おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

【うちの本棚】第百三十九回 電撃ハリキリ娘ピンチー/ジョージ秋山

【うちの本棚】第百三十九回 電撃ハリキリ娘ピンチー/ジョージ秋山「うちの本棚」、今回ご紹介するのはジョージ秋山の『電撃ハリキリ娘ピンチー』です。個人的に大好きなジョージ秋山作品であるとともに、ジョージ秋山作品の中でもちょっと異色な印象のある作品といえるでしょう。ジョージ秋山の陽の部分が前面に出た作品だと思います。


  • 【関連:第百三十八回 ざんこくベビー/ジョージ秋山】

     

    「週刊少年マガジン」に連載された作品で、まだギャグ漫画家としてのイメージが強いころの一作。初期の作品に比べるとコマ運びやセリフのテンポがよく、勢いも感じる。またそれまでの作品やこのあと描かれる『よたろう』と違って、深刻な話題に踏み込まないところも本作の特徴といえるかもしれない。

    主人公はピンチーという少女で、空手が得意な中学生(たぶん)。本名は中村金魚ということになっているが、名前を呼ばれるシーンのほとんどで「ピンチー」と呼ばれるので本名は忘れてしまっても問題ない。

    連載4話目で両親が海外に転勤し、叔父の家にあずけられることになるのだが、その叔父が住職で、お転婆なピンチーをおとなしくさせようと尼にしようと髪を剃ってしまったり、叔父の家に引っ越したことで転校することになり、新しい学校でドタバタがあったりと、「ハリキリ娘」と呼ばれバイタリティー溢れるピンチーを中心にストーリーは展開していく。
    『ザ・ムーン』『灰になる少年』さらには『アシュラ』『銭ゲバ』と代表的な作品がことごとくトラウマ作品といってしまっていいジョージ秋山の陽の部分が本作『電撃ハリキリ娘ピンチー』には表れているような気がする。たぶんこの心地よさは『浮浪雲』につながるものなのではないかと思う。個人的にジョージ秋山のぎゃく作品の中でも、本作が気に入っているのはそういう理由なのだと改めて感じる。

    しかしながら本作も現在気軽に入手できる環境になく、またKCコミックスには未収録エピソードもあるようなので、完全版の刊行を願うばかりだ。

    書 名/電撃ハリキリ娘ピンチー
    著者名/ジョージ秋山
    出版元/講談社
    判 型/新書判
    定 価/350円
    シリーズ名/KCコミックス
    初版発行日/昭和51年9月30日
    収録作品/電撃ハリキリ娘ピンチー

    (文:猫目ユウ / http://suzukaze-ya.jimdo.com/

    あわせて読みたい関連記事
  • 【うちの本棚】第百四十回 ねこまんまのジョージ/ジョージ秋山
    コラム・レビュー

    【うちの本棚】第百四十回 ねこまんまのジョージ/ジョージ秋山

  • 【うちの本棚】第百三十八回 ざんこくベビー/ジョージ秋山
    コラム・レビュー

    【うちの本棚】第百三十八回 ざんこくベビー/ジョージ秋山

  • 【うちの本棚】第百三十七回 黒ひげ探偵長/ジョージ秋山
    コラム・レビュー

    【うちの本棚】第百三十七回 黒ひげ探偵長/ジョージ秋山

  • 【うちの本棚】第百三十六回 コンピューたん/ジョージ秋山
    コラム・レビュー

    【うちの本棚】第百三十六回 コンピューたん/ジョージ秋山

  • 【うちの本棚】第百三十五回 灰になる少年/ジョージ秋山
    コラム・レビュー

    【うちの本棚】第百三十五回 灰になる少年/ジョージ秋山

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】第十九回 ザ・ムーン/ジョージ秋山

  • 猫目 ユウWriter

    記事一覧

    フリーライター。ライター集団「涼風家[SUZUKAZE-YA]」の中心メンバー。
    『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』などの単行本あり。
    女性向けのセックス情報誌やレディースコミックを中心に「GON!」等のサブカルチャー誌にも執筆。ヲタクな記事は「comic GON!」に掲載していたほか、ブログでも漫画や映画に関する記事を掲載中。
    本コラム「うちの本棚」は作者・テーマ別にして「ブクログのパブー」から電子書籍として刊行しています。
    また最近は小説の執筆に力を入れています。
    仮想空間「Second Life」やってます^^

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • コラム・レビュー

    複数社から発売された『墓場鬼太郎(ゲゲゲの鬼太郎)』を振り返る

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】262回 こいきな奴ら/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】261回 ティー・タイム/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】260回 5(ファイブ)愛のルール/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】259回 デザイナー/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】258回 わらってクイーンベル/一条ゆかり

  • トピックス

    1. リュウジさんの「限界チキンラーメン雑炊」を実食 「嘘みたいに絶賛」の味は伊達じゃなかった

      リュウジさんの「限界チキンラーメン雑炊」を実食 「嘘みたいに絶賛」の味は伊達じゃなかった

      料理研究家のリュウジさんが、自身のXで自信満々に紹介した新レシピ「限界チキンラーメン雑炊」。やる気0…
    2. 怪盗予告ゴシック

      怪盗予告状のロマンをフォント化 「怪盗予告ゴシック」が面白い

      フィクションの怪盗が犯行前に警察などに出す予告状といえば、筆跡から本人を特定できないよう、新聞記事か…
    3. アップサイクル消防ヘルメットテーブルランプ

      横浜消防の「本物」が手元に ふるさと納税返礼品に「活動服トート」や「ヘルメットランプ」が登場

      横浜市消防局が提供する、横浜市の「ふるさと納税返礼品」に、マニア心をくすぐる新たなアイテムが仲間入り…

    編集部おすすめ

    1. AIコントロール画面

      Firefox、AI機能多すぎ問題に対応 一か所で設定管理「AIコントロール」実装

      Mozillaは現地時間の2月2日、デスクトップ版「Firefox」において、AI機能の利用をまとめて管理できる新機能「AIコントロール」を…
    2. 家⾕家家族写真

      香取慎吾主演で「高校生家族」実写映画化 家族全員が高校生になる青春コメディ

      週刊少年ジャンプで連載された人気ギャグ漫画「高校生家族」の、実写映画化が2月3日に発表されました。主演を務めるのは香取慎吾さん。映画「高校生…
    3. 「宿儺の指チャーシュー」(1000円~)

      食べられる特級呪物 神座が「宿儺の指」をチャーシューで完全再現

      ラーメンチェーン「どうとんぼり神座」が、とんでもない再現度のメニューを投入します。2月25日スタートの、テレビアニメ「呪術廻戦」とのコラボレ…
    4. ビジュアル図鑑 錬金術の歴史

      厨二心くすぐる「錬金術」図鑑が登場 豊富な図版で迫る禁断の知の歴史

      河出書房新社より、“厨二心”をくすぐる「錬金術」をテーマにした新刊「ビジュアル図鑑 錬金術の歴史」が、2026年2月25日に発売されます。A…
    5. @niftyニュース、23年の歴史に幕 ニュース提供は新たな形へ

      @niftyニュース、23年の歴史に幕 ニュース提供は新たな形へ

      インターネットサービスのニフティが1月27日、ニュースサービスをリニューアルすると発表しました。これに伴い、現在提供している「@niftyニ…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト