「友達と時代劇ごっこ ちょっと渋すぎたかもしれない……笑」X(Twitter)でこうつぶやいたのは、垣内博貴さん。投稿には一本の動画が添えられています。
見るとそこには、時代劇風の映像と共に、演者が激しい殺陣を繰り広げる様子が。45秒間、どこを切り取っても「ごっこ」のレベルを遥かに凌駕しています。
垣内さんは個人で活動する映像作家。映画やドラマ、ミュージックビデオ等の制作に携わりつつ、自身のYouTubeでは自主制作映画を公開するなど、精力的に活動を行っています。
■ 学生時代の友人と意気投合 3名体制での時代劇制作
幼少時から時代劇が好きで、学生時代には映画を作る部活に所属していた垣内さん。当時の仲間と数年ぶりに再会した際、「集まるなら昔みたいに自分達で何か作ってみるか!」と意気投合し、今回の動画が生まれました。
映像制作に関わったのは、垣内さんを含めて3名という少数精鋭体制。演者、カメラ、音声、監督、すべて自分たちで交互にやりながら撮影したとのことですが、実は垣内さん以外の演者は学生時代に部活でお芝居や殺陣をやっただけで、今は普通の会社員。にもかかわらず、こんなに見事な殺陣を演じられるとは驚きです。
また、機材も専門機材を使わず、一般的なミラーレス一眼を使用。「規模だけでみれば、映像作品というより、まさしく『ごっこ遊び』です」と垣内さんは言いますが……それでこのようなハイクオリティの映像が作れてしまうのは、さすがプロの映像作家さんと言うべきでしょう。
■ こだわりは「衣装」「ロケ地」「編集」の三つ
出来ることが限られる中で、垣内さんが特にこだわったのは、衣装、ロケ地、編集、の三つ。
時代劇を徹底的に見て衣装を研究し、自分で手に入らないものはミシンを使って自作。身分や職業によって異なる旅衣装により、しっかりキャラが分かるようになっています。
ロケ地については「なかなか昔の時代劇に出てくるような場所は少なくなったので探すのには苦労しましたね」と垣内さん。なんでも地図アプリでロケハンすることが趣味で、地図はロケ地候補のピンだらけになっているのだとか。
編集においては、いかに時代劇風に見せるかを模索。フィルムの質感、音声ノイズ、カラー、手ぶれ感、フォントの質感など、さまざまな要素を試し、納得できるまで編集を行ったとのことです。
こうしたこだわりを込めた作品は、まさに時代劇風の作品として申し分のない出来栄え。「最終的な出来上がりを見た時は、渋すぎてリアルに笑っちゃいましたね」と、垣内さん自身も納得のいく仕上がりとなったもよう。
投稿には4万件を超える「いいね」が寄せられ、多くの方がその再現度を認めた一方、「たくさん反響はいただきましたが、まだやり残したことも多いです」とも。映像作家として、目指すところはまだまだ先にあるようです。
今後の展望についてうかがうと、「この渋い雰囲気が好きな方がいることがわかったので、ぜひ時代劇好きな方たちともっと知り合いたいですね。最終的にはみんなで本気で時代劇ごっこしたいです」と、継続して個人で時代劇作品を制作したいと考えている様子。
いつか近い将来、SNS発の時代劇大作が公開される日が来る……かもしれませんね。
友達と時代劇ごっこ⚔️
ちょっと渋すぎたかもしれない…笑 pic.twitter.com/Nll8cK6ihB— Hiroki Kakiuchi (@tkymtsk) December 26, 2023
<記事化協力>
Hiroki Kakiuchiさん(@tkymtsk)
(山口弘剛)