古い神社仏閣に行くと樹齢何百年という古木がご神木として祀られている事が多くありますが、そのご神木にお賽銭をねじ込む人が後を絶たないようです。

 拡散希望として 「幹の樹皮に硬貨をさすのはやめてください。湿気や降雨でアルミニウムが溶けて木を傷め最悪の場合御神木を枯らしてしまうことになります。こういった行為を見かけた時は、放っておかず見つけた方が硬貨を集めお賽銭箱に入れてください。大事な御神木はみんなで守りましょう! 」という呼びかけをTwitterでおこなったHi*roomさん。


 誰が始めたのかはわからないそうですが、数年前に気づいた時には硬貨がささっている状態。知人の方とともに見つけ次第除去してお賽銭箱へ入れていく活動を行っているそうですが、あまりにも後をたたずやむを得ず今回Twitterで呼びかけるに至ったそうです。

■木が枯れる原因になることも……

 このツイートに対して約2万リツイートの反響があり、「やりたいけど賽銭ドロと間違われそうで躊躇われる」といった声もありましたが、もし他の参拝客がいたら「こういうことする人がいて樹に良くないので見つけたらお賽銭箱に入れるようにしてるんです」と話しかけたりしているそうで、話すと知らなかった、と分かってくださる方ばかりだとか。こうした活動からコミュニケーションが広がってご神木を大切にする意識が広がるといいですよね。

 他にもリプライには「樹木は樹皮のすぐ内側の形成層と言うところで養水分を行き来させてます。 生きているところはその形成層のところ。 あと、根元も重要。だから、触りすぎ、近づきすぎも本当はダメ」という専門家の方からのコメントや「神木というのは、ただその存在が貴重なだけでなく、神社やその街のシンボルツリーだったりするので、学術的にも貴重だったりする」というコメントも。

 木に硬貨をさし込むという行為は木を傷める行為に間違いなくつながります。場合によっては木が枯れる原因になってしまうことも。そしてこうした硬貨を回収するのに神社側もかなりの労力を要します。おみくじを木の枝に結ばないで、というのは神社側などで周知していっているお陰かだいぶ浸透してきている感じですが、このご神木に硬貨を差さないでというのはあまり浸透されていないのが現状の様子。

■鳥居にさし込むケースもしばしば問題視されている

 大きな神社仏閣などではご神木としてしめ縄が巻かれているもの以外にも硬貨が刺さっているケースもあるようで、管理している側だけでは手が回らない事もあるようです。他にも過去話題になった例としては、ご神木ではありませんが、広島県・厳島神社の海の中の鳥居にびっしり挟まれた硬貨。編集部でたまたま訪れ発見した、鹿児島県霧島市の高千穂河原にある天孫降臨神籬斎場(古宮址)の石の鳥居もそうでした。いずれも硬貨をさすことで老朽化に拍車がかかり痛める結果となっています。

 これから神社仏閣へお参りに行くとき、皆さんも気を付けて見てみて下さい。何百年と生きてきたご神木がこれからも長生きできるよう、そして建物や鳥居をいためないよう皆で見守っていきましょう。

以前、編集部で訪れた天孫降臨神籬斎場(高千穂河原)


斎場の鳥居もこんな感じでした…

<記事化協力>
Hi*room さん( @Hi_room_kurage)

(梓川みいな)