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子供がおぼれる時の想像と現実 想像→あばれる 現実→静かにおぼれます

こども、特に乳幼児のうちは思いもかけないところで思いもよらぬ事故に遭う事があります。
佐久医師会(長野県佐久市)が佐久地域で行っている「教えてドクター!」プロジェクトチームの、教えてドクター佐久(‏@oshietedoctor)の中の人であり医師が注意喚起を出しています。

  • 「乳幼児の不慮の事故で2番目に多い『溺水』。溺れる時、バシャバシャもがくのは映画の世界だけです。溺れた状況を理解できず、もしくは呼吸に精一杯で声を出す余裕もなく、静かに沈みます(本能的溺水反応といいます)。隣の部屋にいれば音で分かると思ったら大間違い。入浴中は気を付けましょう。」というツイートの次に製作チームの方がイラストにして紹介しています。

    一目で分かりやすく溺水について説明されています。水に溺れる時って一般的なイメージだと大騒ぎしながら手足をばたつかせる、というイメージですがこれは水の中で身動きが取れなくなったことを自覚した人が出来る行動。では、『本能的溺水』とは?

    筆者も気になって研究文献を探してみましたが意外とないものなんですね。教えてドクター!の中の人である小児科医の坂本先生にお伺いしたところ、本能的溺水反応は『instinctive drawing response』の和訳であるとの事。水に沈んでしまった事自体本人が気付けず、音もなく水に沈んでいってしまい結果溺れてしまう、という反応だそうです。この反応について体験している方も結構いるらしくツイートに対しても「子どもが同じ様な経験をした」「自分がまさにそれを経験した」「プールで監視していて変だと思った子がまさにその溺水だった」といった感想が寄せられています。

    なお、この本能的溺水反応は乳幼児以外でも起こりうる可能性は高く、夏場に小学校のプールでの溺死事故が報道されたのもこの本能的溺水反応である可能性が高いと筆者はみています。集団の中で静かに溺れるので監視をしている先生も気が付きにくく、溺水についての知識が少ないと溺れている事に気が付かない可能性が高くなるのではないかと考えています。

    ちなみに坂本先生、続けてこうも指摘していました。
    「溺水ですが、教えて!ドクター制作チームの中の人1号小児科先生、イラスト担当デザイナー、公報IT担当は自分ちのこどもを沈めていることが判明いたしました。みなさま、、ほんとに気をつけましょう……」

    えっ!

    意外や意外、小児科医の先生でも同様の事例に遭遇していたとは。
    ほんの20~30秒でも起こり得るという静かな溺水、手遅れになると息ができない事に起因する低酸素脳症や最悪、溺死にもなり得ます。こういった知識を身につけておく事で早めの対処が出来るようになります。

    この情報をツイッターで発信している「教えてドクター佐久」では主に0~3歳児の保護者向けに情報を発信提供している無料アプリ『教えてドクター』をiOS、Androidのそれぞれのプラットフォームで配信しています。

    佐久医師会の提供なので佐久地域の子育て支援情報がまとまっており佐久地域の医療機関などへアプリからそのまま電話ができる他、生年月日入力で接種時期の目安が分かる予防接種スケジューラやこどもの防災についてのページではアレルギー・発達障がい・授乳中の児の避難所での対応などを中心にまとまっていて、佐久地域以外の子育て世代にも使える内容になっています。

    佐久医師会では「教えて!ドクター小児科出前講座」を随時行っております。その内容や「症状とおうちケア」「小児科特有の病気について」「予防接種」「もっと知りたい!教えてドクター!!」の4つのカテゴリにまとめ、症状別、病名別に受診の判断の目安や対処法などを解説する冊子を制作し、佐久医師会管内の幼稚園・保育園、小児科等で配布。無料アプリ『教えてドクター』にも冊子の内容が移植されていますので遠方だけど冊子の内容を手元において置きたい子育て世代は是非ダウンロードしてみてくださいね。

    <記事化協力>
    教えてドクター佐久(@oshietedoctor)

    <参考サイト>
    教えて!ドクター

    (看護師ライター・梓川みいな)

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  • 梓川みいな看護師(正看護師有資格者)

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    一般内科、呼吸器科、整形外科、老年科、発達障害などを得意とする。医療・介護福祉等に高反応。雑多なネタも紹介していきます。
    娘二人(ともに発達障害あり)とネコ二匹の母。シングル。

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