おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

【週刊!?ジブリグッズコレクション】#22 『風の谷のナウシカ』磁器製彫像「風の唄」フルセット

以前『紅の豚』の陶器製蚊取り線香入れをご紹介したので、今回は焼き物つながりで『風の谷のナウシカ』より、1988年に発売された磁器製彫像「風の唄」フルセットをご紹介。

  • 【関連:#19 関係者配布の『紅の豚』蚊取り線香入れ】

    三体勢ぞろい

    種類としては、当時に発売された「彩色済」「彩色ナシ」の2種類に加え、ナウシカのDVD発売にあたりコレクターズボックスなどの限定版にコチラのフィギュアの「復刻版」を加えた全3種類になります。DVD発売の時には、このナウシカフィギュアについて広告で下記のように謳っていました。

    「宮崎駿監督が監修し映画公開当時に発売した陶器製のナウシカフィギュアを完全復刻!」

    それではジブリグッズコレクターというあまりにも偏った観点から(笑)「風の唄」と「復刻版」の大きな違いについて今回は検証してみましょう(笑)

    まず1番最初に気づくのが、謳い文句に問題が…「映画公開当時」と謳うのであれば、せめて公開した年いっぱいかな~と個人的には思うのですが、実はコチラが発売されたのが1988年。「映画公開してから4年も経ってるじゃん!」なわけで(笑)こちらはこの発売当時のフィギュア雑誌「ANIMATION GOODS CATALOG」からわかります。

    ANIMATION GOODS CATALOG

    そして見た目で気づくのがナウシカフィギュアの大きさの違いです。左の大きい方が「風の唄」のフィギュアで、右の小さいのが「復刻版」です。高さ的には約2.5センチ~3センチぐらいの高さの違いがあります。次にナウシカのフィギュアの立つ角度にも違いがあります。「復刻版」の方は「風の唄」に比べてかなりナナメに反っている立ち方をしているのがわかりますね。ナウシカの長銃の角度を見ても明らかです。さらに細かいところを言わせていただくと、ナウシカの腰に下げているポーチの彩色に違いがあったりなど彩色関係にも大きな違いが見受けられます。

    立ち位置比較
    腰の剣の彩色の違い

    次は人形の命ともいえる「顔」の違いです。左の「風の唄」は鼻筋が通っていて顎周りもスマートな印象、着色の個体差もありますが、復刻版に比べて表情のある顔立ちになっています。(風の唄のフィギュアは全体的に服のシワなどの彫りが深く、「復刻版」に比べるととってもリアルなつくりになっています。)目は両方ともにかなり丁寧に描きこまれ(個体差はありますが)、白目もちゃんと描かれていますね。小さいながらも目のハイライトまでもキレイに描かれております。(個体差でかなりムラがあります)

    風の唄 表情
    復刻版 表情

    べ、別にスカートの中を覗こうってわけじゃないんだからねっ!(汗)最後に決定的な違いがジオラマベースの底の部分にあります。見ての通りなのですが、「風の唄」の方には穴が開いており、「復刻版」の方には穴が開いておりません。
    それと「風の唄」の方はナウシカの文字シールが貼ってあるだけで、「復刻版」にはNibarikiの印がありますね。
    このようにグッズ一つを取っても、いろんな違いを見つけられるのもグッズ収集の楽しみの一つでもあります。

    底面

    もしかしたらあなたの持っているグッズも、調べてみたらレアモノだった!なーんてこともあるかもしれませんね。

    それではまた次回をお楽しみに~。

    (文:非売品ジブリグッズ収集家 くろすけ/@kurosuke4313

    あわせて読みたい関連記事
  • 【ジブリグッズラボ】千と千尋に登場する謎キャラクター 君の名は…盃さま?
    アニメ/マンガ, コラム・レビュー

    【ジブリグッズラボ】千と千尋に登場する謎キャラクター 君の名は…盃さま?

