皆様こんにちは。ミリタリーにおける『食』、特にレーションについてご紹介していくDachoの『ミリヲタ的グルメ』。
今回は、特別編の第3弾、陸上自衛隊習志野駐屯地の隊員食堂をレポートします。


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先日、私は千葉県にある陸上自衛隊習志野駐屯地を訪問しました。駐屯地内の様々な施設を見学させていただき、そしてもちろん食堂で隊員の皆さんと同じ食事をしてきました。真夏の暑さをものともせず走り回る隊員の皆さんの姿は、大変頼もしいものでした。

●習志野駐屯地

第1空挺団

習志野駐屯地は、陸自一の精強部隊として名高い『第1空挺団』の本拠地です。
また、秘密のベールに包まれた特殊部隊、『特殊作戦群』もここに所在しています。
古くは、旧日本陸軍の騎兵部隊がありましたが、NHKのドラマ『坂の上の雲』にも登場したため、ご存知の方もいらっしゃることでしょう。
駐屯地内には、『日本騎兵之碑』があります。

日本騎兵之碑

当時、明治天皇がご訪問されるために作られた御馬見所(ごばけんじょ)が今も『空挺館』という名で保存されています。

御馬見所(ごばけんじょ)

旧軍時代から現在に至る様々な資料や、殉職された空挺隊員の遺影などが置かれています。

空挺部隊の基地ということで、駐屯地内にはパラシュート降下に関する様々な施設があります。

落下傘訓練塔.

これは、落下傘訓練塔です。パラシュートを背負った隊員を塔に吊り下げ、一番上で切り離すそうです。ちょっとした絶叫マシーンですね。

落下傘訓練塔に掲げられた第1空挺団のモットー『精鋭無比』

落下傘訓練塔には、第1空挺団のモットーである『精鋭無比』の言葉が掲げられています。

輸送機を模した飛び出し訓練施設

これは、輸送機を模した飛び出し訓練施設です。同時に8人の隊員が航空機から飛び出す訓練を行うことができます。
これらの他にも、様々な訓練設備やパラシュートの整備工場など、貴重なものをたくさん見せて頂きました。

 

●隊員食堂
さて、最大の関心事は、やはり昼食です(笑)
まずは、隊員の皆さんとは少し時間をずらすために厚生棟でショッピングを楽しみました。迷彩柄の珍しい装備品など、空挺隊員御用達の様々な物を買うことができます。(民間人には販売されない物もあります。)
そしていよいよ食事の時間です。

隊員食堂

隊員食堂は、まだ新しい立派な建物でした。2階に上がるとそこは、『曹士食堂』でした。『曹士』とは、軍隊用語で言う下士官と兵のことで、これよりも上の階級を『幹部』(士官)といいます。

曹士食堂

食堂に入ると今日の献立が貼ってあります。今日は『かぼちゃカレー』です。
セルフサービスになっていて、置かれた器を順番にトレーに取っていきます。料理は全て盛り付け済みですが、最後に大きなジャーから好きなだけご飯を追加することができます。

料理.

私は、ご飯を足していませんが、それでも十分な量がありました。このほかに牛乳がありましたが、取り損ねてしまいました。さらに空挺隊員には、これにエクレアが1個追加されます。それだけ体を酷使する仕事だということですね。

この日の献立は、以下の通りです。
・かぼちゃカレー
・温泉卵
・ゴーヤとチーズの和え物
・きのこ汁
・梨
・牛乳
・エクレア(空挺隊員のみ)

数百席はある広い食堂の片隅に座り、さっそく食べてみます。
かぼちゃカレーは、ごく普通の家庭的なカレーといった感じです。ジャガイモは入っておらず、かぼちゃがその代わりのようです。実は以前、あるイベントで陸自隊員の作ったカレーを食べたことあるのですが、ちょっと残念な味だった記憶があります。幸い今回のカレーはとても美味しかったです。温泉卵をのせると、まろやかになってこれもいけます。
ゴーヤとチーズの和え物、初めて食べる料理です。普通の和風の味付けですが、和え物になったゴーヤもチーズも初体験でした。非常に個性的な味とだけ言っておきます(笑)
きのこ汁は、数種類のきのこがたっぷり入って、とても美味しかったです。

この隊員食堂で出される食事は、3年前までは当番の隊員の皆さんが作っていたそうですが、現在は民間に委託されているそうです。オタクとしては、隊員さんが作った食事の方にありがた味を感じますが(笑)、食事当番になると日常の業務や訓練が一切できなくなるので、外部委託の方がありがたいと隊員の方はおっしゃっていました。
非常にボリュームがあり、味も合格点の食事は、大変素晴らしかったです。

なお、毎年1月上旬には、習志野駐屯地に隣接する演習場で『第1空挺団降下訓練初め』が一般公開され、このような空挺隊員の勇姿を見ることができます。

降下訓練初め

(文・写真:Dacho)