おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

【無所可用】第18話 いちばん沢山いる動物はコオロギです。

update:

いちばん沢山いる動物はコオロギです。毎度これといって役に立たないお話をおとどけしております不定期連載の「無所可用、安所困苦哉」。第18回目は、我が家で最も沢山飼っているとある動物のおはなし

爬虫類両生類飼ってます。結構います。しかし熱帯魚の数には適いません。でも、一番多い動物は、爬虫類でも魚類でもありません。昆虫、コオロギです。


  • 瞬間最大的には1500匹を超えるくらいのコオロギが我が家にいます。どこかのお寺かなにかに「コロギ供養塔」でも建立して弔ったほうがいいんじゃないのかな?と思うくらいにコオロギはいます。
    そもそも、コオロギは1匹で売ってくれる店があまりありません。
    売るほうも商売にならないし、爬虫類・両生類への1回の給餌がコオロギ1匹ということは殆どないからです。さらに、店によっては50匹と100匹の価格が一緒だったり。また99匹までの単価と100匹以上の単価(1匹当り)だと100匹以上の場合のほうが大幅にお安い、といった場合もあります。
    ある程度より小さいコオロギは「数えてられない」という事情もあります。ヤドクガエルでは2~3mmのコオロギまでしか食べられません。ですが、アリより小さいくらいのコオロギを正確にカウントするというのはナンセンスなお話。
    「だいたい100匹」が普通ですし、たいてい100以上入っています。小さいコオロギはグラム単位の計り売りということもあります。
    コオロギの入手先は、爬虫類・両生類のお店か、もしくは通販です。
    どこで買うか、特に決めてはいませんが、通勤経路には売っている店がなく、たまに都内に出た日にしか店には行けないので、半々くらいです。店に行っても在庫がないことがあったりするので、確実に入手したいときには通販になります。
    (通販の例:月夜野ファーム:https://tsukiyonofarm.jp/

    爬虫類飼育を始めた頃は、コオロギがすぐに死んでしまい、かなりへこみました。ただでさえ生きた動物をエサにするという趣味なのに。
    今では、寿命以外ではほぼ死なせることなくエサになっています。
    キープのひとつのポイントは、水でした。

    まず、蒸れがダメということがわかってきました。
    コオロギケースへの霧吹きはダメという話はよく聞いていたのでしませんでしたが、じゃあどうやって水をやるのか。
    コオロギ用給水器なんてのも買ってみましたがあまりうまく行かず。結果としていちばんよかったのは、「軽く丸めたティッシュに水をしみこませたものを、コオロギの数に応じていくつか入れておく」という方法でした。ティッシュペーパーはコオロギがかじったりなんだりでだんだん汚れたり乾いたりするので、そうなったら交換。これでまず幼虫コオロギはかなり持つようになりました。

    しかし成虫クラスはまだうまくいきませんでした。
    わかってきたのは、過密がダメということでした。いっぱい買うと、いっぱい死にますが、少ないと死なない。ということで、100匹のコオロギを50匹づつでキープするとうまくいく。でも場所は2倍…もうちょっとどうにかならないものか?

    爬虫類店でのコオロギのストックを見ていると、ケースに紙のタマゴパックとか穴を開けた箱とかを入れているのに気づきました。要するにコオロギにとっての延べ床面積をひろげているのです。
    いろいろ見て回ったりネットで探したりしたところ、園芸用の紙ポッドに切り込みを入れて並べるのがいいことがわかりました。またコオロギは狭いところに入り込むのが好きなので(身を守るために隠れているのでしょうが)、小さいコオロギには小さくて狭いもの、というのもわかってきました。
    とまあ、コオロギの維持がうまく出来るようになってきて、爬虫類両生類もうまく育つようになってまいりました。

    ところで、コオロギを買うときに困ることがあります。特にお店で買う場合なんですが、大きさの呼び方がバラバラなのです。
    与える動物の大きさによってコオロギのサイズも変えてやらなければなりません。ところがお店によって「M」とか「4令」とか、呼び方がまちまちで、また同じ「M」なのに大きさが違うことも。
    コオロギも個体差があるので、たとえば成虫でも数mmの差が出ます。それは仕方ないとしても、ある程度意図した大きさでないと困ります。大きすぎれば食べられないし、小さすぎると食べ物と認識しないです。
    しょうがないので、「**に食べさせたい」とか、具体的なサイズを言うとか、場合によっては実物を見せてもらうなど、「買うときの工夫」をだいぶするようになりました。また、余りがちなエサのサイズにあった動物を飼育するという、ちょっと順序が逆なパターンもやっています。あまってしまうよりよいですが、こういう場合の動物はたいてい安価なヤモリになります。

    ところで、2009年の秋口に、日本全国でエサ用コオロギがいなくなるという事態が発生しました。
    エサ用コオロギは野生ではなく、ブリードされたものです。それが、なぜか種親がとれなくなり、そのためコオロギが流通しなくなったのです。
    1軒のコオロギ屋さんがだめになっただけでなく、どこの店にも在庫が無くなり、コオロギ専門店になければそこから仕入れる爬虫類店にも影響が及び、本当に手に入らなくなりました。
    この期間、代用にといろいろな虫を買いました。正直、コオロギより数段値段が高く、ものすごく動物の食費がかかった時期でした。またエサ用ゴキブリなんてのも買ってみたりしましたが、やっぱりゴキブリはゴキブリなので、これはちょっと受け入れ切れませんでした。コオロギよりも喜んで食べる爬虫類もいましたが。。

