1980年以来、36年間にわたって行方不明になっていた、ライト兄弟の飛行機「ライトフライヤー」の特許書類が3月22日、カンザス州にある米国立公文書館の収蔵施設で発見されたそうです。
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これは1903年3月23日に出願され、ライトフライヤー初飛行後の1906年5月2日に登録された、ライト兄弟による「飛行機械(Flying Machine)」の特許。特許番号は821393号で、人類初の動力飛行に成功したライトフライヤーの構造などが詳細に描かれたもの。
この書類は人気がある為、たびたび貸し出しがなされていました。このうち、1979年にスミソニアンの国立航空宇宙博物館に展示の為、貸し出されたのが最後の記録。その後、国立公文書館に返却され、1980年には存在していることが確認されていました。
行方不明になっていることが判ったのは2003年のこと。ライト兄弟の人類初の動力飛行100周年記念で、この特許書類を展示しようとしたところ、どこを探しても見つからなかったのです。
以来、ずっと探し続けていたのですが、カンザス州の収蔵施設で実施していた収蔵品調査の最中にひょっこり発見。メリーランド州にある研究施設で調べたところ、ライト兄弟の特許書類の実物であることが確認されました。
国立公文書館には、他にも行方不明になっている資料があり、その中には広島と長崎の原爆投下に際してのターゲットマップという、日本に関連したものも含まれています。
あまりに資料が多すぎて、どこに行ったかわからなくなるんでしょうね。自分もデスクの上を整頓しなきゃ。36年ぶりに発見されたライト兄弟の飛行機特許は、5月20日から、米国立公文書館で展示される予定です。
(文:咲村珠樹)