昔から「神は細部に宿る」という言葉がありますが、これは文字通り神様の宿る場所。指先に鎮座した、小さな小さな「指先神社」。縮尺は1/400だといいます。
ミニミニサイズの神社を作った、Twitterユーザーの小田プレスさんに話をうかがいました。
現在大学生だという小田さんは、元々は車のモデラーだったそうですが、赤いGTバッジが輝くプリンス・スカイラインGT-B(S54B)ベースの宮型霊柩車を作って以来、ジオラマ作りをするようになったんだとか。
今回Twitterで披露された「指先神社」も、今制作中のジオラマに置くため作られたもの。縮尺は「ジオラマの全体像を考えた時に、1/400の縮尺がちょうど良かったので、神社もそれに合わせました」とのことで、既製品は使わず全部自作することにしたため、このスケールにしたそうです。
立派な神社というよりは、小さな祠という感じのたたずまい。「地元の百貨店屋上にある稲荷神社が好きで」今回のモチーフに反映した、と小田さんは語ります。モチーフと同じく、ジオラマではビルの屋上に設置する予定とのこと。
向拝(こうはい)に向けて庇が長く伸びる流造(ながれづくり)の社殿は、3Dプリンタによるもの。「細かく細部までモデリングすると、プリントで失敗してしまうので、そこを考慮してデフォルメしてモデリングしました」と語るように、比較的単純化されたものとなっています。
しかし単純化された形とはいえ、大きさは数mmという極小サイズ。はみ出さないように彩色するのが大変だったそうで「塗る順番がミソかもしれません」と、なかなか頭を悩ませたといいます。
鳥居は針金を加工して制作。さすがにこのサイズではディティールを追加するのは難しく、シンプルな神明鳥居となっています。
この1/400スケールというのは、小田さんにとって初めてだったそうですが「10~20階建てくらいのビルにはかなり良い感じのサイズ感だったので、今後もジオラマを作る際には用いていきたいスケールです」と語るように、造型には手応えを感じている様子。
これまで作ったジオラマ作品も見せていただきましたが、何気ない情景の1シーンを切り取ったような作品が素敵です。雪の積もった日、神社の鳥居をくぐる人物は背を丸め、凍てつく冬の空気を感じさせてくれます。
この「指先神社」が載るビルをはじめ、ジオラマ全体の完成はまだまだ先。それでも、この小さな神社からでも、ジオラマのシーンが思い浮かべられそうですね。
指先神社(1/400)完成!
#ミニチュアの日 pic.twitter.com/qEnvbRToub— 小田プレス (@denchu_20) March 2, 2022
<記事化協力>
小田プレスさん(@denchu_20)
(咲村珠樹)