子どもが生まれ、幼少期をへて大人への第一歩を踏み出す中高生になったとき。それまで密接だった親子の会話や関係に変化が生まれてきます。時に、今まで気兼ねがなかった親子の会話に何か見えない壁を感じることも。

 そんな中高生のお子さんをもつ母親1000人と、中高生男女1000人を対象にした「母親と子どものコミュニケーション」に関する調査を江崎グリコ株式会社が実施し、その結果を発表しました。ちなみに母親は「いつでも話しかけやすい母親」と48.3%もの約半数が考えていますが、子供側にしてみると……実は34.5%しかそう思っていないそうです。

■ 1日の平均会話は3.2回

 調査に協力した各1000人にアンケートをとったところ、母と子で会話する機会は母子ともに1日3.2回ということが分かったそうです。もっとも多いのが1日6回以上。

 時間では母親全体の平均は1日65.8分ですが、会話回数が平均より多い「3回以上」の母親では92.8分、対し2回以下の母親では35.6分となり57.2分もの開きがあったそうです。

 子どもも同じ傾向があり、1日の会話が3回以上だと83.8分、2回以下だと30.1分となり、その開きは53.7分となっています。


■ 会話回数や時間は子どもの「悩みの相談」に影響

 会話回数や時間が影響することとして現れるのが、子どもが抱える「悩みの相談」。

 母子の会話の内容について調査をすると、母親は「子どものことは何でも聞きたい」と思っているのに対し、子どもは「いいこと・当たり障りのないこと」を話したい。と考えていることが分かったそうです。

 まず、母親が子どもから聞きたい話題は「今日あった出来事の報告」(85.5%)、「今日うれしかったこと」(74.9%)、「友人関係の悩みごとの相談」(62.3%)、「今日悲しかったこと」(57.2%)と、上がる項目いずれもが高い関心度を示しており、何でも聞きたいと母親は考えています。

 一方、子どもが母親にしたい話題は、「今日あった出来事の報告」(59.1%)、「今日うれしかったこと」(47.5%)、「褒めてもらいたいこと」(31.5%)など良い話、話しやすい話題が中心。

 しかし、母親との会話頻度が3回以上の子どもは2回以下の子どもに比べ、「友人関係の悩みごと」(3回以上35.6%、2回以上16.9%)、「将来の悩みごと」(3回以上31.1%、2回以上20.1%)「勉強の悩みごと」(3回以上32.4%、2回以上18.2%)などの「悩みごと」も多く打ち明けています。

 つまり、母親との会話頻度が高い子どもは、いいことだけでなく「悩みごと」も母親に相談しやすい傾向があるようです。

■ 友達親子だと思う母25%……でも子は14%しか思ってない

 また、このアンケートではちょっと気になる結果も出ています。母親に「子どもからどういう存在に見られるよう接しているか」、一方子どもには「母親はどんな存在か」と聞いてみると、「頼れる存在」「一緒にいて楽しい存在」「優しい存在」が数値が高い順にならんでいますが、よくTVや雑誌などで言われる「友達親子」や「きょうだい親子」といった表現に該当する回答では、「友達のような存在」(母26.5%、子14.0%)、「姉弟・姉妹のような関係」(母11.2%、子7.3%)という結果に。親に対する子の認識は約半分ずつを示しており、割とドライに「親は親」という目線で見ている子が多い様子がうかがえます。

 また、「怖い存在」という回答では母が6.0%しか思っていないのに対し、15.4%もの子どもが怖いと思っており、ここでも意識の差が顕著に出ています。どうやら親が思っている以上に、子は親のことを恐れているみたいですね。

■ 話かけやすいタイミングは「食事」

 こうした親子での会話。母親、子ども双方に話しかけやすいタイミングも聞いています。すると母親は「食事を一緒に食べているとき」(80.8%)、「一緒に出かけているとき」(72.3%)、「テレビを一緒に見ているとき」(68.0%)、「おやつなどの間食を一緒に食べているとき」(56.6%)の順。

 一方、子どもが母親に話しかけやすいのは、「食事を一緒に食べているとき」(65.6%)、「テレビを一緒に見ているとき」(62.7%)、「一緒に出かけているとき」(57.6%)、「おやつなどの間食を一緒に食べているとき」(41.2%)の順。

 一緒に何かをしている時に親子の会話が生まれやすく、特に「食事」と「おやつ」の時間と食べることに2項目が上位入りをしていることを考えると、一緒に何か食べている時間は会話が弾みやすい傾向にあるようです。

 今回調査結果を発表したグリコでは、「Sharehappiness!(シェアハピネス)」をスローガンに掲げるポッキーのブランドメッセージとして、2018年は「大切な人との会話のキッカケを生み出すツール」と宣言しています。つまりポッキーを通じて「会話のキッカケ」につなげられないか?と考えているそうです。

 現在放映中の、宮沢りえさんがお母さん役を演じているテレビCMでも、子どもの話を聞き出すタイミングとして「ちょっと話したいことがある」という時に「ポッキー5本分、時間いいかな」と切り出しています。いきなりポッキーを持ち出されたら、なんだかビックリしそうな気もしますが、子どもの好きなチョコレート菓子のランキング1位は実はポッキー。今回一緒に行われた調査では実に624人と多くの子どもが選んでいます。ちなみに、お母さんは約半数の490人が選び4位。子どもとの会話の糸口として、互いに好きなポッキーを使ってみる。というのは、グリコがおすすめするよう、実はアリなのかもしれませんね。

情報提供:江崎グリコ株式会社

(栗田まり子)