おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

レッドブル・エアレース王者も参加!エアショウ「Luke Days 2018」

 2018年3月17日・18日(現地時間)、アメリカのアリゾナ州フェニックス近郊にあるルーク空軍基地で恒例のエアショウ「Luke Days 2018」が開催されました。アメリカにおけるエアショウシーズンの幕開けを告げるようなエアショウです。今年も地元のレッドブル・エアレース2004年・2006年チャンピオン、カービー・チャンブリス選手が参加するなど、様々な空のイベントが行われました。

  •  ルーク空軍基地はアリゾナ州フェニックス近郊にある空軍基地。名称はフェニックス出身で第一次世界大戦中のエースパイロット、フランク・ルークに由来します。今年2018年は、1941年3月に陸軍飛行場として開設されて75年になる記念の年です。

     ショウの前には、参加者が一堂に会してのプリフライト・ブリーフィングが行われます。第56戦闘航空団司令(兼ルーク空軍基地司令)のブルック・レオナルド准将、そして当日の航空管制責任者(エア・ボス)により、様々な注意喚起がなされ、安全で楽しいエアショウにするべく、全員の意識を統一します。

     ショウに先立つ3月16日には、小児がんなど治療の難しい子供達の願いを叶える「メイク・ア・ウィッシュ財団」との交流イベント「メイク・ア・ウィッシュ・デイ」が開催されました。ルーク空軍基地のレオナルド司令や、今回のショウにやってきた海軍のデモンストレーションチーム「ブルーエンジェルス」のパイロット達と、子供達が交流します。話をしたり、一緒に写真を撮ったり、サインをもらったり。人々の隣にある存在として、このような慈善事業は軍隊にとって非常に重要なものとなっています。

     3月17日・18日のショウ本番では、両日とも好天に恵まれました。例年2日間合計で42万人以上の観衆が訪れる、地域のビッグイベントです。飛行展示の幕開けは、P-51D、A-10、F-22、F-35Aによるヘリテージフライト。第二次大戦中の戦闘機と、現在、そしてこれからの主力機となる機体がダイヤモンド編隊を組んで上空を通過します。多くのエアショウで行われる演出ですが、速度域の違うプロペラ機と編隊を組むので、F-22とF-35Aの低速性能も判る貴重な場面でもあります。

     また、上空からは空軍士官学校パラシュート展示チーム「ウイングス・オブ・ブルー」による降下展示も。星条旗をはためかせて降りてきます。

     アメリカのエアショウは、古い飛行機を使った演出込みのドラマチックなフライトがあるのも特徴。T-6テキサン練習機をうまく改造して日本軍機(零戦や九七式艦攻)に仕立て上げ、真珠湾攻撃などを模したデモフライトを行う「TORA! TORA! TORA!」は特に人気です。今回はB-17とも共演し、南方戦線でのB-17撃墜を模したパターンも披露しました。



     また、第二次大戦中の練習機、ボーイング・ステアマンを使用したエアロバティックフライトも。この紅白に彩られたステアマンの操縦をしているのは、元空軍のF-16教官パイロットで航空会社の現役機長、ゲーリー・ローワーさんです。

     ボーイング・ステアマンは地上での展示も行われています。

     変わり種は、ジョン・クラットさんが操縦するジェットWACO「スクリーミン・サスカッチ」。これも1930年代に作られた複葉練習機Waco・F型の胴体下面に、ジェットエンジン(GE・CJ610)を追加してしまったというもの。こちらへやってくる時にはプロペラ機の音がして、目の前を通り過ぎると飛行機の後ろからジェットエンジンの音が聞こえてくる、という不思議な体験ができます。ジェットエンジンを追加したので、とてもパワフルな機体です。

     レッドブル・エアレースのパイロット、カービー・チャンブリス選手はアリゾナ州のフェニックスとツーソンの間付近に住んでいるため、このLuke Daysはホームタウン・エアショウとも言えます。レッドブル・エアフォースとともに、愛機エッジ540でエアロバティックフライトを披露しました。


     空ばかりでなく、地上にも様々な展示や催しがあります。飛行機ではホンダジェットのほか、現在空軍の次期ジェット練習機に立候補しているロッキード・マーティンT-50もコクピット見学を実施していました。また、航空自衛隊のF-35飛行隊要員もここで訓練を行なっているので、航空自衛隊仕様のF-35Aも展示されていました。


     また、エアショウには慈善団体のブースも多く出展されます。ピンクの車で慈善事業を行うピンク・ヒールズ(Pink Heals)も、グッズを販売するブースを出展していました。

     F-22やF-35Aのデモフライト、A-10の地上攻撃デモなども行われ、ショウストッパー(トリ)を務めるのは海軍のブルーエンジェルス。ウインタートレーニングを行なっていたカリフォルニア州NAFエルセントロに続き、2018年シーズン2回目のエアショウに臨みました。17日は機体トラブルのため、1機欠ける(ダイヤモンドが1・3・5番機、ソロが複座の7番機と6番機)ハプニングもありましたが、18日は無事6機体制でのショウが行われました。



     3月17日には、同じアリゾナ州のユマ海兵隊航空基地でもエアショウがありました。そして3月24・25日の週からは、11月まで毎週末3〜12ものエアショウが同時にアメリカ各地で開催される予定です。いくつかのエアショウは開催のキャンセルが明らかになっていますが、今年もエアショウシーズンが始まりました。

    Photo:USAF 56th FW Public Affairs

    (咲村珠樹)