    コオロギが群れているところは、人によってはかなりのグロ画像なので、「動くものしかエサにできない」の代表、カエルの画像でお茶をにごしておきますね。

    蛙 蛙

    ■ライター紹介
    【エドガー】

    鉄道、萩尾望都作品、ポール・スミス、爬虫類から長門有希と興味あるものはどこまでも探求し、脳みその無駄遣いを楽しむ一市民。そのやたら数だけは豊富な脳みその無駄遣いの成果をご披露させていただきます。

    あわせて読みたい関連記事
  • 埼玉育ちの「嵐山こおろぎ」が麻辣味で登場
    商品・物販, 経済

    国産コオロギがピリ辛で登場 「昆虫煮干し 埼玉嵐山こおろぎ・麻辣味」新発売

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 介護未経験者全体の72.9%が将来に向けて「特に何も準備していない」
    社会, 経済

    仕事と介護の両立に不安85% ダスキンが「介護白書2025」で実態調査

  • プリキュア映画ぬりえコンテスト、第三者による不正応募判明 公式が謝罪と訂正
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    プリキュア映画ぬりえコンテスト、第三者による不正応募判明 公式が謝罪と訂正

  • 美食祭 in 日本橋三越
    TV・ドラマ, エンタメ

    高見沢俊彦の“美しいメシ”100回記念 日本橋三越で初の美食祭

  • なか卯が“ウニの二大メニュー” 雲丹おろしうどんとウニ丼を9月17日から販売
    商品・物販, 経済

    なか卯が“ウニの二大メニュー” 雲丹おろしうどんとウニ丼を9月17日から販売

  • 掃除機「自動お手入れ機能」篇(15秒)
    商品・物販, 経済

    反町隆史、東芝新CMで料理や掃除に挑戦 家庭的な素顔ものぞかせる

  • 音楽劇「謎解きはディナーのあとで」(撮影:阿部章仁)
    エンタメ, 舞台

    上田竜也が毒舌執事に挑む 玉井詩織&橋本良亮と共演「謎解きはディナーのあとで」開…

  • トピックス

    1. 偽ファッション広告

      偽ファッション広告がGoogle広告に大量出現 サポート詐欺被害に注意

      2025年9月上旬からGoogle広告に偽ファッションサイトが急増。数秒で「Windows Defe…
    2. 邪悪なAI搭載「絶対にバズるSNS」で理不尽な炎上を疑似体験→リアルすぎて怖くなった

      邪悪なAI搭載「絶対にバズるSNS」で理不尽な炎上を疑似体験→リアルすぎて怖くなった

      Webコンテンツ「絶対にバズるSNS」が9月15日公開。9月26日公開映画「俺ではない炎上」と連動し…
    3. 26年前のMMORPG「Dark Ages」、YouTuberの挑戦で限界集落から奇跡の再生

      26年前のMMORPG「Dark Ages」、YouTuberの挑戦で限界集落から奇跡の再生

      26年前にリリースされたMMORPG「Dark Ages」をご存じでしょうか。年月とともに人口は減少…

    編集部おすすめ

    1. 英国伝統のうなぎ料理は“水槽の味”?日本にはない「ゼリー寄せ」の衝撃

      英国伝統のうなぎ料理は“水槽の味”?日本にはない「ゼリー寄せ」の衝撃

      日本でうなぎといえば、甘いタレをつけて香ばしく焼き上げた「蒲焼き」が定番のスタイル。白焼きなどもあるにはありますが、うなぎといえばやっぱり蒲…
    2. たこばさんの「糸こんにゃく炒飯」

      えっ…これ糸こんにゃく!?目も舌も騙される“ヘルシー炒飯”を実際に作ってみた

      「糸こんにゃくで作った炒飯が本物そっくりに仕上がる」と聞いたら、信じられるでしょうか。大阪市のたこ焼き店「たこ焼たこば」の店主がSNSに投稿…
    3. 虎ノ門ヒルズの「どこか奇妙な職業体験」が話題 ゴミを拾いながら物語の世界へ没入

      虎ノ門ヒルズの「どこか奇妙な職業体験」が話題 ゴミを拾いながら物語の世界へ没入

      虎ノ門ヒルズで清掃員の仕事を疑似体験しながら、非日常な体験に巻き込まれていく……そんな不思議な没入型体験イベント「どこか奇妙な職業体験 虎ノ…
    4. あれー?どこかなー?伸びしろしかない3歳児の“全力”かくれんぼが手強すぎる!

      あれー?どこかなー?伸びしろしかない3歳児の“全力”かくれんぼが手強すぎる!

      子どもにとってかくれんぼは、ハラハラドキドキのスリリングな遊び。自分だけにしか分からないであろう隠れ場所を見つけて「ここなら大丈夫」「絶対見…
    5. プリキュア映画ぬりえコンテスト、第三者による不正応募判明 公式が謝罪と訂正

      プリキュア映画ぬりえコンテスト、第三者による不正応募判明 公式が謝罪と訂正

      アニメ映画「映画キミとアイドルプリキュア♪ お待たせ!キミに届けるキラッキライブ!」公式は9月12日、「キミプリ♪ぬりえコンテスト」において…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト