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「幽霊付き物件」の住み心地は?住んだ人に話を聞いてみた

 ここ数年話題にのぼることが多い「事故物件」。前の住人が亡くなった物件だったり、幽霊が先住民として住み着いている物件だったりするのですが……。通常よりも家賃が安いなどのメリットがあり、それでも住む人は後をたたないそうです。そんな物件に住んだことがある人から、実際の住み心地を聞いてみました。

  • (取材協力者:派遣会社テレビ局勤務のAさん(匿名))

    ――どんなところに住んでいたかまず教えてください

     都内にある2DKのメゾネットです。2階建ての人気物件ですね。日当たりも良くて、一人で住むには充分すぎる家でした。約2年住んでました。

    ――住む前に何か不動産屋からは話はありましたか?

     ありません。私が住んだのは「幽霊付き物件」だったみたいで(後からわかったことですが)実際のところ、事故があったのかは未だ不明です。

     ただ、下見の時に渡された見取り図には床下収納があったんですが、行ってみると潰されていました。上からクロスが貼られていて、開けることもできませんでした。あと気になったのは、こちらからは何も言ってないんですが、向こうが積極的に家賃値下げを言ってきたことくらいかな。

     両側の家は家賃9万したらしいんですが、うちだけ5万。不動産屋からは「絶対に言わないでください」と念を押されました。

    ――住んでみて何が起こりました?

     うーん。引っ越して直ぐに、寝室に使っていた部屋で寝ていたら、足元から尼さんみたいな人が凄い形相で這い上がってきました。疲れてたのですぐ寝ちゃいましたけど。あとは、階段を誰か上り下りする音が時々聞こえたくらいかな。

    ――怖くなかったんですか?

     最初はちょっと驚きましたけど、「生きてる人間の方が怖い」「幽霊は何も盗まない」って考えたら別に気にならなくなりました。当時給料が手取り16万くらいでしたからね。私的には「事故物件」より「放送事故」の方がぜんぜん怖いです……。

    ――住んでみてのデメリットってありました?

     家が広い分、最初の頃は友達が泊りがけでよく遊びにきてくれていたんですが、住んでしばらくのころ、泊まりに来ていた友達の一人が、夜中獣みたいな雄叫び上げ始めて白目むいて突然気絶したんですね。その友達は会社の先輩で、男の人だったんですけど、冗談でもそういう事する人じゃないからこれはヤバイなって。

     体の病気かもしれないから救急車呼ぶか……って、その日泊まってた他の友達と話してたときに目を覚まして、事情聞いたら「白いワンピース着た女の人が……」ってそこで絶句して何も教えてくれませんでした。

    ――その女の人に心当たりは?

     住んでしばらくの頃から、気がつくと目の端に映るのは知ってました。なんで、尼さんの他にも誰かいるんだろうなーってくらいであまり気にしてませんでした。うちの住人達はあんまり私が無関心なんで、たまに遊びに来る友達にちょっかいだしてたみたいですね。

    ――住み心地は良かったのに何で転居したんですか?

     結婚を機にです。結婚資金を頭金にして家を買ったので、引っ越すことにしました。それさえなければそのまま新婚時代そこに住んでたと思います。彼氏も霊感ない人ですから。

    ――これから事故物件に住む人にアドバイスを

     とにかく気にしないこと。程度にもよるのかもしれませんが、何かあっても気にしない。それぐらいの心づもりが一番です。

     幽霊に対して鈍感だからこそ言えるのかもしれませんが、割り切れば意外と住み心地は良いようです。

     最近では、「事故物件」と大々的に明記して格安を謳い文句にする不動産物件も増えています。家賃が高くてお悩みの方は、そうした物件を見かけた際に一度は検討してみるのもいいかもしれません。

    (文:栗田まり子)

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