こんにちは、深水英一郎です。

 製品やサービスを作った人にご自身の作品を紹介していただく企画「作った人にきいてみる」。今回はリモートでブレストができるウェブアプリ「hidane」の作者 野崎智弘さん、三橋優希さんにお話をききます。

 「hidane」を実際使ってみましたが、かわいさと実用性がうまくミックスされていていて、とても優れたアプリだなと思いました。グループでのブレストに使いやすい工夫が随所にちりばめられていますが、ひとりブレストにも使えると思いました。アイデア出しに使えるツールはないかなと探している方におすすめです。

 アイデア出しの一番最初のアイデア発散の部分までカバーしているツールって、実は数少なく、リモートのチームの場合だとmiro等の描画ツールを工夫しながら使うしか方法がなかったのですが「hidane」はそこにバッチリはまるアプリだと思います。

 それでは作者のお二人にきいてみましょう。

【作者プロフィール】

野崎智弘
19歳。兵庫県在住。普段は、サービスデザイナーとして活動しており、エンジニアリングやデザインなど幅広い知識を活かして創作活動に励んでいる。
https://twitter.com/nztm_tw

三橋優希
18歳。東京都在住。現在は学業の傍ら、デザインエンジニアとして活動しており、ウェブアプリケーションを主に制作・開発している。
https://twitter.com/YukiMihashi

※2021年2月時点

【今回紹介する作品】
hidane(ひだね)
https://hidane.app/

——本日はよろしくお願いします。hidaneという名前は「火種」からきているのでしょうか?

【野崎さん・三橋さん】
 そうです。hidaneは、「たくさんのアイデアが活発に生まれる場所でありたい」「ブレインストーミングを通して情熱を持てるプロジェクトが始まるきっかけをつくりたい」といった想いを込めて名付けました。

——hidaneを一言で説明するとどんなものでしょう?

 hidaneは、チームで楽しくブレインストーミングが行えるウェブアプリケーションです。複数人で集まってチャット感覚でアイデアを出すことができ、豊富な機能でアイデア出しからまとめまでを簡単に行えます。また、AI支援機能によって、チームのクリエイティブなアイデア発想をサポートします。

——作者として利用者に、注目して欲しい点はありますか?

 hidaneは、他のブレインストーミングツールとは異なる、大きく3つの特徴があります。

 まず1つ目は、チャットを打つような感覚でアイデアを出せることです。他の人が出したアイデアもチャットのように連なって表示されるので、他の人のアイデアに刺激を受けやすく、新しい発想やアイデアへの便乗が生まれやすくなります。

 2つ目は、ステップに沿った進行で、ファシリテーションに慣れていない人でもスムーズにワークを進められることです。アイデア出しからアイデアの整理・分類、絞り込みなどが5つのステップに分かれているので、誰でも簡単に流れに沿って進められます。

 3つ目は、AIによる発想のサポートがあることです。発想を広げてくれるメッセージやひらめきが生まれるフレーズの生成、連想語の検索機能などで、よりクリエイティブなアイデア発想をサポートします。

 また、チームでブレインストーミングをよりカジュアルに楽しんで行えるようなツールを目指しているので、ワークを盛り上げる楽しいギミックや細かなデザイン・アニメーションなどにもこだわっています。

——UIが非常にかわいくて、気分が上がります。

 「楽しみながらアイデアを出しやすい雰囲気」を作るため、ワクワクや好奇心を感じられるようなコンセプトでデザインしています。また、hidaneは業務用ツールではなく誰でもカジュアルに使えるようなツールなので、親しみやすさも意識しています。

——マインドマップツール等、ブレストの後、アイデアを整理するためのツールは膨大な種類世の中にありますよね。ですが、今回お二人が目指したような、アイデアが固まる前の段階をカバーし、自由な発想を発散させた後にそれを整理するところまでできるツールはあまり選択肢がありませんでした。

 仰るとおり、情報や思考を整理・収束するのに便利なツールは世の中にたくさんあるのですが、ブレインストーミングでは複数人でたくさんのアイデアを出す、つまり思考を発散することが特に重要だと言われています。しかし、ブレインストーミングを行う際に一般的に用いられているツールは、インターフェースや機能面でブレインストーミングに最適化されているとは言い難いものでした。

 そこで、ブレインストーミングに特化したツールを開発することで、よりブレインストーミングをチームで行いやすくすることができるのではないかと考えました。

——はっきりとステップを分け、時間で区切るようにした点は、新しい工夫ですね。

 ブレインストーミングを行う際の一番のハードルは、ファシリテーションが難しいことだということが、ユーザーへのヒアリングからわかりました。

 そこで、この課題を解決するために、ステップという仕組みを取り入れました。

 アイデア出しからまとめまでの流れが、5つのステップに分かれていて順番に進められるようになっており、それぞれのステップでやることが明確に決まっているので、ファシリテーションに慣れていない人でもスムーズにワークを進められます。また、タイマーも設定でき、誰かがタイムキーパーになる必要がないのでチーム全員でワークに集中して取り組めます。

 このステップ機能も含めツール全体で、ブレインストーミングを行うハードルを下げられるよう工夫しています。

——今後の改善予定は?

 ユーザーの皆様から、たくさんのご意見やご要望をいただいているので、これらを参考にさせていただきながら、改善を重ねていく予定です。

——がんばってください! 今後何か新しいことに取り組む予定はありますか?

 まだ明確な予定はないのですが、hidaneを通して学んだ知見を活かして、今後も多くの方に使っていただけるようなアプリケーションやサービスを作っていきたいと考えています。

——楽しみにしています!

(了)

ききて・深水英一郎 プロフィール https://nitsuite.jp/fukamie
メルマガプラットフォーム「まぐまぐ」を個人で発案、開発運営し「メルマガの父」と呼ばれる。Web of the Yearで日本一となり3年連続入賞。新しいマーケティング方式を確立したとしてWebクリエーション・アウォード受賞。未来検索ブラジル社元代表を務めニュースサイト「ガジェット通信」を創刊、「ネット流行語大賞」やMCN「ガジェクリ」立ち上げ。シュークリームが大好き。