子どもがお母さんのおなかの中にいた時の記憶のことを指す「胎内記憶」。

 科学的な根拠はないとされつつ、子どもがある日突然話し出したり、問いかけることで答えてくれたり、もちろん一切覚えていないパターンも存在している、とにかく不思議な現象です。

 そんな胎内記憶について、X(ツイッター)で注目を集めているのは、漫画家「こげのまさき」さんと、4歳の息子さんとの不思議なやりとり。妙にはっきりと覚えている息子さんの記憶を、信じるか信じないかは……あなた次第。

 当時、息子さんはお腹に猫のぬいぐるみを入れて、妊婦さんごっこをしていました。それを見ていたこげのさんが「早く生まれたいニャーッ!くらいよーっ」っと猫になりきって話すと、「あ、暗くはないよ?」と息子さん。

 こげのさんが「あ、そうなの?」と返すと、「うん、たまに光が透けて明るい時がある」と内容がより具体的に。こうして息子さんとの胎内記憶トークが始まりました。

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 興味深く感じたこげのさんは、続けて「それって昼と夜かな」「あとは服を脱いだ時とか……」と質問。すると「ああ、そうかも」と、息子さん自身も言われて納得感があった模様。記憶と答え合わせをしているような様子が、さらに話に信ぴょう性を持たせています。

 加えて「明るい時はね、光で水がチャプチャプするのがよく見えたんだよね」のとのこと。プールの底から水面を見上げたようなイメージでしょうか。息子さんの話に聞き入るこげのさんは「へー……水ね……」と興味津々ですが、きっと同じ反応をした方も多いでしょう。

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 これを裏付けるのが「羊水の話はしたことがない」「息子さんは逆子だった」という事実。こげのさんも、「頭が腹の皮一枚すぐのところにあったから、まじで光は良く見えてたんじゃないかな……」と、まさに点と点が繋がり、線になるような感覚にワクワク。

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 さらには、この「チャプチャプがよく見えると嬉しかったからそっち向いてたんだよ」と息子さん。これはつまり「自分で好きに向いて逆子になっていた」……ということなのでしょうか。

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 こげのさんは妊娠初期に大きな出血が2回あり、寝たきりの絶対安静な日々が続いていました。「きっと居心地の悪いお腹だろう」と息子さんに対して申し訳なさを感じていた時期も。

 安定期に入り、臨月に逆子になった時は、「このお腹で最後まで頑張ってくれたんだし、最後くらい好きに入ってな!」と、冗談半分に思っていましたが……それから4年後のこの証言。「本当に好きで入っていたかもと聞けるとは……!」と、思わずこみ上げるものがあったようです。

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 「息子がお腹の中で楽しめてたならよかった……と思うとともに、ほんとーに不思議な話が聞けて良かったです」「ちょっとだけ妊娠当時の私にも教えたいなと思ったりしました」と一連の出来事を振り返り、漫画を締めくくったこげのさん。この話……あなたはどう感じましたか?

■ 胎内記憶は4歳ごろがピークと言われている

 前述の通り、胎内記憶については科学的な根拠はないとされており、虚偽記憶の可能性も指摘されています。しかし、専門家の間でもこの件については意見が分かれ※、詳しい調査・研究結果が待たれる段階です。(※参考:J-Stage掲載・「胎内記憶」とそれに関連する言説をめぐって)

 なお、一説によると体内記憶のピークは4歳ごろ。こげのさんの息子さんの年齢とぴったり一致します。さらには教えていないはずのことも含む息子さんの証言と、こげのさんの妊娠当時の状況が同じであるところも見逃せない点です。

 ちなみに筆者の子どもたちにも、小さい頃に何度かたずねたことがあったのですが、胎内記憶は全く残っていませんでした。あまり積極的に聞きすぎるのは良くないとされており、もし知りたい場合は今回のこげのさんのシチュエーションのように、自然な流れに任せるのが良さそうです。

 これが真実であるかどうかは定かではありませんが、親の立場としてはこんな話が聞けたらうれしいですよね。こげのさんにとっても一生忘れられないエピソードとなったに、違いありません。

<記事化協力>
こげのまさきさん(@koge_diary

<参考>
J-Stage掲載・「胎内記憶」とそれに関連する言説をめぐって

(山口弘剛)