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【うちの本棚】190回 Xボンバー/蒲原直樹とダイナミックプロ(原作・永井 豪) 

『Xボンバー』表紙「うちの本棚」、今回取り上げるのはコアなマニアに支持される特撮人形劇『Xボンバー』のコミカライズ作品です。

これまでのところ単行本化されないままの蒲原直樹による本作、復刻のチャンスがあることを期待しています。

【関連:189回 アクマイザー3/やまと虹一(原作・石森章太郎)】

Xボンバー-01 Xボンバー-02 Xボンバー-03

  • 本作は特撮人形劇『Xボンバー』のコミカライズ作品。なのだが、テレビ版の放送が1980年10月からであり、本コミカライズは放送に先駆けての掲載となっている。微妙なところではあるが、原作コミック的な捉え方もできるかもしれない。とはいえ、コミカライズ版の連載は全3回と短く、第一部の終了で終わっている。

    ちなみに番組放送中には、小学館の「てれびくん」において、おのまこと作画によるコミカライズが連載された。ともに未単行本化作品となっている。
    現在でもコアなマニアに支持されるテレビ版であるが、映像クォリティも高く、視聴率で苦戦したため予定より早く終了したのが惜しまれている作品だ(裏番組は戦隊ものの『電子戦隊デンジマン』(関東地方)だった)。

    もっとも海外に輸出され、特にイギリスではヒットしたようで、クィーンのギタリスト、ブライアン・メイの息子がPVに本作の映像を使用していたりもした。
    蒲原直樹のコミカライズ版であるが、先述したように第一部、全3回ということで、ある意味テレビ版の目玉でもある巨大ロボ「ビッグダイX」は登場しない。第一部というよりも序章といってしまっていい内容だったといえるだろう。

    クレジットには「蒲原直樹とダイナミックプロ」とあるが、蒲原のタッチはほかのダイナミックプロ作家たちとはちょっと違っていて、むしろ手塚プロ的な匂いがする。もっとも「ゲルマー軍」の怪物たちはダイナミックプロらしい妖獣的な画で描かれてはいるが…。

    映像作品の方はLD、DVDとソフト化がなされてきたが、コミカライズ版はいまだに単行本化のチャンスがない。おのまこと版も含め、蒲原直樹版も復刻されることを願うばかりである。

    初出/集英社「月刊少年ジャンプ」1980年6月号~8月号

    (文:猫目ユウ / http://suzukaze-ya.jimdo.com/

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    フリーライター。ライター集団「涼風家[SUZUKAZE-YA]」の中心メンバー。
    『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』などの単行本あり。
    女性向けのセックス情報誌やレディースコミックを中心に「GON!」等のサブカルチャー誌にも執筆。ヲタクな記事は「comic GON!」に掲載していたほか、ブログでも漫画や映画に関する記事を掲載中。
    本コラム「うちの本棚」は作者・テーマ別にして「ブクログのパブー」から電子書籍として刊行しています。
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