小児ガンの「網膜芽細胞腫」という名前を聞いたことはありますか?
これは新生児の15,000人に1人の割合で6歳くらまでに発生する網膜の悪性腫瘍のことです。早期発見して適切な処置を受ければ5年生存率が9割を超えるそうですが、発見がなかなか難しく医師でも見逃すことがあるのが現状。
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そんなとき、自宅でも網膜芽細胞腫の早期発見を可能にする方法があるとネット上で話題になっていました。それは、スマートフォンのフラッシュをオンにして子供の写真を撮るという方法です。正常な眼球なら特に何もないか赤く写りますが、網膜芽細胞腫の場合は白っぽく写るそうです。実際にこの方法で網膜芽細胞腫が発見された事例が海外で起きています。
これは光が腫瘍に反射するためで、蛍光灯の下や暗がりで「目が白く見える」「透明に見える」「黄緑色に光って見える」場合にも注意が必要です。
もしもお子さんの目がフラッシュに白く反射していたら、小児科ではなく【眼科】にお子さんを連れていき、医師に【眼底検査】を行ってもらうようお願いしてください。
医師は自分が所属している科以外の医学的知識は基本しか持ち合わせていないことがあるため必ず専門である眼科につれていくことをすすめます。専門医として活躍している人は、その科の見識を深めることで多くの患者さんを救っているため、他の科のことまで詳しく勉強する時間がありません。
また、医師は何でも知っている神様ではないため先生によっては「フラッシュに反射した目が白かったから網膜芽細胞腫の可能性がある」ということを知らない場合も大いに考えられます。親からみて「おかしい」と思っていても「しばらく様子みて」「様子見ておかしかったら検査しましょう」とすぐ取り合ってくれない場合は必ずセカンドオピニオンを受けるようにしてくださいね。
お子さんの命を守ってあげられるのはママやパパだけ。早期発見することがお子さんの未来にも繋がるため、気になった人はすぐにでも試してみてください。ただし、何度も何度も撮影すると目に負担がかかってしまうため、フラッシュをたいての撮影は1度だけにとどめておいてくださいね。
(文:大路実歩子)