寒さが本格化して、空気も乾燥するようになりました。インフルエンザは乾燥した空気で活発になりやすく、咳やくしゃみで飛ぶ唾液の飛沫と一緒に辺りに散らばります。そのインフルエンザウイルスが苦手としているものが、以前話題になった緑茶ポリフェノール。普段の飲用量で十分な効果を発揮しますが、この度、三井農林株式会社が運営するインターネットサイト「お茶科学研究所」が、紅茶でもインフルエンザに対抗する事が可能であることを明らかにしました。

 紅茶は緑茶と同様、茶葉にポリフェノールが含まれています。このポリフェノール、三井農林が実施した試験管での試験によると、インフルエンザウイルスを30秒間で99.96%無力化する効果があることが分かった、との事。また、同社の社内アンケート調査によると、紅茶の飲用頻度が高いほどインフルエンザ発病率が低く、インフルエンザ対策として紅茶の飲用が有効である可能性が示唆されています。

 緑茶も紅茶も飲用頻度が高い人ほど、インフルエンザにかかりにくくなっている事がグラフでも分かります。

冬季の紅茶の飲用頻度とインフルエンザ発病率の関係 (予防接種をしなかった人を対象とした場合)

 インフルエンザはじめ上気道感染症は、ウイルスが気道内に付着してから約15分でウイルスが増殖して感染が成立する事が知られています。このため、人混みなどでマスクを付けない無防備な状態でい続ける事は、インフルエンザなどの感染症に非常に晒されやすい状態。しかし、うっかりマスクを忘れてきてしまった、マスクを付けたくても付けられない時などは緑茶や紅茶を15分おきに1口ずつ飲む事で感染する確率を下げる事ができます。

 ひとつ注意しておきたいのは、予防を意識して飲む場合「ミルクティー」は注意です。ミルクなど乳製品を入れてしまうと、乳脂肪分がポリフェノールを包み込んでしまい、ポリフェノールが有効に働かなくなってしまうのです。つまり予防として飲むならば、「ミルクティー」にするのは避けましょう。

 筆者は寒くなると生姜パウダーを入れたストレートティー(無糖)を水筒に入れて持ち歩いています。生姜の体を温める効果と紅茶のポリフェノールのおかげでここ数年はインフルエンザはもとより、風邪自体も引いていません。この方法は皆さんにもお勧めしたいと思います。

 また、冬休みにカラオケに行く人も多いかと思いますが、のどを使う事で風邪やインフルエンザに無防備になりやすくなります。大きな声を出す事で、飛沫を飛ばしやすくもなり、密室での感染率はさらに高くなります。こういったシーンにも、ストレートの紅茶をドリンクに選んで、こまめに飲む事で風邪やインフルエンザを予防できます。一番は鼻の頭までしっかりとマスクを着用する事ですが、こういった方法もありますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。

情報提供:三井農林株式会社

(梓川みいな/正看護師)