ツイッターに投稿されたある「駄菓子」の写真。つまようじが付いていることから、寒天やゼリーのような食感でしょうか。パッケージされた12個のお菓子はどれも色鮮やかで違った味が楽しめそう。
と、思いきや……実はこのお菓子、食べられないんです。これらは全て駄菓子のような見た目をした鉱物、つまり石です。キューブ状にカットされ、磨き上げられた「鉱物の駄菓子」はとても美しい作品に仕上がっています。
作品を制作したのは宝石の研磨会社「依田貴石」(@yoda_kiseki)。機械による作業ではなく、研磨皿に石を押しつけながら磨きあげる「手擦り研磨」の技法を施して、新しい宝石の魅力を作っている会社です。
今回の作品はひとつあたりの大きさが12ミリメートルで、水晶やレモンクォーツ、ソーダライトといったさまざまな種類の鉱物が使用されています。石をサイコロの形に削り、磨きを重ねることで制作。こうした精密な加工は全て手作業とのことだから驚きですよね。
作品は手作業ならではのこだわりも満載。原石の特徴(個性)が立体的に観察できるよう、切り取る場所や大きさを調整したり、キャンディーのようにおいしそうに見えるようピカピカになるまでひとつひとつ丁寧に磨きを重ねているのだそう。シンプルであるからこそ、その技術の高さが際立ちます。
また、別のツイートではキューブカットを施した天然石を透明の包み紙でラッピングしている様子も。こうしてみるとますます駄菓子にそっくり。あの「2つ一緒に舐めると味が変わるキャンディ」を彷彿とします。食べられないことは承知の上で、ちょっと舐めてみたいかも。
作品には「素敵……」「欲し~かわいい!」といったコメントを始め、大きな反響が寄せられました。この「鉱物の駄菓子」は常に販売が行われているわけではありませんが、オーダーの状況などに合わせて月一ほどの頻度で販売していければ、と依田貴石のツイッター担当者。
また、今回の反響に対しては「多くのおいしそうというコメントを頂いております。味については、残念ながらお答えできないのですが、今後も宝石の美味しさのように、新しい石の魅力をお伝えできたらと思います」とコメント。この石はこんな味がしそう……と予想をしてみるのも面白いかもしれません。
鉱物の駄菓子ができました。つまようじは刺さらないかもしれません。 pic.twitter.com/3qIjT6bgyO
— 依田貴石 / Yoda Kiseki (@yoda_kiseki) November 29, 2021
<記事化協力>
依田貴石 / Yoda Kiseki(@yoda_kiseki)
(山口弘剛)