漫画原作や作詞家として知られる小池一夫さん。以前よりTwitterを通じて自身の考えを発信するなど、積極的に活動の場を広げていますが、9月8日に投稿したツイートではこのところ問題となっている「いじめ」や「子供の自殺」について友人の例をあげた上で独自の考えを示し反響を呼んでいます。
【関連:話題の漫画「自殺ノススメ」作者に自殺者遺族がインタビューしてみた】
投稿ではまず、小学校時代いじめられっ子だった友人のエピソードを紹介。その方は「めちゃくちゃイジメられていて、でも、自殺なンかは絶対考えなかったなあ」と語ったそうです。理由は「両親がめちゃくちゃ仲が良かったから」。両親が仲良く楽しそうにしているのをみて、「大人になったら楽しいこともいっぱいあるってわかってたから」と考えていたそうです。
最後には小池さん自身の言葉として「父母に限らず、上の世代って楽しいことを見せる義務があると思った。」と綴られています。
■子供の自殺上位には「親子間問題」も その時は「父母に限らず、上の世代」
「子供の自殺」といっても理由は様々。今回例としてあげられたのは「いじめ」ですが、実はそれ以上に深刻なのが「親子間問題(しつけや、不和)」とされています。
例にあがった友人の方は両親の仲の良さで救われましたが、親子関係に問題がある場合には小池さんが補足するとおり「父母に限らず」、つまり周囲の大人達がそれを示すことで救えることがあるかもしれません。
子供は誰より敏感に周囲を見渡しています。しかも物事を吸収しやすい時期にあれば、暗いものがあれば暗い方に、明るい事があれば明るい方にひきずられやすいのは必定。そんな時、親であれ、見知らぬ誰かであれ、周りにいる大人達が「楽しむ姿」「楽しいこと」を見せるだけで希望を感じる可能性があるならば、たとえ確率が低くともやる価値は充分にあるのではないでしょうか。皆が楽しくいる事で誰かの生きる希望になる。単純ですが、何もしないよりは効果ありな方法かもしれません。
【参考:小学生、中学生における原因・動機の比率】
▼男子小学生(n=38)
家族からのしつけ・叱責:52.9
その他学友との不和:17.6
学校問題その他:17.6
親子関係の不和:11.8
その他その他:11.8
いじめ:0
▼男子中学生(n=419)
学業不振:20
家族からのしつけ・叱責:17.5
親子関係の不和:12.9
その他進路に関する悩み:12.5
学校問題その他:12.1
いじめ:5.8
▼女子小学生(n=33)
親子関係の不和:33.3
家族からのしつけ・叱責:33.3
その他学友との不和:16.7
いじめ:11.1
その他その他:11.1
▼女子中学生(n=207)
その他学友との不和:22.2
親子関係の不和:18.8
学校問題その他:16
学業不振:12.5
うつ病:11.1
いじめ:4.2
▼出典:
小池一夫さんTwitter(@koikekazuo)
平成27年版自殺対策白書・学生・生徒等の自殺をめぐる状況
(文:栗田まり子)