2018年2月22日(現地時間)、アメリカ海軍のフリーダム級沿海域戦闘艦11番艦となる、ミネアポリス・セントポール(LCS-21)の起工式が、ウィスコンシン州マリネットにあるフィンカンティエリ・マリネット・マリーン造船所にて執り行われました。アメリカ海軍の沿海域戦闘艦としては、21番目の艦となります。

 ミネアポリス・セントポールの起工式は、船体に取り付けられる艦名パネルに、スポンサーのイニシャルを溶接で記すという伝統の儀式。ミネアポリス・セントポールのスポンサーはジョディ・J・グリーン海軍副次官補です。このパネルは、日本で建物を建設・修繕する際に取り付けられる「棟札」に似た風習です。

 沿海域戦闘艦は、それぞれの原型になった試作艦、フリーダム、インディペンデンスを除いて、アメリカの都市名がつけられています。ミネアポリス・セントポールは珍しく、隣接する2つの都市名の複合名称である、ミネソタ州のミネアポリス・セントポール都市圏(ミネソタ州最大の人口を誇るミネアポリスと、ミネソタ州都であるセントポール)から名づけられます。この都市圏は通称「ツイン・シティ」という名で親しまれ、メジャーリーグのミネソタ・ツインズの由来となった街です。

 ミネアポリス・セントポールの名を持つアメリカ海軍の艦艇は、これが2隻目。初代は1984年3月10日に就役し、2008年8月28日に退役したロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦(SSN-708)で、水上艦としては初めてとなります。

 グリーン副次官補は、起工式を終えて「この、将来ミネアポリス・セントポールとなる艦(命名式前なのでこのような表現になる)のスポンサーとなるというのは、非常に光栄なことです。これから始まる建造工事に携わる方々、そして就役してからの乗組員の皆さんをサポートすることを楽しみにしています。きっとミネアポリス・セントポール都市圏の人々も、この船が就役し、海軍艦隊の一員となった際には、誇りをもってサポートしてくれることでしょう」とのコメントを発表しています。

 現在フィンカンティエリ・マリネット・マリーン造船所では、8隻の沿海域戦闘艦が並行して建造されています。これまでの建造実績からすると、ミネアポリス・セントポールが進水するのはおよそ2年後、就役はおよそ4年後になると見込まれます。

 Image:Lockheed Martin

(咲村珠樹)