スーパー等で牛乳を購入する際に、それが「牛乳」なのか「加工乳(乳飲料)」なのかを一目で見分ける方法があると、インターネット上で話題になっていました。

 それはパッケージ上部に「切欠き」とよばれる加工が施されているかいないかなのだそう。施されていると「牛乳」の印。このウワサについて、乳業大手の一つである雪印メグミルク株式会社に聞いてみました。

■ バリアフリーの一環としてつけられている

 実際に販売されている商品を見てみると……たしかに、上部の一部に凹みがあることが確認できます。どうやらこの凹みが「切欠き」。生まれてこのかたずっと牛乳を見てきたはずですが、こんな加工がなされていたとは……気づいていませんでした。

パック上部にある切欠き

 そこでインターネットの話題が本当なのか、雪印メグミルクに問い合わせると、次の回答が得られました。

バリアフリーの一環として、種類別「牛乳」の500ml、1000mlの紙パックの最上部の一箇所に、「切欠き(きりかき)」処理をしています。目の不自由な方でも触っただけで「牛乳」であることがわかり、また「切欠き」のある反対側が開け口になっています。

 回答によると、どうやらこの「切欠き」は牛乳かどうかを判別するために役立つのには間違いありませんが、その目的は目の不自由な方がパックを触っただけで「牛乳」と分かるための加工。切欠きがある反対側が開け口になっているという点も非常に親切ですよね。

開け口と反対側にあるのも親切

■ 業界団体HPでは「任意表示なので、すべてのメ-カーがつけているわけではありません」という説明も

 また、業界団体である一般社団法人Jミルクのホームページによると、1993年から1995年に視覚障害者の食品へのアクセス改善を図るための実態把握・改善手法の検討が行われ、その結果2001年から紙パックの牛乳に「切欠き」がつけられるようになったとのこと。

 中身が生乳100%の「種類別 牛乳」だけにつけられる印ではありますが、これは「任意」であるため「すべてのメーカーがつけているわけではありません」とも紹介されています。また、対象は500ml以上の家庭用紙パック(屋根型容器)だけに適用されるものなので、見分ける際はその点も注意しましょう。

乳飲料には切欠きがありません

切欠きのあるなし

 とはいえ、知っていて損する知識ではありません。これまで牛乳を購入しようとすると、「牛乳」なのか「加工乳(乳飲料)」を確認するために、パッケージをよく見て判断していましたが、これなら一目でも判断できますし、触っても判断可能。今後は誤って乳飲料や低脂肪乳を買ってしまう機会を減らせそうです。

<記事化協力>
雪印メグミルク株式会社

<参考>
雪印メグミルク株式会社HP「牛乳のパッケージ表示
一般社団法人JミルクHP「牛乳パックの切欠き

(山口弘剛)