  • 「風の谷のナウシカ」「ナウシカ危機一髪」「忘れじのナウシカ・ゲーム」
    ゲーム, コラム・レビュー・取材

    ウワサの「風の谷のナウシカ」ゲーム3作品を当時の資料で振り返る

  • スタジオジブリの「劇場用卓上スタンディ」
    アニメ/マンガ, コラム・レビュー

    【ジブリグッズラボ】非売品の中でも人気が高い「劇場用卓上スタンディ」後編

  • アニメ/マンガ, ニュース・話題

    【ジブリグッズラボ】非売品の中でも人気が高い「劇場用卓上スタンディ」前編

  • アニメ/マンガ, コラム・レビュー

    【ジブリグッズラボ】多くの人形でみせる「コマ撮りコレクション」の魅力

  • アニメ/マンガ, コラム・レビュー

    マニア魂に火がついた「借りぐらしのアリエッティ」ミニ本コレクション

  • アニメ/マンガ, コラム・レビュー

    「もののけ姫」の日本生命グッズはマニア泣かせ えッ!まだあるのっ?てぐらい豊富す…

  • アニメ/マンガ, コラム・レビュー

    風の谷新聞にナウシカガール 「風の谷のナウシカ」公開当時をマニアが収集品とともに…

  • アニメ/マンガ, コラム・レビュー

    ジブリグッズコレクターがゆく「鈴木敏夫とジブリ展」東京会場編

  • アニメ/マンガ, コラム・レビュー

    ジブリグッズコレクターがゆく『ジブリの大博覧会』六本木編

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 鳥羽水族館、ラッコ配信で“飼育係モザイク化” カスハラ対策で映像方法変更
    社会, 経済

    鳥羽水族館、ラッコ配信で“飼育係モザイク化” カスハラ対策で映像方法変更

  • “幸福度が高い”と評判のジョナサン「早生みかんスイーツ」 今年は新作大福も仲間入り
    商品・物販, 経済

    “幸福度が高い”と評判のジョナサン「早生みかんスイーツ」 今年は新作大福も仲間入…

  • ヤマト運輸、元従業員が取引先情報を不正持ち出し 2社に流出、営業活動での使用も確認
    企業・サービス, 経済

    ヤマト運輸、元従業員が取引先情報を不正持ち出し 2社に流出、営業活動での使用も確…

  • YouTube、永久停止クリエイターに「再出発の機会」 新チャンネル申請を可能にする試験導入を発表
    インターネット, サービス・テクノロジー

    YouTube、永久停止クリエイターに「再出発の機会」 新チャンネル申請を可能に…

  • 南インド伝統のチキンカレー「ケララチキンカレー」
    商品・物販, 経済

    松のやが南インド伝統の味を再現 「ケララチキンカレー」新発売

  • 毛玉とるとる Pro(KC-NW825)
    商品・物販, 経済

    ストッキングやタイツも可の毛玉取り器誕生 マクセルイズミ「毛玉とるとる Pro」…

  • トピックス

    1. 【実食】コメダ珈琲店の「ドデカメンチバーガー」は名前に偽りなし バンズからはみ出す“肉の暴力”

      【実食】コメダ珈琲店の「ドデカメンチバーガー」は名前に偽りなし バンズからはみ出す“肉の暴力”

      コメダ珈琲店は10月16日から「ドデカメンチバーガー」と「ドデカチーズメンチバーガー」の2種類のバー…
    2. 自宅に“機内”を再現!「飛行機オタク」が作り上げた最高の趣味部屋

      自宅に“機内”を再現!「飛行機オタク」が作り上げた最高の趣味部屋

      趣味を持つ人なら憧れる、好きなもので埋め尽くされた趣味専用の部屋。本、ゲーム、楽器、絵画、彫刻など自…
    3. 藝大卒の声楽家が1時間1000円で自分を貸し出す理由 フリー芸術家ならではの戦略

      藝大卒の声楽家が1時間1000円で自分を貸し出す理由 フリー芸術家ならではの戦略

      プロの声楽家として活動する傍ら、1時間1000円から自分の時間を「レンタル」している男性。キャリア豊…

    編集部おすすめ

    1. 鳥羽水族館、ラッコ配信で“飼育係モザイク化” カスハラ対策で映像方法変更

      鳥羽水族館、ラッコ配信で“飼育係モザイク化” カスハラ対策で映像方法変更

      三重県の鳥羽水族館は10月15日、人気配信「鳥羽水族館ラッコ水槽ライブカメラ」の映像内容を一部変更すると発表しました。今後は、給餌の際などに…
    2. 毛玉とるとる Pro(KC-NW825)

      ストッキングやタイツも可の毛玉取り器誕生 マクセルイズミ「毛玉とるとる Pro」を発売

      マクセルイズミ株式会社は、ストッキングやタイツなどの繊細な衣類にも対応する毛玉取り器の新モデル、「毛玉とるとる Pro(KC-NW825)」…
    3. キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化

      キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化

      キヤノンが、バンダイの「ガシャポン」とコラボレーション。歴代のカメラとレンズをミニチュア化した「Canon ミニチュアカメラコレクション」を…
    4. 時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言

      時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言

      時事通信社は10月9日、自民党本部での取材中に「支持率下げてやる」などと発言した本社映像センター写真部の男性カメラマンを厳重注意したと発表し…
    5. 「ちいかわの世界に行きたい」ファン、考えた末に鎧さん化 再現度がガチすぎた

      「ちいかわの世界に行きたい」ファン、考えた末に鎧さん化 再現度がガチすぎた

      言わずと知れた人気コンテンツ「ちいかわ」。かわいくもハードなあの作品世界に入っていきたいと願う人は多いはず。筆者もその1人です。しかし二頭身…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト