皆様こんにちは。ミリタリーにおける『食』、特にレーションについてご紹介していくDachoの『ミリヲタ的グルメ』。
今回は、特別編の第2弾として、アメリカ海軍横須賀基地の将校クラブをレポートします。(特別編の第1弾は「第5食 アメリカ空軍下士官クラブ」)
とても寒い1月のある日、私は神奈川県にあるアメリカ海軍横須賀基地を訪問しました。とある団体の一員として半日の研修を受けるためです。
研修内容は、こんな感じです。
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1.在日米海軍司令部でブリーフィング
2.原子力空母ジョージ・ワシントンの見学
3.将校クラブで食事
実は、以前にも同じ内容の研修を受けたことがあります。その事もあり、今回の研修で私の最大の関心は、当然将校クラブでの食事になります。
それでは、食事の時間になるまで研修をこなしていきましょう。
まずは、在日米海軍司令部でのブリーフィングです。
在日米海軍司令部は、ちょっとレトロ感のある建物にあります。ここは、実は大正時代に建てられた旧日本海軍の横須賀鎮守府があった建物です。隣の建物も在日米海軍司令部が使用していますが、こちらは横須賀鎮守府会議所と横須賀海軍艦船部の建物で、当時の銘鈑が残っています。
ところで、在日米海軍とは、どんな組織かご存知ですか?基地の運営管理や日本政府との連絡などが主な役割で、空母やイージス艦は、その指揮下にありません。艦艇や航空機などの部隊は、在日米海軍ではなく第7艦隊の所属なのです。
会議室でのブリーフィングが終わったら、原子力空母ジョージ・ワシントンの見学です。
移動の途中、ドライドック1号も見学しました。
水を抜いた状態で艦艇を整備修理する施設なのですが、この1号ドックは、幕末から明治初期に建設された非常に古い施設なのです。古くても立派に現役なので、艦艇が入っている場合は撮影NGなのですが、幸い当日は空でした。
いよいよジョージ・ワシントンにやって来ました。近くで見ると、船というより巨大な構造物という感じです。今は、毎年恒例の整備期間で、至る所がネットで覆われ、櫓や機器、プレハブ小屋などが設置されていて、残念ながら艦の本来の姿を見ることはできません。
まずは、航空機の格納庫から艦内に入ります。艦内に人間用のエレベーターは無いので、ひたすらラッタル(垂直に近い階段)を上り下りして、飛行甲板、航空機を管理する部屋、ブリッジなどを見学しました。前回は、食堂や売店、錨の格納室なども見学できたのですが、今回は質疑応答が長引いたため時間切れで割愛されました。残念!
ついに本日のメインイベント(個人的に)、食事の時間がやって来ました。
この将校クラブの正式名称は、『アーレイ・A・バーク大将士官食堂』といいます。
アーレイ・A・バーク大将は、昔のアメリカ海軍士官で、非常に功績のあった人です。現在のアメリカ海軍の駆逐艦は、アーレイ・バーク級といい、その1番艦には、アーレイ・A・バーク大将の名前が付けられています。
写真は、横須賀に配備されているアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦ステザムです。
さて、その将校クラブの中に入ると、小さなホールがあり、ドレスコードが掲示されていました。
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『スマート・カジュアル』か『ビジネス・カジュアル』スタイルであること。
汚れたり、ほつれている服はダメ。
運動用の服は、場合によってはダメ。
などなど。
私の格好は、あまりカジュアルではありませんでしたが、何も言われなかったのでOKだったのでしょう。
建物内には、今回利用する『ダイニングルーム』の他に『スポーツラウンジ』や『デリ』も併設されています。
ダイニングルームには『コサノ』、スポーツラウンジには『クロフネ』と名前が付けられています。
コサノは、日本人の名前でしょうか??スポーツラウンジがどうなっているか興味はありましたが、ビリヤード台しか見えませんでした。デリは、軽食の販売店ではないかと思います。
ダイニングルームの中は、ちょっと高そうなレストランといった感じです。
ステージのようなものも見えます。
食事はバイキング形式で、当日は『ハワイアン・ジャパニーズ』という謎なテーマの料理が供されていました。
色々な料理を取り集めてみました。炊いたご飯や天ぷらもあり、その辺りが『ジャパニーズ』みたいです。他の料理は、よく分かりませんがハワイの料理なのかもしれません。
前回来た時は、ステーキのコースだったのですが、肉は固くて水っぽく、付け合せは巨大なジャガイモが1個丸ごとだったりして、ちょっと残念な思い出です。
当然今回も味は期待していませんでしたが、スープを一口食べるとムチャクチャ美味しくてびっくりしました。ちょっとピリ辛で豆や野菜などの具が入っています。魚料理や付け合せの野菜も美味しいです。シチューは、それほどでもありませんが……MREのビーフシチューよりは美味しいです。(笑) 天ぷらは、何だかよく分からない野菜や魚で、ちょっと風変わりな感じでした。
予想に反して美味しかった食事も終わり、在日米海軍司令部の前で記念撮影をして研修は終了しました。
もし次の機会があれば、もう一度あのまずいステーキを食べてみたいものです。
(文・写真:Dacho)