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中学生が発案した「性病で色が変わるコンドーム」のお話

update:

イギリスの中学生が性病で色が変わるコンドームを発案し、ティーンエイジャーの研究や発明に与えられる「ティーンテックアワード」の健康部門の最高賞を受賞したと話題になったのは昨年6月のこと。

このコンドームは「S.T.EYE」と呼ばれ、性病に関連するウィルスやバクテリアが付着するとゴムに含まれた分子が蛍光を発するそうです。
例えば、クラミジアなら緑、ヘルペスは黄色、尖圭コンジローマなら紫、梅毒は青といった具合に変色するんだとか。

パートナーにもひと目で感染していることがわかるため、病気の早期治療や拡散を防ぐことができます。

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    カップルのイメージ(Pixabayより。)

    ■「プライバシーが保たれるから」と発案

    アイデアを発表した3人の中学生はイギリスでSTD(性感染症)が大きな問題になっていることに着目し、「診断を受けるために病院に行くのが恥ずかしいと思っている人でも、これならプライバシーが保たれるから」と発案するに至ったんだそうですよ。

    日本でも若者のSTDが非常に問題視されています。
    感染しても治したらいいや、と思っていてもSTDには症状が治まるだけで継続感染しているものや、一度かかるとガンの原因になるもの、致死性の高いものまで様々です。

    ■日本では抗生物質の効かないスーパー淋病が発見され問題に

    2014年には抗生物質の効かないスーパー淋病なるものまで関西で発見されて問題になっており、また発病すると致死性が非常に高い成人T細胞白血病なども性交渉からの感染を指摘されていて、まだまだ世間に認知されていないSTDが存在し感染率は低いものの一度感染すると「取り返しがつかない」かもしれないものだったりするんです。

    そもそも、「感染しても治ったら問題ない」で終わるのならここまで問題視はされません。

    クラミジアのように軽いと思われがちなSTDでも、感染することで患部が炎症を起こし別の悪質なSTDの感染経路になることが多々あり、さらに妊婦さんが感染すると流産する可能性も。
    そのため、この発案については性病蔓延の抑止につながるという期待がされています。開発されたコンドームをSTDに知らずのうちに感染した人が使用したと考えたら、たしかに早期治療が可能となります。そしてパートナー間のピンポン感染を防ぐことにも繋がりますしね。

    しかし、薄暗い行為中にいちいち確認する人は少数派で、変色に気づくのは行為が終わってから。そして、女性が感染していた場合はどうなるのだろう?という疑問も。

    女性が感染していた場合はどうなっちゃうの?

    ■普段から浮気してるような人が使う?

    さらにこんな一目で浮気してるかしてないかがわかりそうなコンドームを普段から浮気してるような一番STDにかかっている可能性が高い人がつけるとは思えないのですよね。たしかに公衆浴場で感染したりもするトリコモナス症や常在菌が免疫力の低下で健在するカンジダなどは必ずしも浮気で感染したとは限りませんが……。
    まあ、浮気相手が「特定の誰か」だった場合、そしてその特定の誰かが浮気者じゃなかった場合は逆に「ほら、浮気してないでしょう?」というパフォーマンスのために使用してくれそうではありますが……。

    どちらにしても、このコンドームは製品化の話が出ているもののまだアイデア段階。それにコストが非常にかかってしまうことが予想されており、さらに実現までには技術的な問題の面から少し時間がかかってしまうなんて話も。 でももし商品化されたなら……あなたなら使ってみますか?

    ▼参考
    dailymail(dailymail.co.uk

    (文:貴崎ダリア)

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