    あわせて読みたい関連記事
  • 2022年のエアレース世界選手権開催断念を伝えるツイート(スクリーンショット)
    宇宙・航空

    エアレース世界選手権2022年の開催断念 新型コロナウイルスと世界経済激変で

  • 2021シーズンキックオフ会見での室屋義秀選手((c) Pathfinder)
    宇宙・航空

    新エアレース世界選手権に正式参戦!室屋義秀2021シーズンキックオフ

  • 2022年開幕の「ワールドチャンピオンシップ・エアレース」公式サイト(スクリーンショット)
    宇宙・航空

    レッドブル・エアレース復活!「ワールドチャンピオンシップ・エアレース」として20…

  • 宇宙・航空

    室屋義秀 福島県内で応援フライト「Fly for ALL #大空を見上げよう」を…

  • 宇宙・航空

    レッドブル・エアレースにUS-2がやってきた!その隠された苦労に迫る

  • 宇宙・航空

    レッドブル・エアレース千葉2019ラウンド・オブ8〜ファイナル4 室屋義秀優勝で…

  • 宇宙・航空

    レッドブル・エアレース千葉2019ラウンド・オブ14 予想外の風に王者ソンカ敗退…

  • 宇宙・航空

    レッドブル・エアレース千葉2019予選 室屋5位 トップはベラルデ

  • 宇宙・航空

    レッドブル・エアレース千葉2019 金曜フリープラクティス 室屋は6位と5位

  • 宇宙・航空

    室屋義秀 最後のレッドブル・エアレース千葉大会直前会見

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • ニキータ・ビア氏の投稿
    インターネット, サービス・テクノロジー

    X、API改定しリプライ浄化 報酬目当ての投稿アプリを出禁

  • 「ゆるキャン△」タイアップ 林野火災予防リーフレット
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    消防庁が「ゆるキャン△」とタイアップ 山火事予防を呼びかけるリーフレット制作

  • 派閥争い終結か!?きのこの山とたけのこの里、マックフルーリーで共闘
    商品・物販, 経済

    派閥争い終結か!?きのこの山とたけのこの里、マックフルーリーで共闘

  • ねるねるねるねアイスバー
    商品・物販, 経済

    テーレッテレー♪ねるねるねるねがアイスに変身 “あたりつき”40周年記念商品を発…

  • 福岡市、生活保護をめぐるSNS情報を否定 投稿者の開示請求へ
    インターネット, 社会・物議

    福岡市、生活保護をめぐるSNS情報を否定 投稿者の開示請求へ

  • 狂愛ストーリー「ホタルの嫁入り」テレビアニメ化 ノイタミナ枠で放送
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    狂愛ストーリー「ホタルの嫁入り」テレビアニメ化 ノイタミナ枠で放送

  • トピックス

    1. ニキータ・ビア氏の投稿

      X、API改定しリプライ浄化 報酬目当ての投稿アプリを出禁

      SNS「X」が、ここ最近リプライ欄を埋め尽くしていた「意味不明な“ヨイショ”投稿」に、ついにメスを入…
    2. 覚悟して食べた昆虫食 セミ・ゴキブリ・カブトムシの中で一番おいしかったのは?

      覚悟して食べた昆虫食 セミ・ゴキブリ・カブトムシの中で一番おいしかったのは?

      東京・吉祥寺を歩いていたところ、思わず二度見してしまう自動販売機に出会いました。売られていたのはジュ…
    3. 昭和・平成世代の記憶 ビデオテープ巻き込み事故、令和に蘇る

      昭和・平成世代の記憶 ビデオテープ巻き込み事故、令和に蘇る

      「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」という言葉にならない絶叫と共に、Xに投稿された1枚の写真。そこには、ビ…

    編集部おすすめ

    1. 生成AI「Grok」を巡りXが安全対策を強化 編集部が体験した監視の実態

      生成AI「Grok」を巡りXが安全対策を強化 編集部が体験した監視の実態

      昨年12月末、画像編集機能を搭載したことで物議をかもした、X(旧Twitter)の生成AI「Grok」。そのGrokをめぐり、Xの公式安全対…
    2. ねるねるねるねアイスバー

      テーレッテレー♪ねるねるねるねがアイスに変身 “あたりつき”40周年記念商品を発売

      クラシエ株式会社(フーズカンパニー)は、発売から40周年を迎えるロングセラー菓子「ねるねるねるね」を記念し、「ねるねるねるねアイスバー」を2…
    3. 福岡市、生活保護をめぐるSNS情報を否定 投稿者の開示請求へ

      福岡市、生活保護をめぐるSNS情報を否定 投稿者の開示請求へ

      福岡市は1月13日、SNS上で拡散されている「福岡市で生活保護を断られた母子3人が亡くなった」とする動画や投稿について、「事実ではありません…
    4. クレーンゲーム機「クラウン602」

      タイトー、幻のクレーンゲーム機を全国指名手配 有力情報に賞金10万円

      ゲームセンターの片隅に、あるいは閉店した商店の倉庫に、ひっそりと眠っているかもしれません……。タイトーが今、全国に向けて“指名手配”している…
    5. ぐるなび、個人情報流出を否定 SNS投稿巡り調査結果公表

      ぐるなび、個人情報流出を否定 SNS投稿巡り調査結果公表

      飲食店情報サイト「ぐるなび」を運営する株式会社ぐるなびは1月8日、同社の個人情報流出を巡るSNS上の投稿について、公式サイト上で「調査の結果…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト