今年のエイプリルフールも様々なネタツイートがありました。その中で、アメリカのロサンゼルスにある戦艦アイオワ記念館では、こんなツイートが。
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「速報:国防総省はアイオワ級戦艦の近代化改修を発表!」
(Breaking News: Defense Department announces modernized IOWA Class Battleships!)
というツイートにつけられた画像は、戦艦の後部を空母の飛行甲板にした姿。CH-46E輸送ヘリコプターや、AV-8BハリアーIIの姿もあります。
アイオワは1943年に就役した、日本の大和型戦艦(の予想スペック)に対抗する為に建造された高速戦艦、アイオワ級の1番艦。「ビッグ・スティック」の愛称で知られ、戦争中は沖縄戦や室蘭、日立などの工業都市に対する艦砲射撃も行いました。
1945(昭和20)年に行われた降伏文書の調印式では、アメリカ艦隊の旗艦として東京湾にやってきています。
その後は予備役の期間を挟みながら、朝鮮戦争に参加するなどし、1990年に退役、2006年に除籍されています。PSVitaのゲーム『艦これ改』で先行実装され、本家ブラウザ版でもこの春の実装が予定されてますね。
さて、このアイオワの「航空戦艦」化、案外荒唐無稽な話ではないのです。
第二次大戦後、世界の海軍は規模を縮小しました。戦艦のような大型の大砲を持つ艦は、維持費もかかり、時代遅れのものとなったのです。
そこでアメリカ海軍も、この大きく手間のかかる艦を現代の事情に合わせて再活用しようと、様々な改修案が出ては消えていきました。
このような「航空戦艦」化の場合、1962年の強襲揚陸艦改装計画、そして1984年の大改修(ミサイル運用能力の付加)の際、続けて後部に飛行甲板と格納庫を作る案(FRAM II)がありました。
実際には計画だけで実現しなかったのですが、同型艦の戦艦ニュージャージー記念館には、その改装の完成予想模型が展示されています。
日本の場合は、本当に伊勢、日向を航空戦艦にしてしまったので、冗談には見えないんですが……。
実際にアイオワ記念館のツイートには、日本からiOSのゲーム「Battleship Craft」(現在は配信停止)でかつて作った航空戦艦化したアイオワ級戦艦の画像をリプライで送った日本人がいて、それに対してアイオワ記念館は
「なんてこった。もうゲームの中にはあるじゃないか!」
(>_> OMG. AN UPGRADED VERSION OF US ARE IN A GAME!)
と、悔しげにツイートしています。
戦艦アイオワの近代化改修は、ちょっとエイプリルフールネタとしては現実的すぎましたが、アメリカ、サンディエゴにある空母ミッドウェイ・ミュージアムのエイプリルフールネタは豪快です。
「速報:NFLのサンディエゴ・チャージャーズの新しいスタジアムが空母ミッドウェイ・ミュージアムの飛行甲板に設置されることに」
(BREAKING: Plans for new @Chargers stadium on USS Midway Museum flight deck! #gobolts)
完成予想図も載ってますが……いや、なんぼ空母が大きくても、スタジアムは載らないだろ!しかも雑コラっぽい!
NFLをはじめ、アメリカンフットボールのフィールドの大きさは、長辺が約110m、短辺が50m弱。空母ミッドウェイは全長296m、全幅34.4mなので、幅が全然たりません。もちろん、スタンドを入れると……。
エイプリルフールのウソなら、これくらい豪快につかなきゃね、というミッドウェイさんの声が聞こえてくるようです。この勝負、空母ミッドウェイの勝ち!
▼参考
Battleship IOWA(@ussiowa)
USS Midway Museum(@USSMidwayMuseum)
(文:咲村珠樹)