任務において、規律正しく動くことで知られる日本の自衛官。これは自衛隊に入隊後、基礎教育を行う教育隊で、みっちりと指導されることにより、意識が養われていきます。
その意識は身だしなみや日常生活の態度にもおよび、色々なことを「きっちり」してしまうのは自衛官あるある。洗濯したTシャツも売り物のように畳んでしまいます。
自衛隊に入隊すると、まずは「教育隊」というところに配属され、自衛隊という組織の特徴と自衛官としての心構えを学びます。
一例として知られるのが、起床後の寝具をきれいに畳む行為。一番ボーッとしやすい起き抜けであっても、きっちり寝具を畳めるくらいの規律意識が求められ、きれいに畳まれ層をなした寝具は「バウムクーヘン」と俗称されます。
もちろん寝具だけでなく、きっちり畳むのは洗濯物も同様。洗濯したTシャツを寸分違わず畳んで重ねている様子をツイートしたのは、海上自衛隊音楽隊のトロンボーン奏者、道本和生さんです。
道本さんに、この“きっちり畳んでしまう”自衛官の習性についてうかがうと「教育隊では護衛艦や潜水艦での勤務を想定した教育をされますので、限られたスペースでいかに効率的に収納するかを教えられました」とのこと。個人が使えるロッカーのスペースは限られているので、私物の収納については頭を使う必要があるそうです。
また、きっちり整頓する癖をつけておくと、とても便利なことがあるんだとか。「特に役立ったのは、常に一定のルールで収納しておけば、真っ暗闇でも必要なものを用意でき、緊急事態であっても慌てないという考え方でした」と道本さん。
実際に護衛艦では、照明を消した暗い艦内で身支度をして行動する、有事に備えた訓練がたびたび実施されます。どこに何があるか、見なくても把握しているのといないのとでは、いざという時に対処するまでの時間(リアクションタイム)に大きな差が出るので、非常に重要な考え方なんですね。
教育隊で学んだことが「現在も常に備える精神の基礎となり役に立っています」と語る道本さん。洗濯物だけでなく、トロンボーンの演奏や容姿もきっちりとしたイケメンなので、お近くで演奏会がある際には足を運んでみるといいかもしれませんよ。
「どうせ着る」んだけど、仕舞う前に一旦ちゃんと畳みたい病です。#自衛官の洗濯 pic.twitter.com/qAiJGThvvk
— 道本 和生⚓ (@tromichi1213) December 23, 2021
<記事化協力>
道本和生さん(@tromichi1213)
(咲村珠樹)