練は、我々の同盟関係をより強固なものとし、インド太平洋地域の平和と安定を強化するのに役立っています」とのコメントを発表しています。
日米の5隻は編隊航行や戦術運動訓練を通じ、両国の部隊が一体となって行動する際の手順を確認。あわせて、各々の操艦能力を磨きました。
日米両国の部隊がともに作戦行動する際は、搭載する航空機がお互いの艦船に発着する場合も想定されます。このため海上自衛隊のSH-60Kが、アメリカ駆逐艦の飛行甲板に発着する訓練も実施されました。
訓練に同行した、第6護衛隊(神奈川県横須賀市)司令の稲葉陽介1佐は、アメリカ海軍を通じ「BAWTのような共同訓練は、私たちの戦技を向上させると同時に、アメリカ海軍との相互運用性を高めてくれます。第15駆逐隊との訓練を通じ、大きな収穫が得られることを期待しています」との談話を発表しました。
いずれの訓練についても、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、必要な措置を講じた上で実施されました。ヘリコプター発着訓練も乗員は降機せずに往復しています。
<出典・引用>
海上自衛隊 プレスリリース
アメリカ海軍 ニュースリリース
Image:U.S.Navy
(咲村珠樹)