ことわざに「理屈と膏薬(こうやく=湿布などのこと)はどこへでもつく」といいますが、現代社会には理屈の中に「陰謀論」も含まれるのでは、というほど様々な陰謀論が飛び交っています。

 そんな陰謀論を駆使し、世の中の間違いを正したい!というネタ作りに最適な「陰謀論作成ワークシート」がTwitterに公開されました。簡単なステップで、不思議なほど説得力ある(?)陰謀論が作れるようになっていますよ。

 世間を騒がせる陰謀論。「ネタ」として正しく消費していればいいのですが、時々真に受けた人々がおかしな主張を行動に移してしまうのが困ったところです。

 そんな陰謀論の成り立ちを単純化し、誰でも簡単に陰謀論を構築することで「ネタ」を「ネタ」として楽しもう……と作られたのが「陰謀論作成ワークシート」。作者の丁_スエキチさんがTwitterに発表し、たちまち多くの方からのリツイートや「いいね」を集めました。

 丁_スエキチさんは、ワークシート作成のきっかけについて「国際情勢や医療情勢に関する陰謀論や、広告表現等に関する論争を見ていると、『(敵である)〇〇のせいだ』という構図がたくさん見受けられました。これを一般化することができるのではないか?と思い、今回のワークシートを作ってみました」と語ってくれました。

 陰謀論作成のステップは、わずか5つの要素を設定するだけと超簡単。

 1. 自分が今苦しんでいること
 2. その悩みをぶつけやすい権力者や組織(架空でもOK)
 3. 2と対立しそうな人物や組織
 4. 1に関連して自分が信じたくない事実
 5. もし4が事実でない場合に考えられること

 この5つを以下の文に当てはめると、あら不思議。なんだかマトモそうな、トンデモのような陰謀論が完成します。

 我々が苦しんでいる「1」は、「2」が引き起こしたものに他ならない。その「1」を解決すべく、「3」は「2」に立ち向かっている。例えば「4」は「2」が仕組んだ嘘だ。実際は「5」だ。このような「2」の茶番に乗せられないために、あなたも「3」と共に真実に目覚めよう。

 要素を5つに絞った点について、丁_スエキチさんは「増やすと複雑になって分かりやすさが減ってしまうので」とのこと。「そこがちょうどいい塩梅だったおかげで、拡散されたのかもしれないな、と思っています」とも分析しています。

「陰謀論作成ワークシート」の使用例(丁_スエキチさん提供)

 モチーフにする対象を絞らず大まかに、そしてシンプルな構成にすることで、様々な「都合の悪いこと」を陰謀論の作法で表現し、ギャグにすることが可能。仕事がなかなか終わらないことだったり、課題の提出期限が明日なのにできていなかったりという「都合の悪いこと」を、大きな陰謀のせいにして笑いに変えるのも悪くないかも。

 もちろん、ここで作成した陰謀論はあくまでも「ネタ」として楽しむのがお作法。仕事が終わらないのを陰謀論のせいにして上司に報告しても、多分怒られちゃうと思うので使い道には注意が必要ですよ。

<記事化協力>
丁_スエキチさん(@Daikichi_3141)

(咲村珠樹)