日本時間の2022年5月20日に打ち上げが予定されている、ボーイングの宇宙船CST-100「スターライナー」の無人飛行試験で、NASAがSNSを活用したバーチャルイベントを開催します。

 新型コロナウイルス禍により直接打ち上げの見学ができないため、FacebookやYouTubeなどを使い、みんなで打ち上げを盛り上げようという企画。Facebookなどで無料で参加を受け付けています。 

 民間企業の宇宙船を活用し、国際宇宙ステーションへ人員を送り込もうというNASAの「コマーシャルクルー」計画。スペースXの「クルードラゴン」とボーイングのCST-100「スターライナー」が選定され、クルードラゴンは3回目の宇宙飛行士輸送ミッション(Crew-3)が5月6日の帰還で終了し、4回目のミッション「Crew-4」が4月27日の打ち上げで始まっています。

クルードラゴン「Crew-4」の宇宙飛行士(画像:NASA)

 順調に進んでいるスペースXのクルードラゴンに対し、ボーイングの方は2019年12月に実施された最初の無人飛行試験(OFT-1)で宇宙船のメインエンジンに不具合が生じ、国際宇宙ステーションへのドッキングができませんでした。ドッキング関連以外での飛行試験自体は、地上への帰還まで無事終了しています。

第1回飛行試験の打ち上げ(画像:Boeing)
地上に帰還したスターライナー(画像:NASA)

 約2年にわたる原因究明と設計の改良を経て実施される第2回の試験(OFT-2)では、前回果たせなかった国際宇宙ステーションへのドッキングとハッチの開閉、そして物資の輸送といった機能の確認を行う予定です。

軌道を周回するスターライナーの想像図(画像:Boeing)

 打ち上げはULAのアトラスVロケットで、日本時間5月20日の朝7時54分に打ち上げ予定。順調ならば、打ち上げから約24時間後の日本時間5月20日朝8時10分ごろ、国際宇宙ステーションへドッキングすることになっています。

第2回飛行試験のポスター(画像:ULA)

 NASAではこの打ち上げに関し「バーチャル体験イベント」を開催。SNSを通じて世界中から人々が集まり、みんなで打ち上げを応援しよう!というものです。ミッションパッチや「バーチャルゲスト」のパスポートもダウンロードして楽しむことが可能。

バーチャルゲストパスポートの表紙・裏表紙(画像:NASA)

 専用の登録ページのほか、Facebookにはイベントページが開設されており、アカウントをお持ちの方は「参加する」ボタンで参加可能。Facebookをしていない方でもYouTubeや公式Twitter(@NASA)などを通じ、打ち上げの生中継を見ることができます。中継は日本時間5月20日の朝7時に始まる予定です。

<出典・引用>
NASA ニュースリリース
画像:NASA/Boeing/ULA

(咲村珠樹)