夜のお帽子ことコンドームですが、歴史は古いものの「コンドーム」という呼び名はわりと新しいと言われています。
由来は確定していないようですが、有力と言われるのはイギリスのチャールズ2世(1630年~1685年)の殿医だった「ドクター・コンドーム」(人名)から。
ドクターは非嫡出子だけでも14人も子供がいたチャールズに対して「これ以上お子が増えると王位継承問題で大変な争いになる!」と王室の行く末を危惧。そこで牛の腸膜をつかったコンドームを開発したそうです。そしてこの時開発されたコンドームが今につながるコンドームの原型であるとも言われています。
さて、そんな夜のベストフレンドことコンドームですが、世界ではどんな愛称で呼ばれているのでしょうか?
【関連:中学生が発案した「性病で色が変わるコンドーム」のお話】
・フランス
愛称:capot anglais
意味:イギリスの頭巾
一時ヨーロッパでは梅毒が蔓延していました。現代に繋がるコンドームの発祥は梅毒予防のため開発されたものという説もあるのですが、裏をかえせばコンドーム発祥の地はそれだけ梅毒が蔓延していたからとも考えられました=不名誉ですね。そこで、それぞれの国が自国発祥のものではないと主張しあい、当時のフランスはイギリスが考案したと名指しし皮肉をこめてこう呼んだと言われています。
・イギリス
愛称:French letter
意味:意味はフランスの手紙です。
前述した逆でイギリスは、コンドームはフランスが発祥だと主張していたそうです。けれど有力な説では現代のコンドームの発祥はイギリスだと言われているのですが……?どうやらお互いにコンドーム発祥という功績を譲り合っていたようです。
・ドイツ
愛称:iummeltute
意味:淫らな袋
おそらくスラングなこの単語。ドイツ語で避妊具を指す言葉はVerhütungsmittelとちょっと長いので、短く呼んだものが定着したんじゃないでしょうかね。
・イタリア
愛称:guanto
意味:手袋
すごく率直な愛称でした。
・スペイン
愛称:globo
意味:風船
たしかに膨らませたら風船になっちゃうし、という意味なのでしょうね。
・ポルトガル
愛称:camisa de Venus
意味:ビーナスのシャツ
優しく包んでくれるからでしょうか。
・ギリシャ
愛称:kapota
意味:オーバーコートという意味があるそうですが、古代ギリシャ語と共通の起源を有する可能性があるサンスクリット語では鳩の意味があるそうです。
・デンマーク
愛称:gummimand
意味:ゴム人間
擬人化しちゃった系ですね。
・韓国
愛称:u-san
意味:傘
たしかに被せる様子がアレの傘っぽいかもしれないですね。
・インドネシア
愛称:koteka
意味:ペニス型のひょうたんという説と最初に白人と接触したカポーク族の言葉という説があるそうです。
コテカとはインドネシアのパプア州やニューギニア独立国に居住しているダニ族、ラニ族、ヤリ族が身につける装身具で男性下着の一種です。いわゆるペニスケース。どうやらコンドームと同じ身に付け方をするため、愛称としてこの名称が使われているのかも。
・インド
愛称:nirodh
意味:抵抗という意味のブランド
インドは仏教発祥の国ですよね。生み出すことへの抵抗だという意味なのでしょうか? ちなみに似た単語でnirodhaというものがあり、こちらは「苦は滅する」という意味がありますが関係があるのか気になるところです。もし関係があるのなら、この場合、苦はコンドームによって滅せられるもの=生となるから非常に仏教的ですよね。
・アイルランド
愛称:Johnny
意味:ジョニー
ヘイ! ジョニー! 元気かい? なんて話しかけたりするのでしょうか。
・アメリカ
愛称:Jimmy hat
意味:ジミーのハット帽
紳士な雰囲気が漂っていますよね。
・ブラジル
愛称:camisinha
意味:ポルトガル語でまんまコンドームの意味です。
・オーストラリア
愛称:love glove
意味:愛しの手袋
愛の行為に使われるからなんだそうです。ロマンチック。
・ナイジェリア(イボ語)
愛称:okupu-amu
意味:陰茎の帽子
そのまんまの意味ですね。
ちなみに日本ではゴム、アレ、スキン、お帽子、と呼ぶのが一般的ですが、あなたはどんなふうに呼んでいますか? 一度、日本でも個性的な愛称を集めてみたいな、と思った次第です。
▼参考
相模ゴム工業
(文:貴崎ダリア)